献金・汚職

2007年11月15日 (木)

大阪府民の判断は?

今年の4月に東京都知事選挙が行われました。
結果はご存じの通り石原慎太郎氏が3選を果たし、私も都民として他の道府県に住むアンチ石原の皆様に対して申し訳ない気持ちで一杯です。

さて、大阪府知事選挙が来年の1月27日に予定されています。
おそらく、それに関係しているのでしょう、太田知事のスキャンダル?がここにきて報道されています。
このブログでも11月12日の記事
税金のキックバックで取り上げましたが、昨日、今日の新聞ではより詳細な情報が出てきています。


太田・大阪府知事:謝礼問題 飲食会出席は「公務」 「職員動員せず」も虚偽

大阪府の太田房江知事(56)が、府の公共工事入札参加資格業者を含む中小企業の経営者らが組織する「関西企業経営懇談会」(関企懇)の飲食会に過去5年間に計11回参加し、知事が「講師謝礼」名目で計981万円を受け取っていた問題で、府は知事の飲食会出席を「公務」と位置付け、府職員に勤務時間内に公務として受付などを手伝わせていたことが分かった。山田信治・知事秘書(特別職)は当初、記者会見で「公務とはいえない」と説明していたが、秘書室は13日、説明を一変した。

また太田知事は7日の定例会見で職員動員について「今はしていません」と説明していたが、会見直前の会合でも職員が手伝っており、虚偽説明だったことが判明した。公務での高額謝礼と虚偽説明の両面で知事のモラルが問われそうだ。

飲食会は03年4月~07年9月、大阪市内のホテルで計11回あった。府によると、少なくとも9回について府職員2~3人が毎回約2時間、受付や資料配布を手伝ったことが確認できた。うち4回は職員が年次有給休暇をとって手伝い、残り5回は勤務時間中だった。【岩崎日出雄、鮎川耕史】

[2007年11月14日 毎日新聞]

昨日の新聞記事ですが、知事は当初、「公務ではない」と説明していたようです。
その後、それを「公務である」と変更したということです。
勤務時間中の職員が手伝っていたのですから、公務としないとまずいでしょう。
本日の新聞には、また新しい事実が載っています。


太田・大阪府知事:謝礼問題 副知事らも飲食 知事に同行、毎回無料

大阪府の太田房江知事(56)が、府の公共工事入札参加資格業者を含む企業の経営者らが主催する飲食会に出席し、高額謝礼を受け取っていた問題で、この飲食会に副知事ら府の最高幹部が毎回参加し、無料で飲食していたことが分かった。副知事3人と出納長、知事秘書の特別職5人が勢ぞろいすることも多かった。

飲食会は、「関西企業経営懇談会」が03年4月~07年9月、大阪市内で計11回開催。知事はすべてに「公務」として出席し、計981万円の謝礼を受け取った。

府によると、04年以降の9回のうち8回に3人の副知事全員が出席(1回は1人が欠席)したほか、出納長も6回、知事公室長と次長、秘書課長も4回出席。府幹部らは参加費を払わなかった。

三輪和夫副知事は「知事が府政の情報発信を行うことは公務であり、私たちの出席も公務の補助」とのコメントを出した。【岩崎日出雄】

[2007年11月15日 毎日新聞]

会合には府の最高幹部が毎回参加していました。
副知事は全員がほぼ毎回出席しているということです。
これは確かに公務でしょう。
しかし、参加費を支払わずに無料で飲食しています。

そして、知事は公務で講演して謝礼を受け取っていたことになるわけです。
また、職員の中には有給休暇を取って手伝った人もいるようですが、公務であったら休暇を取る必要はなかったでしょう。
また、これに対する知事の説明は新聞に「虚偽」とまで書かれています。

今回の件は、一昔前の政治の世界では、問題にされるようなことではないのかもしれません。
ただ、このごろは政治と金の問題に対し国民の目が厳しくなっています。
前回も書いたことですが、公務かどうかということよりも、このような会合に出席して謝礼を受け取ることがどうなのか、ということが問題なのです。

都知事選では、石原氏の公費での豪華な外遊や飲食が問題にされました。
今回の太田知事の問題は、それと比較すれば小さいものかもしれませんが、問われているのがお金にまつわる不明朗さという点では一致していると思います。
そして、そういう政治姿勢を、有権者が今後も許していくのかどうかが選挙では問われることになります。

東京都民はそれを許してしまいました。


大阪府民の皆様はどういう判断をするのでしょうか。

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2007年11月12日 (月)

税金のキックバック

遠藤武彦という名前を覚えていますか。
今年の9月3日まで農林水産大臣だった方です。
わずか8日間だけでしたが。

遠藤氏は国からの補助金を不正受給していた「置賜農業共済組合」の組合長を務めていました。
そういう人物を補助金を出す立場の農水大臣に任命した、当時の安倍首相の判断にも唖然とさせられましたが、こういうことを全く問題にしないところが自民党らしいところでもあります。

税金を出す側が受け取る側と何らかの関係を持ち、その中からいくらかの金銭を受け取る。
結局、税金のキックバックで私腹を肥やす形になるわけです。
では、次のケースは問題ないのでしょうか。


大阪府知事に講演料883万円 補助金交付先代表ら出席

大阪府の太田房江知事が、中小企業の経営者らでつくる任意団体「関西企業経営懇談会」の会合に講師として招かれ、1回あたり50万~100万円の講演料を受け取っていたことがわかった。秘書によると、5年間で総額883万円になる。参加者には府の公共事業の入札参加資格を持つ企業の経営者や、補助金交付団体の代表者もいた。太田知事は「金額としてはかなり多いと思ったが、税務上の処理も適切にしており、なんら不正はない」と話している。

同会は大阪府内の中小企業の経営者ら約30人が03年に設立。製造業者や建設業者、設計業者などで、府の公共事業の入札参加資格を持つ業者は10社あった。補助金を交付された学校法人の理事長も会員に含まれていた。

太田知事が出席していた会合は、03年4月~今年9月にかけて11回。大阪市内のホテルで開かれる飲食会で、太田知事は毎回、府政の課題について30分程度講演し、その後1時間半ほど会員の席を回って情報交換をしていたという。毎回、夕方から始まり、アルコールも出たとされる。

講演料は、03年、04年は1回70万円、05年、06年は1回100万円、07年は1回50万円が同会の収入からその場で支払われていた。あらかじめ差し引かれた所得税を含めると総額は約980万円になるという。

太田知事は7日の定例会見で、「金額は多いが、きちんと講演し、意見交換も詳細にした。大阪再生がんばってくれという気持ちを含めての謝礼と受け取っていた。懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題で、何ら関係がない」と説明した。

[2007年11月7日22時48分 asahi.com]


太田知事によりますと、金額が多いという認識はあるようです。
それでも、税務上の不正はないし、懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題だ、と言っています。

しかし、ここで問題なのは金額の多寡や税務上の不正ということではなく、そもそもこのような団体の会合に出席して金銭を受け取っているということです。
また、懇談会への参加と府の入札や契約とは関係ないと知事は言いますが、参加した会員の方はどのように考えているのでしょうか。

「会合の出席者は入札で優遇します。」などということは、知事は口が裂けても言えないわけですが、出席者としては何らかの利益を期待するのが当然だと思います。
本来、そういう疑惑を持たれそうな行動は避けるべきだと思いますが、国民やマスコミが問題視しない限り今後も続いていくのでしょう。
知事には何が問題なのかすらわからないようですから。

山田洋行による守屋前防衛事務次官への接待が異常なものだったと言われています。
確かにゴルフの回数も金額にしても常軌を逸しています。
ただ、これを程度の問題として捉えることには疑問があります。

最終的には、税金の絡む契約をする当事者同士は一切の金銭のやり取りを禁止する、というくらいの厳格さが求められるのではないでしょうか。


税金によって私腹を肥やす人々がいる限り、税金はいくらあっても足りないはずです。

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2007年9月 5日 (水)

舛添大臣は一生懸命やっている

安倍改造内閣の中で舛添厚生労働大臣の評判が良いようです。
彼が良く口にするフレーズに「一生懸命やっています」というものがあります。
国民の代表ですから、一生懸命お仕事をしていただくのは当然ですが、私としては、優先順位なども考慮してやっていただきたいと思います。
あまり急がないことは、そんなに一生懸命にやらなくてもいいですよ。


「横領したような連中はきちんと牢屋に入ってもらいます。今からでも刑事告発してやろうかと思って」。社会保険庁や市区町村の職員が過去に年金保険料や給付などを計3億4000万円着服していた問題で、舛添厚生労働相は4日の閣議後の記者会見で怒りをぶちまけた。横領職員らの処分状況調査の徹底も指示した。

社保庁職員による横領が判明したのは50件、1億4000万円あまりに達したが、刑事告発したのは27件にとどまる。舛添氏によると、処分の公表を始めた98年以降の20件はすべて刑事告発したが、それ以前は十分な資料も残っていないという。「ひどい話。めちゃくちゃなんです。私がそのとき大臣だったら、もっと厳しく処分していただろう」と述べ、97年以前の処分状況の調査を指示した。

[2007年9月5日0時10分 asahi.com]

社保庁職員による横領が50件、1億4000万円というのはかなり少ないような気がします。
それはともかく、舛添大臣のご立腹はもっともですが、97年以前の処分状況を調べてどうするのでしょうか。
業務上横領の時効は7年らしいですよ。
これはゆっくりやりましょう。
それよりも、年金積立金の現状を知りたいのですが。150兆円あると言われていますが本当なのでしょうか。
何処にあるのですか。これを調べて公表しませんか。

社保庁以外にも悪役らしきものが、舛添大臣にとって良いタイミングで登場しました。


厚生労働省の松嶋賢前九州厚生局長(59)が在職中、大阪府枚方市の社会福祉法人「枚方療育園」の山西悦郎前理事長(80)から高級車や現金を受け取っていた問題で、舛添要一厚労相は4日、閣議後の会見で、「(職務)権限を持つ部局にいた職員ひとりひとりから聞き取りをしている」と述べ、前局長が担当職員に口利きしていなかったか調べていることを明らかにした。

厚労相によると、同法人に施設の改築費や増築費として国の補助金が交付された平成14~16年当時、松嶋前局長は社会・援護局に在籍していたが、担当外で職務権限はなかったという。

だが一方で、舛添厚労相は「当時職務権限を持っていた後輩や同僚に対して『口利きしてくれ』と影響力を行使しなかったかどうか。そういう事実があれば非常に重大」と語った。

その上で、「まだ少し細かい調査をしている。お金を送った側の調査もしないといけない。現役の場合に見合うぐらい厳しい処分を考えている」とも述べた。

[2007年9月5日4時16分 sankei.web]


舛添大臣の言う厳しい処分とは、まさか「戒告」ではないでしょうね。
それとも「免職」ですか。この方は、既に辞めていますが。

それよりもここで重要なのは、職務権限の問題です。
これまで贈収賄では本人に職務権限があるかどうかが問題とされてきましたが、これが今回舛添大臣が言うように、職務権限を持つ後輩や同僚に対する口利きまで問題だ、となるとかなり範囲が広がります。

この基準でいきますと、松嶋氏の責任は問えるかもしれません。
同時に、国から補助金を受けている団体から献金を受け取っている政治家も、職務権限がなくても口利きしていればアウトであれば、族議員などはほぼ全員引っかかってしまうようにも思いますが。
自民党の皆さんは大丈夫なのでしょうか。

舛添大臣、それなりに一生懸命やってください。

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