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2007年12月10日 (月)

国家、国民のために

日本がインド洋での給油活動を止めてから一ヵ月以上が経過しましたが、その後日本がそのために非難されたり国際社会で孤立したということはあまり聞かないように思います。
それでもなぜか政府は給油活動を続けたいようで、昨日は町村官房長官と石破防衛大臣が渋谷で街頭演説をしたそうです。


「多くの国が給油に期待」町村氏ら異例の街頭演説で

町村信孝官房長官と石破茂防衛相は9日午後、東京・渋谷で街頭演説し、対テロ新法案について「多くの国が日本の給油活動に期待している。これに応えるのが日本の役割だ」(町村氏)などと述べ、今国会成立の必要性を訴えた。閣僚が街頭で政策実現を訴えるのは極めて異例。

 町村氏は「残り会期の1週間、(野党に)一生懸命お願いして給油活動を続けたい。落ちた日本の国際的地位をもう一度元に戻す努力をしたい」と強調。自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法にも触れ「新法案を通した後、(恒久法を)通そうと公明党や野党と話し合いをしようという姿勢で臨んでいく」と述べた。

 石破氏は「(給油活動は)憲法違反で米国の戦いに加担するものと、審議をしないで対案も出さない政党は国民のための政党と言えるのか」と民主党を批判した。

[2007年12月9日 17時15分 産経新聞]


町村氏によりますと、給油活動を続ければ落ちた日本の国際的地位が元に戻るということのようです。
日本の国際的地位が落ちたというのは本当なのでしょうか。
もしそうだとすれば、落ちた地位を回復させるのは大事なことだとは思います。
しかし、それは給油活動の継続とは関係ないような気がします。

先ほどラジオでこの街頭演説の一部を聞きました。
この中で町村氏は「国家、国民のために」という言葉を使っていました。
これは政治家がよく使う言葉ではありますが、この場合町村氏が言いたいのは給油活動の継続が「国家、国民のためになるのだ」、ということのようです。

「国家、国民のために」という言葉を聞いて、私がいつも思うのは、国家と国民は違うだろう、ということです。
場合によっては、国家と国民とは対立するものでもあるはずです。

どちらの利益にもなる政策もあれば、どちらか一方の利益にしかならず一方は被害を受ける側に回る場合もあるのではないかと思います。
若しくは、どちらの利益にもならない場合もあるでしょう。


それでは、今回の給油活動は、国家のため、国民のためになっているのでしょうか。
率直に言って、多くの国民にとっては「どうでもいいこと」なのではないでしょうか。
もちろん、こういう国民の認識の低さが日本の政治を悪くしている要因の一つだと思いますが、少なくとも少数の防衛利権関係者以外にとっては「どちらでもいいこと」に過ぎないというのは確かでしょう。

町村氏は「多くの国が日本の給油活動に期待している。それに応えるのが日本の役割だ」といいます。
大体、給油活動に期待している多くの国とは、アメリカ以外に何処があるのでしょうか。
さらに、多くの国が期待をすれば、日本はやらなければならないのだとすれば、国連軍に参加した方が手っ取り早いような気もします。


最後に、石破氏が民主党を「国民のための政党といえるのか」と批判しています。
それは確かに疑問です。
それでは、自民党は国民のための政党といえるのでしょうか。


これこそが最大の疑問です。

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コメント

あまりここでコメントを書いていると,奈良の某女子大のヒマ人教授が嗅ぎ付けてきて,ケンカを仕掛けてくると思います.その際は適当に処理をお願いします(笑)

石破氏が民主党を「国民のための政党といえるのか」と批判した云々は,単純に自民党には政策ブレーンがたくさんいる,官僚も徹夜で仕事させて動かせるんだ(だから若い官僚がどんどん辞めていくという事実に気付かないんだな,こいつら)という既成事実を言いたいだけでしょう(笑) そりゃ,50年も政権政党にいる,つまり独裁政党ならば「何でもできる」と錯覚するわな.自由民主党とはソ連・中国共産党とイコールな訳だ(笑)

自衛隊が国連軍や NATO に参加するとすれば,まず憲法ないし自衛隊法の見直しが必要でしょう.だから,自民党や公明党はそれらの活動に熱心な訳でして.特に創価学会は貧しい人が支えてる分,上部政治団体の公明党が何を目的にしているのかを理解していないのが可哀想ですね.

給油活動をしないと……というのは,実はアラビア経由の原油調達を軍事力で抑え込むぞという脅しなんです.つまり,給油活動を継続しなければどんどん油の値段が上がり,日本経済は首根っこを押さえつけられてしまう,という意味になるんですよ.

7年前に小泉首相が就任した際,やはり就任したばかりのプーチン大統領が来日して,掘り出しに成功したばかりの「サハリン2」の天然ガス・原油をパイプラインで稚内経由で北海道へ安い価格で供給してやるというビジネスの話をしだした途端,小泉氏はサハリンは日本の領土だ云々と阿呆なことを言い出して,せっかくの商談を全面的におじゃんにしたそうです(笑)

もし「サハリン2」から稚内への天然ガス・原油パイプラインが実現していれば,恐らく今年の油の値上がりはなかったんじゃないだろうかと思うのですよね.しかもロシアは旧ソ連時代に凍結した日本海を渡るパイプラインの鋼管を作る技術を発明していましたから,その技術力はすごいものです.その技術の特許を買えば,日本の鉄鋼会社ならば,今年には津軽海峡を越えて本土へ天然ガスや原油を供給することができたかも知れません.

そういう意味では,日本の国家をあやつる人たちには,つくづく未来を見通す「技術屋」の才能を持った人がいないなーと思います.唯一の例外が田中角栄でしょう.私は彼が口述筆記した『日本列島改造論』(朝日新聞社)を大事に持ってます.

投稿: kaetzchen | 2007年12月10日 (月) 17時09分

kaetzchen=HMの憐れと彼への同情
http://www.doblog.com/weblog/myblog/32167/2621098#2621098
10年前のメール(kaetzchen=水谷**の旧メールを懐かしむ)
http://www.doblog.com/weblog/myblog/32167/2621110#2621110
kaetzchenは次第に頭がやられているというのが憐れ。ブログでkaetzchenを見かけるとねらわれたブログ主に同情してしまいます。だってブログ主がバカだと見られてしまいますから。

なんてのがあるね.

投稿: 同情と憐れ | 2007年12月14日 (金) 21時13分

kaetzchenさん;
「左巻健男編『新しい科学の教科書』第1分野・第2分野 文一総合出版, 2004 などの本を書いています。

もし参考にされると嬉しいです。(現在,個人的に数学を執筆中)」

数学の本はいつでましたか?

投稿: 同情と憐れ | 2007年12月14日 (金) 21時53分

ちなみに数学の本は予備校の内部テキストですが,文句あっか? 大学出てずっと公務員してたようなカネの苦労を知らないお坊ちゃまには分かるまい.

投稿: kaetzchen | 2007年12月15日 (土) 11時30分

>奈良の某女子大のヒマ人教授が

奈良には女子大は国立奈良女子大学しかない
ここはお茶の水女子大学と並ぶ大学

投稿: 奈良の女子大 | 2007年12月17日 (月) 04時45分

Kaetzchen さん

こんにちは。コメントを多数いただきまして、ありがとうございます。

私の能力と時間が足りないため、なかなか返事が書けませんが、いただいたコメントとトラックバックしていただいた記事にはすべて目を通しておりますので、これからもよろしくお願い致します。

ただ、当ブログではコメントは原則として公開していますが、管理人が公開することが適当でないと判断したコメントは、後に非公開とすることもありますので、その場合には悪しからずご了承ください。

投稿: もそもそ | 2007年12月17日 (月) 19時04分

同情と憐れ さん

こんにちは。コメントありがとうございます。

当ブログのコメントは原則として公開にしていますが、公開が適当でないと思われる表現が含まれるような場合は非公開とすることもありますので、悪しからずご了承ください。

よろしくお願い致します。

投稿: もそもそ | 2007年12月17日 (月) 19時11分

もそもそさん,こんにちは.こちらも「公開が適当でないと思われる表現が含まれるような場合」は完全無視を通すことにしましたので,気にされないで下さい.わざと京都を奈良と書き換えただけで,しっぽを出す人ですから(笑)

投稿: kaetzchen | 2007年12月17日 (月) 20時34分

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