「大丈夫」もしくは「ありがとう」
4年前の2019年12月6日は曇りで10℃の金曜日、母が最後の入院をして26日目、私は午後6時55分に母の病室に行きました。
11月24日の夕方から28日の早朝まで4日間、夜間母の付き添いをしていましたが、心配だったパニック障害の症状はほとんど治まりました。
そのため、28日以後は普通の面会時間に行くことにしていて、この日も午後7時前に行くことになりました。
前日の母は声を掛けても何も反応が無くずっと寝ているので、時計代わりに決まった時間に行く必要がなくなったこともありました。
ただ同時に、母の状態が良化することはほとんど考えられなくなり、気分的に病院に足が向きにくくなってきたことも事実でした。
前の2日間は計器の数値がかなり良く『むくみが取れれば退院か』などと考えたりしましたが、この日も不安を抱えながら病室に入りました。
この日の母は左側を下にして寝ていて、胸には姪が母の誕生日プレゼントとして送ってくれたジャイアンツのタオルを掛けていました。
私が耳元に声を掛けると、思いがけず少し瞼が開いたように見え、同時に口を開けて何か言葉を発してくれました。
それは吐息のような声にならない声でしたが、おそらく私に「大丈夫」もしくは「ありがとう」と言ってくれたのだと今でも信じています。
それくらいの短い言葉でしたが、これまでの状況からして母が反応してくれるとは考えてもいなかったので、驚きとともに嬉しく思いました。
また、鎮静剤を使って10日経過し面会時はほとんど眠っていたので、もう話は出来ないと勝手に思っていたことを少し後悔しました。
もしかすると、この状況下でも母のベッドサイドに一日中いれば、少しは何か話が出来たのかもしれなかったのですから。
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