ニュース

2007年12月 9日 (日)

事故のないのが当たり前

このブログの左サイドに交通機関の情報などを表示するブログパーツがあります。
その中では、鉄道の運行状況も扱われていますが、それを注目していますと電車の遅延の理由で多いのが人身事故なのです。

ちょうど1カ月前の11月9日にダイヤの乱れも政治の責任という記事の中で、最近鉄道の人身事故が多いのではないかと書きました。
今月に入って、12月1日から7日までの一週間にasahi.comで取り上げられた人身事故の記事の見出しを集めてみました。


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東海道線、一部で一時運転見合わせ 人身事故で 愛知(12/07)

JR青梅線、一部で一時運転見合わせ 踏切で人身事故(12/07)

京王線で一時運転見合わせ、千歳烏山駅で人身事故(12/07)

小田急線が一時運転見合わせ 成城学園前駅で人身事故(12/06)

千代田線、一時運転見合わせ 明治神宮前駅で人身事故(12/06)

JR中央・総武線各駅停車に遅れ 人身事故で(12/05)

横須賀線で人身事故 一時運転見合わせ(12/05)

朝の京浜東北線、人身事故で遅れ 11万人に影響(12/05)

JR東海道線、運転を再開 原駅で人身事故(12/04)

東急田園都市線で人身事故 一時運転見合わせ(12/04)

西武新宿線が運転再開 人身事故で遅れ(12/03)

長野新幹線が男性はねる 1400人に影響(12/01)

JR京葉線、一時運転見合わせ 新浦安駅で人身事故(12/01)

地下鉄有楽町線、運転を再開 市ケ谷駅で人身事故(12/01)

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これらはおそらく、関東周辺の事故だけだと思われますが、毎日のように2~3件あります。
そして、これだけの数の事故が起きると、事故を目撃したり、事故車両に乗っていたりする可能性も高くなります。

幸い私自身はそういう経験はありませんが、いつもブログを拝読している津久井進弁護士が、ご自身が乗車していた電車で人身事故に遭遇した記事を書かれています。http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-555.html#more

この国では年間に3万人以上の人が自殺によって亡くなっています。
私自身も人身事故のニュースにも慣れてきたように感じます。
ただ、ニュースは他人事のように事故を扱いますが、その裏には一人一人の人生があることを忘れてはいけません。


言うまでもありませんが、電車は人が飛び込むために走っているわけではありません。
これだけ、人身事故が多いこの国の現状は異常です。
こんな状況が当たり前のようになっていいはずはありません。

それにしても、電車の運転手さんにとっても大変な時代になりました。

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2007年11月30日 (金)

「私はやっていない」

この国では、逮捕・起訴され裁判になった場合、ほとんど全てが有罪になります。
それが、警察・検察が優秀であるためか、裁判がいい加減であるからか分かりませんが、無罪判決はほとんど聞かれません。

特に、死刑が求刑されるような事件の裁判で無罪判決が出ることなど、私は考えたこともなかったのですが、そんなことが広島地裁で実際に起きました。
守屋前防衛事務次官が夫婦で逮捕された11月28日のことです。


広島の母娘保険金殺人、死刑求刑の被告に無罪判決

広島市西区で2001年1月、保険金目的で母親を殺害して放火し、2人の娘を焼死させたとして、殺人、現住建造物等放火などの罪に問われた元会社員中村国治被告(37)の判決が28日、広島地裁であり、細田啓介裁判長は「犯行状況や動機についての自白は不自然で不合理。被告を犯人と断定するには疑いが残る」として無罪(求刑・死刑)を言い渡した。Click here to find out more!

最高裁によると、死刑が求刑され、1審(再審除く)で無罪判決が出されたのは、1978年以降で3件目という。地検は控訴する方針。

中村被告は06年5月に児童扶養手当詐欺事件で逮捕された後、放火殺人を自供したが、公判では否認し、無罪を主張した。

明確な物的証拠がなく、取り調べ段階の自白調書の任意性や信用性などが最大の争点となった。細田裁判長は「被告が犯行を行ったとする客観的証拠はなく、自白調書は検察官の主観に頼った内容になっている」などと捜査のあり方を批判した。

起訴状によると、中村被告は01年1月17日午前3時過ぎ、母親の中村小夜子さん(当時53歳)方1階で、就寝中の小夜子さんを絞殺。灯油をまいて放火し、2階で寝ていた長女彩華ちゃん(同8歳)と二女ありすちゃん(同6歳)を焼死させ、3人の生命保険金など約7300万円を詐取したとされた。

[2007年11月28日13時39分  読売新聞]


この裁判の被告は別件で逮捕され、取り調べ段階で自白したものの公判では否認していたということです。
その上、物的証拠がなく、自白調書の信用性が最大の争点であった、と。
これは、冤罪事件によくあるパターンではあります。

ただ、検察側は控訴するようです。

そして、この裁判長も被告を「シロ」だと認定したのではなく、「グレー」ではあるが「クロ」とまでは言えないとして、無罪にしたということです。

ですから、裁判官が変われば有罪もあり得るかもしれません。
無罪か死刑かですから、大変な違いです。

一方、こちらの事件の容疑者は、逮捕の段階で容疑を否認しています。


JR南武線車内で強制わいせつ 小学教諭逮捕、容疑否認

神奈川県警高津署は28日、川崎市多摩区中野島1丁目、同市立小学校教諭、杉田貴大容疑者(34)を強制わいせつの疑いで現行犯逮捕したと発表した。杉田容疑者は「私はやっていない」と容疑を否認しているという。

調べによると杉田容疑者は、同日午後7時50分すぎ、JR南武線武蔵溝ノ口駅から久地駅間を走行中の車内で、前に立っていた川崎市内に住む高校2年生の女子生徒(17)の背後から、下着の中に手を入れて下半身を触った疑い。生徒が手をつかんで久地駅で下車し、同署員に引き渡したという。

[2007年11月29日01時30分 asahi.com]


容疑者が否認をしている痴漢事件です。
被害者は下着の中に手を入れられたとのことですが、容疑者もその手を掴まれたのであれば否認はできないでしょう。
にもかかわらず否認しているということは、被害者も下着の中の手を掴んだのではなく、手が外に出た後に「これだ」と思った手を掴んだのではないでしょうか。

そうして痴漢の候補者が何人かいる中から、「はずれ」の手を選んでしまった、という可能性もあり得ると思います。
これは、あくまでも想像ですが。

今までに、痴漢冤罪に関しての記事を2つ書いています。

痴漢報道の危うさ

11カ月の勾留とは

その中で紹介しました野村高将氏の手記は、痴漢事件の容疑者としての実体験に基づくものですので、容疑者になる危険性を感じる方は、逮捕される前にぜひ一読されることをお勧めします。

今回の事件でもそうですが、私が気になるのは容疑者が否認しているにもかかわらず、実名が報道されていることです。
住所、氏名、年齢、職業の4点セットで書かれています。
警察発表そのままの記事なのでしょうが、やはり気になります。

野村氏を例にしてみても、冤罪事件は警察に責任がありますが、それと同じくらいマスコミの責任が大きいと感じます。
そういえば、先日容疑者が逮捕された香川県坂出市で起きた祖母と孫の3人が殺害された事件でも、ある特定の人物を怪しむような報道がされていたようです。

おそらく、犯人がなかなか見つからなければ、あの父親は日々マスコミに追い詰められていったのではないでしょうか。


そうですよね、みのさん。

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2007年11月 9日 (金)

ダイヤの乱れも政治の責任

「海外の鉄道はダイヤ通りに来ない。それに比べて日本の電車は正確だ。」
私が子供の頃から、こういうことが言われていました。
ただ、このごろは電車が遅れているという情報をよく見聞きします。その原因の多くが人身事故によるものです。

「人身事故」というと分かりにくいですが、ほとんどが「飛び込み自殺」ですね。
11月7日から8日にかけて朝日新聞に取り上げられた、人身事故の記事を以下に紹介します。


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7日午後0時59分ごろ、東京都多摩市の京王相模原線京王永山駅で、人身事故があり、同線は一時、運転を見合わせたが、10分後に運転を再開した。午後1時30分現在、最大15分ほどの遅れが出ている。

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7日午後6時40分ごろ、東京駅発新大阪駅行き新幹線のぞみ253号が京都駅にさしかかったところ、女性が線路内に入った。駅員がスイッチを押し新幹線は停車したが、女性ははねられ病院で死亡した。JR東海は上下線で一時運転を見合わせたが、午後7時ごろ、上り線の運転を再開。下り線も同7時半すぎ、運転を再開した。
JR東海によると、上下線合計で52本の列車に遅れが生じ、約3万8500人に影響が出た。
 

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7日午後7時10分ごろ、JR山手線浜松町駅で人身事故があり、運転を見合わせていたが、午後7時52分に外回り線が、午後8時11分に内回り線が再開した。
JR東日本によるとこの影響で、内・外回り合わせて33本が最大約1時間遅れ、約5万人に影響が出た。
 

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7日午後8時43分ごろ、JR京浜東北線の大森―大井町駅間で、線路内に立ち入ったと見られる男性をはねる人身事故があり、全線で運転を見合わせていたが、午後9時39分に再開した。
東海道線も東京―小田原駅間の上下線で運転を見合わせていたが、午後9時25分に再開した。
JR東日本によるとこの事故で、両線の計34本が最大56分遅れ、約4万7000人に影響が出た。
 

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8日午後0時18分ごろ、JR上野駅で人身事故があり、山手線は内回り・外回りとも一時運転を見合わせたが、38分後に再開した。この事故で約15000人の足に影響した。

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8日午後3時6分ごろ、東京都国立市のJR国立駅で人身事故があり、中央線快速は東京―高尾間で上下線とも運転を見合わせた。約25分後運転を再開したが、遅れが出ている。この事故で約15000人の足に影響した。 

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2日間だけで6件の人身事故が報道されています。
記事の内容もごく簡単なものであり、全てが自殺によるものかどうかは分かりません。
ただ、いつの頃からか、人身事故のニュースは明らかに増加しています。

最近では、ホームに防護柵を設ける路線も増えてきたようです。
人身事故対策としては効果がありますし、ダイヤ通りの正確な運行にも貢献するでしょう。
鉄道会社も対策は考えているわけですが、当然そこには限界があり、自殺に対する根本的な解決策はやはり政治の仕事になるわけです。

日本では9年連続で3万人以上が自殺によって亡くなっているそうです。
自殺をする理由は人それぞれでしょうが、原因の多くはこの国の社会のシステムにあるのだと思います。
何かがあれば、死を選ぶしかない社会。
そんな方向にこの国は進んで来たようです。


結局、国民が不安なく生活が送れるような政治が行われて初めて、日本の鉄道の正確さも世界に誇れるのだと思います。

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2007年9月20日 (木)

スーパーティーチャーを知っていますか

安倍首相が力を入れていた政策の一つに教育問題があります。
私は教育問題にはあまり知識もありませんので、教員免許の更新と研修の導入くらいしか理解していないのですが、教育現場はすでにかなり変わっているようです。
調べてみるとこんなニュースが見つかりました。


10年前から生徒への体罰を繰り返し、京都市教委から厳重注意を受けていた市立高校の男性教諭(52)が、市が高い指導力をもつ教師を指定する「スーパーティーチャー」の1人に選ばれていたことがわかった。指定後の昨年秋にも新たな体罰をしていたが、市教委は処分をせず、スーパーティーチャーの指定も取り消されていない。教諭は今月に退職届を提出したが、体罰を黙認したともとれる市教委の姿勢が問われそうだ。

市教委によると、男性教諭は93年にこの市立高に異動。バレーボール部顧問として、チームを府内のトップクラスに育てた。05年9月にはこの実績が買われ、国の中央教育審議会の答申に基づき、優れた技能や指導力を持つ教師を指定する市教委の「スーパーティーチャー」に選ばれた。

一方で、教諭は97年9月~01年7月に、生徒を殴ったり、暴行したりする体罰を3回繰り返し、市教委から注意処分などを受けていた。スーパーティーチャー指定後の昨年秋にも、バレーボール部員2人に体罰を加えていた。

教諭は今年3月から病気休暇に入ったが、市教委は「詳しい事情が聞けていない」として、処分は見送っていた。

教諭は今月14日に「一身上の都合」とする退職届を提出。市教委の清水稔之・教職員人事課長は「退職すれば事実関係は明らかにできない。生徒から事情を聞くつもりもない」として、不問に付す構えだ。

[2007年9月15日23時58分 asahi.com]


暴力をふるった教師に対して、京都市の教育委員会は何も処分をするつもりがないという記事です。
これもどうかと思いますが、それよりも「スーパーティーチャー」って何ですか?


■スーパーティーチャー■

教師の質向上を目指し、中央教育審議会が2005年、高い指導力を持つ教師を「スーパーティーチャー」として位置づけ、他の教師への指導助言や研修に当たる必要があると答申。大阪府や宮崎県など各教委が導入している。京都市教委は約570人の高校教諭の中から、校長の推薦と、市教委指導主事らの面接、勤務実績などを考慮して認証。他の教諭らの模範として公開授業や指導法の助言をする。年に1回更新され、現在は21人。

[2007年9月15日  読売新聞]


つまり「スーパーティーチャー」とは、教育委員会により認証された模範教師ということです。中央教育審議会の答申によるものですから、国のお墨付きがあるわけです。
結局、生徒に暴力を振るっても、国や教育委員会に受けの良い教師が「スーパーティーチャー」に選ばれるということでしょう。

他にも文部科学大臣が表彰する「優秀教員」というものがあり、「スーパーティーチャー」と並んで、これらの選ばれたエリート教員は教員免許の更新の際の研修が免除されるなどの特典があるようです。

教師を競わせるのもいいのですが、上司の顔色を窺っている教師ばかりが出世することになりそうです。
そういうのは教育的にどうなのでしょうか。


「スーパーティーチャー」
名前のセンスもどうでしょうか。
胸には大きく 「S」 と書いておきましょう。

古すぎますか。

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