大阪府知事選挙

2008年1月29日 (火)

子供の笑顔と老人の涙

1月27日に投開票された大阪府知事選挙は、子だくさんのタレント橋下徹氏が当選しました。
自画自賛しますが、私の予想通りでした。
12月18日の記事
知名度の差は致命的かで、危惧したとおりの結果になりました。

橋下氏が勝った最大の要因は知名度でしょうが、忘れてならないのが公明党の存在です。
私が12月18日に記事を書いた時点では、公明党が橋下氏を支持するのかどうか決まっていませんでしたが、府連レベルで公明党が橋下氏を支持することが決まった時に、この選挙の結果も決まったのではないでしょうか。
選挙後のある調査によると、公明党支持者のうち95%までが橋下氏に投票したといいますから強力です。


去年の4月に行われた東京都知事選挙では、現職の石原氏が浅野氏に112万票の差をつけて勝ちました。マスコミではこれを石原氏の圧勝と言いましたが、私はそうは思いません。
東京には70~80万票程度の公明党の票がありますから、石原氏といえども公明党の協力なしには勝てなかったともいえます。

今回の大阪府知事選での橋下氏と熊谷氏の票の差は約89万票ですから、45万票が橋下氏から熊谷氏に流れれば逆転していたわけです。
大阪の公明党の票がどのくらいあるのか定かではありませんが、いずれにしろ知名度のある候補者といえども、今や公明党の協力は欠かせないという状況なのは間違いのないところです。


ところで、橋下氏については彼の日頃の言動から、知事としての資質を疑問視する声が少なからずありましたし、私もかなり疑問に思っています。
ただ、今後重要なのは、今までに何を言っていたかではなく、これから知事として何をするのかということです。

タレントとしてテレビで毒を吐くのはある程度自由ですが、知事として同じ発言をするわけにはいかないでしょう。
このあたりの立ち回りは上手そうですから、案外うまくやっていくかもしれません。

東国原宮崎県知事と同様に、テレビを利用して大阪のセールスマンとしての価値は高そうです。
もっとも、今さら大阪にセールスマンが必要かどうかは微妙なところですが‥‥。


また、今回の選挙でバックに自民党と公明党がついてしまいましたから、知事としては大したことはできないでしょう。
大阪府の財政も厳しいようです。
そして、福祉予算は削られるのでしょう。
橋下氏の公約からして、子供関係の予算は削れませんから、お年寄りが泣きを見ることになるかもしれません。


子供が笑い、お年寄りが泣く。
そんな大阪になっていくのでしょうか‥‥。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (16)

2007年12月18日 (火)

知名度の差は致命的か

来年の1月に大阪府知事選挙が行われますが、12月1日の記事立つのは弁護士か司会者か予想した通り、某弁護士が立候補することになりました。
そして本日、彼は自民党と公明党に推薦してもらうために、公約の原案というものを発表しました。


「子どもが笑う」「職員が汗をかく」 橋下氏が公約原案発表

来年1月10日告示、同27日投開票の大阪府知事選で、弁護士でタレントの橋下徹氏(38)は18日午前、「子どもが笑う」などをテーマにした公約原案を発表した。子供が育ちやすい環境にするため、低・中所得者のために出産補助や子供がいる世帯の公営住宅家賃減額などで集中投資する一方、府の出資法人すべてを民営化するなど財政再建することも盛り込んだ。今後に数値、年次目標を入れて告示までに完成させる。

発表した原案は「私の大阪元気プラン」。橋下氏は「すべてに数値目標を設定するのは不可能で、マニフェストではない」としている。大阪を特徴づけるために「子どもが笑う」「職員が汗をかく」をテーマに挙げた上で、活性化のための産業施策は、知事が行政権限がある大阪市などにプランを説明し、府内で広く実行するとしている。

具体的政策では、子供の成育や教育環境を整えるために、子育て、教育に集中投資し、出産や産科医への補助、子供がいる世帯の公営住宅家賃の大幅減額、府立高校の学区制撤廃などをあげた。さらに、職員については、若手職員らを集め、成果が出れば、「大胆な昇進を行う」とした。このほか、知事の退職金50%減額などを掲げている。

橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。大阪を元気にすることを目標にした」と話した。

一方、橋下氏は同日午前、公明党府議団と面会し、原案を説明した。自民、公明に推薦を求めており、午後には自民党府議団とも会い、同様に政策調整する。今後も自公と協議を重ね、公約を完成させるが、推薦できるかどうか事実上の“面接”にもなっているといえそうだ。

[2007年12月18日12時04分 産経新聞]


橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。」と言っています。大丈夫ですかね、この人は。
民営化を進め、弱者に対する予算を削る。
これではまるで「小泉カイカク」ですね。
この人は、大阪のコイズミでも目指すつもりなのでしょうか。

また、数年前ならともかく、格差に対する手当をどうすべきか問題になっている今、それも選挙前にこういう発言をするこの人を、自民党・公明党は本当に推薦するのでしょうか。


そもそも、大阪府議会議員レベルでは、自民・公明は民主との相乗りを望んでいたはずです。それだけ与党でいたいという思いが強いわけです。
おそらく今でもできるならば、相乗りをしたいのではないかと思います。

それは、民主党が推薦する大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏が意外と強敵になりそうなのでなおさらでしょう。
聞くところによりますと、熊谷氏は学生にも人気があり、地元の経済界にも顔が広いそうです。
橋下氏が立たなければ、自公両党は堂々と熊谷氏に相乗りができたのですから、その方が良かったと、かなり多くの人たちが今でもそう思っていると想像できます。


それでも選挙ではおそらく橋下氏が有利だと思います。
それだけ知名度の差というものは大きいです。
私がそのように考えるのは、今年4月の東京都知事選挙の経験があるからです。

早々と出馬を表明していた現職の石原氏に対し、浅野氏が立候補を決めたのは投票日の一ヵ月前でした。
それでも告示前までには、二人の差はかなり詰まっているといわれていました。
しかし、この国の選挙は不思議なもので、告示後、選挙期間に入ると選挙前と違って、全く静かになってしまいます。

その結果として、選挙期間中には知名度の差は縮めることはできません。
まさしく知名度の差は致命的なのです。
そして、今回の大阪府知事選挙の告示前の期間が年末年始にあたることも大きく、マスメディアで政治の話題が取り上げられるのもかなり控えめになるものと思います。
出遅れた候補者が知名度を上げていくのは、かなり難しい状況です。


橋下氏にとって落とし穴があるとすれば、自民党の国会議員達が応援しに行くことでしょうか。
国政でジリ貧状態のこの人たちは何かで実績を上げようと必死ですから、国政選挙並みの応援をすることが考えられます。
そういう状況になれば大阪府民の反感を買うかもしれません。


ぜひ福田内閣をはじめ、自民党には全力で橋下氏の応援をしていただきたいものですね。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (6)

2007年12月 3日 (月)

いい選挙でいい知事を

選挙は大事です。当選を目指す候補者にとって大事であるのはもちろんですが、選ぶ側の都民にとっても、選挙はとても大きな意味を持っています。「選挙のありようが、その後の知事任期のありようを決定づける」というのが、宮城県知事時代の私の実感なのですが、今、自分が候補者となる都知事選挙を目前にして、その感を深めています。

いい知事になるためには、いい選挙をしなければならない。「いい選挙」とは、都民の一人ひとりが関わっていける、行動していける選挙のことと考えています。「いい選挙」は、それに関わった都民の意識と行動を変えます。結果の如何にかかわらず、関わった都民にとっての大きな自信につながり、目減りのしない財産になります。こういった過程を経て日本の政治風土が変わっていくことを確信しています。

これは、浅野史郎氏が今年の東京都知事選挙に出馬表明した際に述べた「選挙についての基本姿勢」の一部です。
この中で浅野氏は、自らの経験から「選挙のありようが、その後の知事任期のありようを決定づける」と言います。
つまり、選挙を見れば、どのような知事になるかが分かるということです。

さて、このブログでも何度か取り上げた太田大阪府知事が3選不出馬を表明しました。太田氏はこれまでの選挙はいわゆる相乗りで戦ってきたそうですが、次の選挙では推薦や支持が受けられなくなり、立候補を断念するようです。


太田房江・大阪府知事、3選不出馬を正式表明

大阪府の太田房江知事(56)は3日午前、府庁で記者会見し、来年1月の知事選について「最近の出来事で、府民や議会の信頼を損なった。今の状況では、出馬は不可能と判断した」と述べ、3選出馬を断念する意向を表明した。

高額講師謝礼金や政治団体事務所費など「政治とカネ」を巡る一連の問題で府議会や府民の反発が強まり、過去2回の知事選で推薦を受けた自民、民主、公明3党や、最大の支持団体だった連合大阪が不支持を決めたため、退陣に追い込まれることになった。

自民、民主、公明各党は、相乗りでの統一候補の擁立も視野に入れ、候補者選びを本格化させていて、府出身の大学教授、元官僚、タレント、国会議員らの名前が浮上している。共産党は弁護士の梅田章二氏(57)の推薦を決めている。

太田知事を巡っては、政治団体「太田房江を支える東京の会」が2004年8月~07年8月、母親宅やおい宅を事務所の所在地として、計約223万円の事務所費を計上していた問題が11月に発覚。中小企業経営者らの任意団体「関西企業経営懇談会」の会合に03年4月~07年9月、11回出席し、計880万円の講師謝礼金を受け取っていた問題も判明した。

太田知事は、岡山県副知事、通産省審議官などを経て、横山ノック前知事が強制わいせつ事件を巡って辞任したことを受けた00年の知事選で初当選し、全国初の女性知事となった。04年の知事選でも「相乗り」で再選を果たし、現在2期目。

[2007年12月3日13時45分  読売新聞]


とうとう、太田大阪府知事が来年1月の知事選への立候補を断念しました。
数々のカネの問題や、大阪市長選挙でのバンザイ事件などで、各政党はすでに推薦しないことを決めていましたが、連合や地元の財界にも見放されたため、立候補することを諦めたようです。

結局太田氏は、政党や組織の推薦や支持がなければ立候補することもできないということのようですが、これは逆に浅野氏の言葉からすると、いい選挙をするチャンスでもあるわけです。
というのは、特定の政党や組織から離れたことによって、市民派の知事を目指すことが可能になったのですから。

カネの問題を清算し、今後は透明な政治を目指すということで、市民のカンパで選挙を戦い3選されれば、どこの組織にも気を使う必要がなくなり、今までとは違った「いい知事」になれるかもしれません。
もっとも、本人が変わらなければ無理なことではありますが‥‥。

来年の1月27日の投票日まで、もうそれほど時間がありません。
どうやら、自公民各党は今回も相乗りを考えているようです。
それでは太田知事の代理のような人物に変わるだけです。
大阪府民の皆さんはそれで良いのでしょうか。

東京都民は石原慎太郎氏の3選を許してしまいました。
その結果、あと3年半はこのままです。
しかし、大阪府民には府政を変えるチャンスがすぐそこにあります。

「いい選挙でいい知事を」選ぶチャンスがそこにある。
都民としては羨ましい限りなのですが‥‥。
候補者がなかなか現れないようです。


こうなったら、大阪も浅野さんにお願いしますか?

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (10)

2007年12月 1日 (土)

立つのは弁護士か司会者か

とうとう、四面楚歌という状況になってしまいました。
太田大阪府知事のことです。
私も先月2回、太田知事に関する記事を書きました。

 11月12日 税金のキックバック

 11月15日 大阪府民の判断は?

このところカネの問題が取り上げられて、苦境に立たされていた太田知事ですが、来年の1月に予定されている大阪府知事選挙での3選を目指して、各政党の推薦を待っていたわけです。
ところが、今ではこういう状況になっているようです。


大阪知事選で自・公・民とも太田氏不支持 独自候補探る

自民党大阪府連(中山太郎会長)は1日、大阪市内で総務会を開き、来年1月27日投開票の大阪府知事選で太田房江知事を推薦せず、独自候補を擁立することを決定した。民主党府連、公明党府本部も太田氏を推薦しない方針で、これまで太田氏を支援してきた与党3党は、今後、独自候補の擁立作業を本格化させる見通しだ。

総務会後、記者会見した自民党府連の西野陽政調会長は「伊吹文明幹事長や古賀誠選対委員長とはすでに調整済みで、理解してもらっている。ひっくりかえることはないと思う」と述べた。中山会長は3日、伊吹幹事長らに一連の経緯を報告したうえで、党としての最終決定を求める考えだ。

1日の総務会には府選出国会議員ら約30人が出席し、党本部と府連で知事選候補に「ねじれ」がないようにすることを確認。独自候補については公明党との連携を基軸に選定作業を進める。中山会長は「まだ決まっていないが、鋭意選定を進めていく」と述べた。

公明党大阪府本部も1日、大阪市内で幹事会を開き、太田氏の推薦見送りを決めた。白浜一良代表は「国政と地方は違う。府議団の議論を尊重したい」と述べ、自公民での相乗りを示唆した。

一方、民主党大阪府連も同日、大阪市内で常任幹事会を開いた。太田氏を推薦せず、独自候補を擁立する見通しだが、今後の対応は三役に一任することを決めた。幹事会後、府連の平野博文代表は「他の政党が相乗りしてくるのは拒否しない」と語り、3党相乗りの可能性に含みを残した。

[2007年12月01日12時42分 asahi.com]


各党が太田知事を推薦しないのは、必ずしもカネの問題が理由ではない、という点が興味深いところです。

というのは、太田知事は知事選で各党から推薦を受けたいために、11月18日に行われた大阪市長選挙では中立の立場にいました。
ところが、当選者が決まるとその事務所に行き、バンザイに参加してしまいました。
おそらくこの人は、事実上の一騎打ちであった候補者のうち、どちらが勝ってもバンザイをしたのでしょう。

これに怒ったのが敗れた自民党と公明党です。当たり前ですね。
上の記事にあるように、太田知事の推薦見送りを決めました。
一方、バンザイをしてもらった民主党も困りました。
自民と公明の怒りを買い、なおかつスキャンダルの出ている候補者では、選挙の苦戦は必至ですから。

結局、民主党も太田知事は推薦しないようです。
それでも、本人は知事の座がお好きなようですから、選挙に出るのでしょう。
せめて、現職の知事が泡沫候補などと言われない程度には、頑張っていただきたいものです。

現職がここまでボロボロになれば、政党の推薦を受けた候補が当選する確率がぐっと高くなります。
各政党のコメントを見ますと、自公民での相乗りもありそうです。
本来、相乗りは避けるべきであり、選挙自体も盛り上がりに欠けるものになります。
ただ、自公民で相乗りすればその候補者はその時点で当選確実でしょう。

さて、その候補者になるのは誰でしょうか。

大阪市長選挙でも名前の挙がった、某弁護士でしょうか。
若しくは、お笑いタレントの某司会者でしょうか。


ひょっとして、二人の一騎打ちもあり‥‥‥か?

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2007年11月15日 (木)

大阪府民の判断は?

今年の4月に東京都知事選挙が行われました。
結果はご存じの通り石原慎太郎氏が3選を果たし、私も都民として他の道府県に住むアンチ石原の皆様に対して申し訳ない気持ちで一杯です。

さて、大阪府知事選挙が来年の1月27日に予定されています。
おそらく、それに関係しているのでしょう、太田知事のスキャンダル?がここにきて報道されています。
このブログでも11月12日の記事
税金のキックバックで取り上げましたが、昨日、今日の新聞ではより詳細な情報が出てきています。


太田・大阪府知事:謝礼問題 飲食会出席は「公務」 「職員動員せず」も虚偽

大阪府の太田房江知事(56)が、府の公共工事入札参加資格業者を含む中小企業の経営者らが組織する「関西企業経営懇談会」(関企懇)の飲食会に過去5年間に計11回参加し、知事が「講師謝礼」名目で計981万円を受け取っていた問題で、府は知事の飲食会出席を「公務」と位置付け、府職員に勤務時間内に公務として受付などを手伝わせていたことが分かった。山田信治・知事秘書(特別職)は当初、記者会見で「公務とはいえない」と説明していたが、秘書室は13日、説明を一変した。

また太田知事は7日の定例会見で職員動員について「今はしていません」と説明していたが、会見直前の会合でも職員が手伝っており、虚偽説明だったことが判明した。公務での高額謝礼と虚偽説明の両面で知事のモラルが問われそうだ。

飲食会は03年4月~07年9月、大阪市内のホテルで計11回あった。府によると、少なくとも9回について府職員2~3人が毎回約2時間、受付や資料配布を手伝ったことが確認できた。うち4回は職員が年次有給休暇をとって手伝い、残り5回は勤務時間中だった。【岩崎日出雄、鮎川耕史】

[2007年11月14日 毎日新聞]

昨日の新聞記事ですが、知事は当初、「公務ではない」と説明していたようです。
その後、それを「公務である」と変更したということです。
勤務時間中の職員が手伝っていたのですから、公務としないとまずいでしょう。
本日の新聞には、また新しい事実が載っています。


太田・大阪府知事:謝礼問題 副知事らも飲食 知事に同行、毎回無料

大阪府の太田房江知事(56)が、府の公共工事入札参加資格業者を含む企業の経営者らが主催する飲食会に出席し、高額謝礼を受け取っていた問題で、この飲食会に副知事ら府の最高幹部が毎回参加し、無料で飲食していたことが分かった。副知事3人と出納長、知事秘書の特別職5人が勢ぞろいすることも多かった。

飲食会は、「関西企業経営懇談会」が03年4月~07年9月、大阪市内で計11回開催。知事はすべてに「公務」として出席し、計981万円の謝礼を受け取った。

府によると、04年以降の9回のうち8回に3人の副知事全員が出席(1回は1人が欠席)したほか、出納長も6回、知事公室長と次長、秘書課長も4回出席。府幹部らは参加費を払わなかった。

三輪和夫副知事は「知事が府政の情報発信を行うことは公務であり、私たちの出席も公務の補助」とのコメントを出した。【岩崎日出雄】

[2007年11月15日 毎日新聞]

会合には府の最高幹部が毎回参加していました。
副知事は全員がほぼ毎回出席しているということです。
これは確かに公務でしょう。
しかし、参加費を支払わずに無料で飲食しています。

そして、知事は公務で講演して謝礼を受け取っていたことになるわけです。
また、職員の中には有給休暇を取って手伝った人もいるようですが、公務であったら休暇を取る必要はなかったでしょう。
また、これに対する知事の説明は新聞に「虚偽」とまで書かれています。

今回の件は、一昔前の政治の世界では、問題にされるようなことではないのかもしれません。
ただ、このごろは政治と金の問題に対し国民の目が厳しくなっています。
前回も書いたことですが、公務かどうかということよりも、このような会合に出席して謝礼を受け取ることがどうなのか、ということが問題なのです。

都知事選では、石原氏の公費での豪華な外遊や飲食が問題にされました。
今回の太田知事の問題は、それと比較すれば小さいものかもしれませんが、問われているのがお金にまつわる不明朗さという点では一致していると思います。
そして、そういう政治姿勢を、有権者が今後も許していくのかどうかが選挙では問われることになります。

東京都民はそれを許してしまいました。


大阪府民の皆様はどういう判断をするのでしょうか。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (2) | トラックバック (10)

2007年11月12日 (月)

税金のキックバック

遠藤武彦という名前を覚えていますか。
今年の9月3日まで農林水産大臣だった方です。
わずか8日間だけでしたが。

遠藤氏は国からの補助金を不正受給していた「置賜農業共済組合」の組合長を務めていました。
そういう人物を補助金を出す立場の農水大臣に任命した、当時の安倍首相の判断にも唖然とさせられましたが、こういうことを全く問題にしないところが自民党らしいところでもあります。

税金を出す側が受け取る側と何らかの関係を持ち、その中からいくらかの金銭を受け取る。
結局、税金のキックバックで私腹を肥やす形になるわけです。
では、次のケースは問題ないのでしょうか。


大阪府知事に講演料883万円 補助金交付先代表ら出席

大阪府の太田房江知事が、中小企業の経営者らでつくる任意団体「関西企業経営懇談会」の会合に講師として招かれ、1回あたり50万~100万円の講演料を受け取っていたことがわかった。秘書によると、5年間で総額883万円になる。参加者には府の公共事業の入札参加資格を持つ企業の経営者や、補助金交付団体の代表者もいた。太田知事は「金額としてはかなり多いと思ったが、税務上の処理も適切にしており、なんら不正はない」と話している。

同会は大阪府内の中小企業の経営者ら約30人が03年に設立。製造業者や建設業者、設計業者などで、府の公共事業の入札参加資格を持つ業者は10社あった。補助金を交付された学校法人の理事長も会員に含まれていた。

太田知事が出席していた会合は、03年4月~今年9月にかけて11回。大阪市内のホテルで開かれる飲食会で、太田知事は毎回、府政の課題について30分程度講演し、その後1時間半ほど会員の席を回って情報交換をしていたという。毎回、夕方から始まり、アルコールも出たとされる。

講演料は、03年、04年は1回70万円、05年、06年は1回100万円、07年は1回50万円が同会の収入からその場で支払われていた。あらかじめ差し引かれた所得税を含めると総額は約980万円になるという。

太田知事は7日の定例会見で、「金額は多いが、きちんと講演し、意見交換も詳細にした。大阪再生がんばってくれという気持ちを含めての謝礼と受け取っていた。懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題で、何ら関係がない」と説明した。

[2007年11月7日22時48分 asahi.com]


太田知事によりますと、金額が多いという認識はあるようです。
それでも、税務上の不正はないし、懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題だ、と言っています。

しかし、ここで問題なのは金額の多寡や税務上の不正ということではなく、そもそもこのような団体の会合に出席して金銭を受け取っているということです。
また、懇談会への参加と府の入札や契約とは関係ないと知事は言いますが、参加した会員の方はどのように考えているのでしょうか。

「会合の出席者は入札で優遇します。」などということは、知事は口が裂けても言えないわけですが、出席者としては何らかの利益を期待するのが当然だと思います。
本来、そういう疑惑を持たれそうな行動は避けるべきだと思いますが、国民やマスコミが問題視しない限り今後も続いていくのでしょう。
知事には何が問題なのかすらわからないようですから。

山田洋行による守屋前防衛事務次官への接待が異常なものだったと言われています。
確かにゴルフの回数も金額にしても常軌を逸しています。
ただ、これを程度の問題として捉えることには疑問があります。

最終的には、税金の絡む契約をする当事者同士は一切の金銭のやり取りを禁止する、というくらいの厳格さが求められるのではないでしょうか。


税金によって私腹を肥やす人々がいる限り、税金はいくらあっても足りないはずです。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (6)