絶筆『光』
4年前の2019年12月7日は雨のち曇りで7℃の土曜日、母が最後の入院をして27日目、この日は午後3時頃に母の面会に行きました。
姪たちがお見舞いに来てくれるというので、病院の待合室に集合してから二組に分かれて病室に行くことにしました。
この日の母は珍しく仰向けに寝ていたこともあってか、いびきを掻いていました。
両腕を布団の外に出して、姉が先月の母の誕生日に持ってきてくれたウサギのぬいぐるみを両手で持っていました。
おそらくこれらの姿勢は看護師さんの手によるものと思われましたが、前日の母は吐息のような声にならない声を出していました。
ですので、もしかすると目が覚めた時に母が同意したポーズだったかもしれませんが、私としても初めて見た光景でした。
いずれにしても外に出していた腕は相変わらず太く、どうしても上半身のむくみは取れないようでした。
前日は私が声を掛けると、母はわずかに瞼を開いて何か言葉を発してくれたので、皆さんがお見舞いに来てくれたこの日も期待しました。
しかしながら、誰が耳元で話しかけても全く反応はなく、それは仕方のないことでしたがとても残念に思いました。
それでも、当然ながら精神的に安定して良く眠っているからか、ここ数日は計器の値が悪くなく心電図も平坦で安定していました。
その後病室を出てから、隣接の施設で開催中の展示会を見に行くことになりました。
この年に母の名前で出品されたものとしては、工作のダルマと絶筆となった書道の『光』という二つの作品がありました。
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