「一番良い桜を見た」
4年前の2019年4月13日は晴れて18℃の土曜日、母が施設に3回目の入所をして9日目、午後3時40分ころ面会に行きました。
母はいつもの場所にいて、挨拶もそこそこに元気な声で話し始めました。
まず、前日はトイレに行くたびに便通があったのに、この日はまだ出ていないと言っていました。
また、朝からリハビリがあったこと、そしてリハビリルームの外に出て眼下の桜を見たことを教えてくれました。
そして「良い天気で穏やかな日和の中、きれいな桜が見られた」と、嬉しそうな笑顔で言いました。
それに加えて「今までで一番良い桜を見た」と、いかにも感激したというような表情をしていました。
というのも、母は前年に脚を骨折してから脱水症状で意識を無くして入院するなど、いろいろと大変な時期がありました。
その頃のことを思い出して、後に母は「あの頃は少しおかしかったね」と振り返っていました。
私は当時の母の状況を見て『もうダメなのかな』と思ったことも正直ありました。
母がどこまで当時のことを記憶しているのか分かりませんが、おそらく母も諦めた瞬間があったのかもしれません。
そういう時期を経たので、翌年の桜を見ることができて感激したというのは、無理のないことのように思いました。
ただ、残念ながらこの日の『一番良い桜』が、母の見た最後の桜ということになってしまいました。
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