爪切りもお役御免
4年前の2019年12月15日は晴れで12℃の日曜日、母が最後の入院をして35日目、この日は午後6時55分頃に面会に行きました。
前日の母は、私が一番お似合いだと思っている緑色の帽子を、久しぶりに被ってスヤスヤと良く眠っていました。
その母の顔はこのところ、むくみが取れてスッキリしてきたというよりも、かなり痩せてきたようでシワが目立ち始めていました。
そして心電図の波形はここ数日、悪化のスピードが速くなっているように感じられて、こちらは不安が増大してきました。
そのため、この日も母の状況を心配しながら病室に入ると、いつものように仰向けで首を右側に向けて良く眠っていました。
前日と同様に緑色の帽子を被り、愛用の高橋由伸のタオルを胸のあたりに掛けた格好で、静かに寝息を立てていました。
「息子さん来ましたよ」と声を掛けると、計器に表示された脈拍、血圧と呼吸の波が少し動いたように感じました。
ただ身体の動きは全くないので、母に聞こえているかもしれないと思いながらも、一抹の寂しさは拭えませんでした。
むくみは前日と同じくらいで、相変わらず腕や指の太さが目立っていました。
また、毎日感じている心電図の波形の悪化ですが、この日も明らかに前日よりも良くない形になっていました。
私は病院に行く際に、母が施設にいた当時と同じ鞄を持っていましたが、その中には何度か母の爪を切ってあげた爪切りが入っていました。
残念ながら母の状況を考えて、私は『さすがに、もうお役御免だね』と呟きながら、その爪切りを鞄から取り出しました。
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