「この感じだと無理かな?」
4年前の2019年11月9日は晴れで18℃の土曜日、母が施設に4回目の入所をして104日目、午後4時5分ころ面会に行きました。
8月中旬ころから母が体調不良の日が多く、検査して塩分不足が指摘されたため、『ふりかけご飯』を食べ始めることになりました。
母はその『ふりかけご飯』をとても気に入って食事の量も増え、9月下旬には体調の良化が感じられるようになりました。
ただ、体調の良化に精神的な状態が追いつかず、気持ちの落ち込みはなかなか改善されずにいました。
それが10月に入ると精神的にも落ち着いてきて、母の口数も増えて、普通に笑顔が出るようになってきていました。
しかし10月も終わり頃になり、脚のむくみが少しずつ目立つようになってきて、私は『またそろそろ入院かな』と思い始めていました。
この日の母は食堂のいつもの場所で前日と同様に首を右に傾けて熟睡していて、その姿を見て私は『これまでとは違うな』と感じました。
母の話を聞くと「車椅子を自分で動かして戻って来たら動悸がなかなか収らなかった」と言い「昼食もかなり残した」と続けていました。
二日前の診察で心不全の悪化が確認され、血圧が高目で脈拍も多目であることは把握していましたが、とうとう自覚症状も出てきました。
その後、ベッドに座らせて着替えながら話をすると、明らかに押し出すような苦しそうな話し方になり、私の不安は最高潮に達しました。
それでも、母の意識や口調などの元気さは今までと変わらず、翌日の日曜日には3回目の散歩を予定していたので母に確認してみました。
「明日は予定通りお墓参りに行けそう?」と私が尋ねると、母は「この感じだと無理かな?」と残念そうな表情で答えました。
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