「いいもの見ましたね」
2年前の2018年12月18日は雲一つない快晴の暖かい日でした。
この日も午後4時頃面会に行くと、母はいつもの位置にいて会うなり「暑いでしょう」と一言。
外も暖かかったですが、確かに室内はいつも以上に暑く感じられました。
この日はリハビリもなく、いつものタオル折りもしないで一日中暇にしていたとか。
その分、昼寝をたっぷりして便通もあり体調は良さそうで、元気な声で話してくれました。
おやつのゼリーが冷たくて美味しかったこと、レモンのような味がしたことを教えてくれました。
朝から雲一つない快晴であることを母は知っていて、そろそろ夕焼けが見えるかなと期待しているようでした。
9階の面会室で一緒に夕日を見ながら「富士山が見える」と、私が言うと「えっ、本当?」と母は言いました。
ただ、初めのうちははっきりとは見えていないようでした。
しばらく話をしていて、夕日がいよいよ沈む時に母は「あっ、いいじゃない」と、そのきれいな光景を喜んでいました。
「その右側に富士山があるよ」と私が教えると、今度は「そう言われればそんな気もする」と母は言いました。
その後も母は「早いから」と、あっという間の日没を見続けていました。
「まぁ、いいもの見ましたね」と母は言いながら、最後には富士山も分かったようで「今日は富士山も見えましたね」と満足そうでした。
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