「年は取りたくないものだ」
介護が問題視される時、ほとんどの場合「介護は大変だ」という面から語られるように思います。
介護者が一人で抱え込んで、いわゆる介護地獄に陥るというのは良く聞く話です。
ただ、私が母の面倒を見るようになって全てが終わった今、改めて考えるのは介護される人のことです。
「年は取りたくないものだ」と、私の父はしばしばこのように言っていました。
父は本当に元気な人で、最後の入院をする直前までほとんどすべてのことは自分で出来ていました。
それでも、様々なことで加齢による不便なことはあり、そのような時に「年は取りたくないものだ」という言葉を自嘲気味に発していました。
ただ、少なくとも介助が必要な点はないように見えましたので、私もほとんど手助けをすることはなかったわけですが。
今から思うと、父に対してももっと優しくしてあげれば良かったと反省しています。
もっとも、その反省が生きて、母に対してはできるだけのことをしてあげられたのかもしれませんが。
いずれにしても、加齢による衰えは誰にでも起こり、寂しく感じたり気落ちをする原因になるものだと感じます。
介護問題が語られる際に、軽視されがちに見える被介護者の精神状態に、もっと目を配ってもらえると良いと思います。
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