戻って来た気持ちの余裕
4年前の2019年10月16日は曇りで18℃の水曜日、母が施設に4回目の入所をして80日目、午後4時5分ころ面会に行きました。
8月中旬ころから母が体調不良の日が多く、検査して塩分不足が指摘されたため、『ふりかけご飯』を食べ始めることになりました。
母はその『ふりかけご飯』をとても気に入って食事の量も増え、9月下旬には体調の良化が感じられるようになりました。
ただ、体調の良化に精神的な状態が追いつかず、気持ちの落ち込みはなかなか改善されずにいました。
それが10月に入ると精神的にも落ち着いてきて、母は小さい声ながらも口数が増えて、普通に笑顔が出るようになってきていました。
この日の母は食堂のいつもの場所にいて、トイレから戻ったところだったのか、盛んに紙で手を拭っていました。
話しかけると少し掠れた声で「今朝は少し寒かったけど、大丈夫だった」と答えてくれました。
前夜はラジオで懐メロを聴いたと言って「曲名までは覚えていない」ということでしたが、一時期と違いラジオを聴く意欲は戻っていました。
この日もベッドと車椅子の移動はスムーズで、立つ姿勢もできていましたが、母は「一歩目が出ないね」と歩くのは怖い様子でした。
そしていつもの腿上げ20回は良く上がり、体力にも徐々に自信が出て来たようで、余裕のある表情からも体調の良さが分かりました。
ただ、このころの気になる点といえば、時々不安を口にすることと周囲を気にする様子が見かけられることでした。
それでもこの日の最後に西の空にきれいな夕焼けが現れると、母は気持ちの良さそうな微笑を浮かべてずっとそちらを見つめていました。
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