都民の税金で責任回避
マイクロソフトのビルゲイツ会長には6兆円もの資産があるということです。その資産の中から1000億円をどのように使おうと彼の自由です。
もし彼が、それを貸し倒れを覚悟の上で、資金繰りに困った中小企業に貸し出したとすれば、一つの美談といえるかもしれませんが、それを東京都が税金を使って行うとすれば、貸し倒れが美談になることはあり得ません。
もちろん、石原慎太郎都知事が自らのアイデアで創めたという新銀行東京の話です。
既に出資した1000億円が危険な状況になっているだけではなく、彼は、さらに400億円の追加出資を求めて、都議会の理解と協力を要望しています。
もっとも、彼の場合は要望というよりも、脅しに近い口調ではありますが‥‥。
新銀行東京:清算なら新たに千億円必要 野党は反対姿勢
経営不振に陥った「新銀行東京」について東京都は11日、事業清算した場合に預金の一斉払い戻しなどに対応するため、新たに都から1000億円の貸し付けが必要になるとの見解を示した。都議会予算特別委員会で明らかにした。都は再建のため400億円の追加出資を検討しているが、清算すればそれ以上に多額の公費投入が必要になるとするもので、石原慎太郎知事は追加出資について「伏してでも理解と協力をお願いしたい」と訴えた。
一方、野党側は「多大な累積赤字を抱えている負の遺産しかない銀行であり、再建しても中小企業の支援を果たせるとは思えない」と反対姿勢を明確にした。
同委員会で都側は、事業清算が決まった場合に「取り付け騒ぎ」が起こる恐れがあると説明。新銀行の預金残高は約4000億円だが、有価証券などすぐに現金化できる流動性が高い資産を処分しても約1000億円が不足し、この分を都の貸し付けで補う必要が出るという。仮に破綻(はたん)処理が行われ、1000万円超の預金が保護されないペイオフの対象となるのは法人・個人で計9610件、477億円に上るとしている。
さらに、都は同委員会で、09年3月期に新銀行の自己資本比率が国内営業基準(4%以上)を切るとの見通しを示した上で、追加出資400億円の根拠を説明。内訳は▽自己資本の維持に必要な80億円▽貸し倒れ引当金だけでは補えないリスク対応に必要な280億円▽風評による損失などのリスクへの備え40億円などとした。
都は、07年12月の融資先の中小企業約1万3000社のうち、5635社(約43%)が赤字・債務超過企業であるとし、新銀行がなくなればこれら企業の破綻につながると指摘。従業員や家族などに多大な影響を与えるとも主張した。【木村健二】
[毎日新聞 2008年3月11日 19時53分]
都道府県の情報公開ランキングで失格している東京都も、この問題では追加出資を求めるために、さまざまな情報を出してきています。
もっとも見積もりの数字などは、当てにできないとは思いますが‥‥。
この問題の一番の責任者が石原都知事であるのは、本人がどんなに責任を回避しても、当然のことです。
ただ、今はそのことには触れないでおきます。
当時、銀行が貸し渋りをしていた中小企業を救済するために融資を行い、経済を活性化させるというのは、それ自体は悪くない考えだったかもしれません。
しかし、その後も日本の経済が停滞を続けたため、新銀行東京の融資が不良債権化していったとも言えます。
ある意味で、自公政権の経済無策の被害者なのかもしれません。
それでも、他の銀行が融資しない中小企業に貸し付けるということは、当然、貸し倒れの危険性が高いはずです。
そのくらいは誰でもわかります。
ということは、新銀行東京は最初から儲けるつもりがあったのかどうか、私には甚だ疑問な訳です。
つまり、この銀行を設立する目的が、中小企業に融資するためと言いながら、都民の税金をどこかに還流させたり、ある特定の企業を救済するためだったのではないか、などと勘繰る声が出るのも仕方がないかな、と思います。
先ほどテレビのニュースで、他の銀行が預金に0.1%以下の金利しか付けていなかった頃に、新銀行東京は1%もの金利で預金を集めていたとのことです。
これで、あまりにも早く破綻をすれば、預金者にとってはほとんど詐欺のようなものです。
石原氏も自分の任期中は何としても、逃げ切りたいのでしょう。
今や、1000億円が風前の灯です。
石原氏は、自分が逃げ切る時間を稼ぐために、さらに400億円を使おうとしています。
それが自分の金であれば、私も文句は言いません。
ただ、そのお金は都民の税金なのです。
アメリカではビルゲイツ氏が6兆円もの資産を持っているそうです。
日本でも、石原慎太郎氏クラスになれば、1000億円程度はポケットマネーでしょう。
でも、自分のものは舌も出さない‥‥‥か?
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