凍えるような寒い冬
母が86歳の時に、それまで通院していたクリニックから総合病院を紹介されました。
持病の腎臓病が悪化してきている、とクリニックの院長先生から私にも説明がありました。
そして、いよいよ新しい病院に行くという前日、母は「人工透析をしてまで生きたくない」と言いました。
その時母には、おそらくそのような結果になるだろうと考える理由があったのだと思います。
私もクリニックの先生の表情を見て、あまり良い状況ではないのだろうと考えていました。
それは真冬の1月のことで、当時私たちは築50年になろうかという古い一軒家に住んでいました。
その家は隙間風が入り放題で、室内にいてもエアコンの正面以外は暖かさを感じないような状況でした。
ですから前年の夏には近所にマンションの一室を借りていました。
それは古くなった家を建て替えることを考えていたからでした。
ところが、いつでも転居できるような状態でも母はなかなか移動したくないようでした。
何度かマンションの部屋で過ごしたことはありましたが、生活の場を移すのは面倒くさいようでした。
そうこうしているうちに凍えるような寒い冬がやってきて、母の持病が悪化してしまったのでした。
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