2時半まで切手を貼っていた
4年前の2018年6月16日は曇りで16℃という寒い土曜日、母が脱水で入院して24日目、この日は午後3時40分ころ母の病室に行きました。
母もさすがに寒いのか、ちゃんちゃんこを着たまま布団を掛けてベッドに横になっていました。
私が「また来ましたよ」と声を掛けると、母はすぐに目を開けて「少し前に寝たばかり」と言いました。
続けて「2時半まで切手を貼っていたけど、まだやっているんじゃないの」と言いました。
当時の私は母のこういう言葉の意味が分からないため、夢に見た過去の思い出を話してくれたのかな、と思ったりしました。
しかし、今ではその意味はほとんど分かります。
おそらく、この日も母は昼食を車椅子で広間まで食べに行き、帰りにナースステーションに寄って2時半まで切手を貼っていたのでしょう。
このころ、私は面会時のベッドに横たわっている母しか見ていませんが、実際の母は私が考えていた以上に元気だったのだと思います。
つまり「2時半まで切手を貼っていた」というのは、朦朧として昔話をしていたのではなく、母の少し前の行動を正確に伝えてくれていました。
当時の日記にも私は『内容は良く分からないが、たくさん話をしてくれて元気だった』と書いていました。
このころ一番心配だったのが母の元気さでしたから、仕方ない面もありますが、後で振り返って初めてわかることも多いのだと思います。
「今日は6月16日だ」と教えると、母は「ばあさんの誕生日がもうすぐだ」と、二日後に迫った祖母の誕生日のことを口に出し、記憶もしっかりしていることがわかりました。
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