「目が見えない」
このところ2015年5月頃から母に『類天疱瘡』という病気の症状が現れたことについて、思い出しながら記しています。
『類天疱瘡』というのは高齢者に多い病気で、その症状にはステロイド剤が有効なため、母もステロイドを胃腸薬と一緒に処方されました。
そして薬をしっかりと服用していた2015年7月頃から水ぶくれが消え始め、その状態は10月まで保たれていました。
それが2015年10月の皮膚科の通院予定日に母は病院に行かなかったため、ステロイド剤が手元になくなってしまいました。
その時は水ぶくれも治まっていたため、次の通院時まで様子をみようと考えて、しばらくステロイドの服用を止めた期間がありました。
ところがその数日で母の脚がパンパンに太くなってしまい、ある晩には母が履いていたズボンの脛の部分がびっしょり濡れていました。
そしてそれはおそらく母の身体から体液が滲み出ていたようで、いろいろと調べた結果、ステロイドの副作用ではないかと考え始めました。
ステロイドの副作用として消化器官からの出血というものがあり、体液が滲み出ることも似ているように思ったわけでした。
そうこうしているうちに、ついに母が救急で入院する日がやってきてしまいました。
当時脚が太くなったために布団の寝起きに私の手を借りていた母が、ある日の午前3時に「トイレに行きたい」と私を呼びました。
私が母の身体を抱きかかえてトイレに案内している間、母は何度も「目が見えない」と言っていました。
そして何とか用を済ませると、母は私に捕まりながらダイニングの椅子までたどり着き、そこに座ってしまいました。
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