最後の会話
2年前の2019年11月30日は土曜日、晴れて12℃の日、午後6時40分頃母の病室に行きました。
この日の母は、やや右側を下にして寝ていましたが、瞼の腫れなどは前日までと変わらない感じがしました。
心電図は順調に見えましたが、脈拍は75、血圧は210/90と、相変わらず高い値が表示されていました。
「来ましたよ」と声を掛けると、目を開けたので手に触れると「冷たい」と、母は絞り出すような小さな声で言いました。
意識は朦朧としているようですが、開けた眼は見えている様子でした。
このところ毎日乾燥していて、母の唇もカチカチになっていたので拭いてあげると喜んでくれました。
「少しずつ良くなっているからね」と私が言うと、母は「大丈夫」とかすれた声で答えてくれました。
最後に「また明日来るよ」と言うと、母は手を振るような仕草をしていました。
このころは毎日行く前は不安で「今日はどうかな?」と考えながら病室に入っていましたが、少しでも話ができるのは嬉しいものでした。
鎮静剤が効いているからか、母は目が覚めていても朦朧としてはいますが、数日前と違って表情は穏やかになっていました。
結局、この日が母との会話が成り立った最後の日になりました。
6~7分の面会でしたが、最後の会話になるのでしたら、もっと長く話をすれば良かったと今では思います。
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