憲法

2007年6月15日 (金)

非武装中立論

「私はよくぶれる。でも、それでいいのだ。」
これは、毎日拝見しているらんきーブログのぶいっちゃんのスタンスです。
当然、優柔不断な私もよくぶれるわけです。特定の支持政党がないので、選挙ではあれこれ迷いながら、その時にベストと思う人に投票しています。ぶれるとはいえ、与党に入れるわけではないので、結果は毎回のように死に票です。それでも自分で考えた結果だからと、一人納得しています。
人はぶれます。変わります。そして、世の中も変わっていきます。

私の学生時代は、もう30年近く前になりますが、世界はアメリカとソビエト連邦(ソ連)の二大国が対立する冷戦時代でした。私にとって、当時のソ連はほとんど情報もなく、ひたすら不気味な国でした。そのソ連を日本は仮想敵国として、防衛費を増やしていったのですね。ただ、当時はまだ「自衛隊は違憲である」という見方も根強くありました。

そんな時代に当時の社会党(現 社民党)左派をはじめ、国民からも一定の支持を得ていたのが、「非武装中立論」です。当然自民党や右派からは、非現実的だと批判されていました。
「非武装になったらソ連が攻めて来る」と、よく言われていました。私は「それはないだろう」と、思いながらもどこか不気味さが消えませんでした。

時代は流れて、ソ連も崩壊しロシアになりました。世界はアメリカの独り勝ち状態です。それでも日本の防衛費の水準を維持するためには仮想敵国が必要です。それが現在は、北朝鮮でしょうか。昔のソ連と比較すると、かなりショボイです。それでも自衛隊は順調に成長してきました。

最近自衛隊に関して、沖縄の辺野古での行動と市民の情報収集活動が話題になりました。久間防衛大臣によると、どちらも「問題ない」らしいです。
まさか「現在の自衛隊にとって問題のある活動はクーデターだけ」のはずはないですよね。

私も非武装がいい、と考えているわけではありません。ただ、時の流れは大きいです。漠然としていた不安が、いつの間にか巨大化しています。こんな時だからこそ、過去の理想論を振り返ってみることも大切だ、と思う今日この頃です。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2007年6月14日 (木)

ミサイルを撃ち落とす?

小泉前首相の得意技は丸投げでした。その相手は、有識者会議と言われるものです。安倍首相も会議はお好きのようで、あちこちに会議を作っています。ただ、前首相とは得意技が違うので、すべてに口を出さないと気が済まないようです。「私の内閣」としては当然のことなのでしょうが。

その有識者会議の一つに「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」というものがあります。この会議は、憲法解釈上禁じられている集団的自衛権の行使を改憲せずに、解釈の見直しにより容認することを目指して設けられたものです。今秋までに報告をまとめる方針とのことですが、メンバーの顔ぶれからみて、最初から結論ありきの会議だと言われています。

この会議での具体的な研究事例は以下の四つが挙げられています。つまり、以下の行為を解釈で合憲にしてしまおう、ということです。

  1. 公海上で自衛艦と並走中の米艦船が攻撃された際の反撃
  2. 第三国が発射し、米国を狙った弾道ミサイルに対するミサイル防衛システムでの迎撃
  3. 国連平和維持活動(PKO)で、任務遂行への妨害を排除するための武器使用
  4. 一緒にPKO活動に参加している他国への武器輸送などの後方支援

この中の 
 2. 第三国が発射し、米国を狙った弾道ミサイルに
   対するミサイル防衛システムでの迎撃
 
について有識者に代わって無識者?の私が考えてみました。
そして、結論が出ました。

これは憲法問題をこえている

思うに、今の世界情勢からして、第三国がアメリカを狙ってミサイルを発射するような状況になったら、その時は日本だけではなく、人類の終わりを覚悟しなければならないのではないか。そのような戦争の中では、「なんでもあり」で合憲・違憲の区別はナンセンスでしょう。

そもそも、アメリカに向かうミサイルはアメリカが撃ち落とせばいいわけで。

仮に、技術的にも憲法上もアメリカに向かうミサイルを日本が撃ち落とせるとします。すると相手は、アメリカと同時に日本も狙うのが当然ですね。つまり人を助ける前に自分が危ない訳です。「美しい国」がボコボコになるかもしれません。

平和な時に様々な事態を想定して対策を練ることも必要です。しかし、我々は現実の世界の中で生きているのです。ゲームのようにリセットはできないのですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)