「今日もここに泊まるの?」
2018年7月に母はいわゆる老健に入所しました。
家にいた頃の母はデイサービスにも興味を示さず、慣れない場所を嫌う傾向もあるので、ほとんどウチで私が面倒を見ていました。
しかしこの時は、その前に入院していた病院で母は、すっかり元気で陽気になったので施設でもうまくやっていけるかも、と私は思いました。
結果として母は施設での生活を楽しんでくれました。
それでも最初の一週間から十日ほどは、少し怖がっているような感じもありました。
私は施設にほぼ毎日、夕方に面会に行っていましたが、母は初日から元気な声でいろいろと話をしてくれました。
その日に経験したことを思い出しながら、私に伝えたくて仕方がないというような話しぶりでした。
もっとも、話の内容は思い込みによる間違いもありましたが、とにかくたくさん話してくれました。
そのように母が新しい生活について興奮気味に話す様子は、私を安心させてくれました。
ただ、1時間ほど面会して私が帰ろうとすると、それまで笑顔で話をしていた母の表情が変わりました。
「今日もここに泊まるの?」と、私に尋ねる母の顔は何かを恐れているように見えました。
私が帰ろうとすると母がこのような表情になるということが、一週間から十日ほど続いたように思います。
« 次の行き先 | トップページ | 「きれいな桜だった」 »
コメント