宮崎県のほこり
12月3日に2007年の「新語・流行語大賞」の表彰式が行われました。
今年の年間大賞には「(宮崎を)どげんかせんといかん」と「ハニカミ王子」の2つが選ばれました。
大賞を受賞した東国原英夫宮崎県知事は「大変名誉に思ってます。宮崎県民に選んでもらったんだと思う」と受賞を喜ぶとともに「政策の2~3割はどげんかなったが、私生活は仕事が忙しく、どげんもできんかった」と今年を振り返ったとのことです。
多忙な東国原知事にはほとんど私生活と呼べる時間がないのでしょう。そのため、私生活で問題が起きることもなく逆に良かったかもしれません。
ただ、知事としての発言でいくつか問題を起こしてしまいましたが。
まず最初に問題にされたのが、「徴兵制あってしかるべき」という発言です。
11月28日に宮崎市の知事公舎であった若手建設業者らとの懇談会で「徴兵制があってしかるべきだ。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなくてはいけないと思っている」と述べ、記者団に真意を問われた知事は発言を撤回せず、「若者が訓練や規則正しいルールにのっとった生活を送る時期があった方がいい」という持論を展開しました。
懇談会の終了後、知事は「道徳や倫理観などの欠損が生じ、社会のモラルハザードなどにつながっている気がする」と言及した上で、「軍隊とは言わないが、ある時期、規律を重んじる機関で教育することは重要だと思っている」と語ったということです。
日本の社会の現状が道徳や倫理観に問題があり、それを解決するために若者が一時期、規則正しいルールにのっとった生活を送る必要があるという、知事の考え方そのものがどうかとは思いますが、まあ、そういう意見をお持ちになるのもいいでしょう。
しかし、そのために徴兵制をというのは、さすがに飛躍しすぎです。
また、12月2日には「徴農制によって、若者に農業の大切さを体験させるのはどうか」という発言もしたとのことです。
結局、これらについては、12月4日に謝罪することになります。
12月4日、社民党の県議団の抗議に対して知事は「徴兵制はあってしかるべきだ」などとする自身の発言について「不適切だった。今後は発言に気を付けたい」と述べました。
また徴農制については「農業の大切さ、食の大切さを勉強してはどうか、教育のカリキュラムに入れることも考えるべきではないかという趣旨だった」と釈明しました。
そして、社民党宮崎県連の鳥飼謙二代表が「訂正すれば済むという問題ではない。今後は発言に注意して」と迫ると「(注意)しますと言ってるじゃないですか。私の話も聞いてくださいよ」などと語気を強め、机をたたく場面もあったそうです。
その後知事は、「真摯に受け止めたが、謝罪しても撤回しても済む問題じゃないと言われた。どうしたもんかなという感じ」と疲れた様子で語っていたとのことです。
一度発言したことは、撤回して消せるものではありません。特に、徴兵制などという物騒なことを言えばなおさらです。
ただ、今回は知事も不適切だったと、認識しているようです。
このあたりは、どこかの東京都知事とは少しは違うのかもしれません。
彼の言動には今後も注目していきたいところです。
東国原知事が宮崎県のセールスマンとして優秀であることはすでに明らかです。
一方、具体的な政策や実行力といったものは、今のところは未知数であると思います。
3年後に彼の最初の任期が終わった時、どのような評価が下されることになるのでしょうか。
くれぐれも、「この知事をどげんかせんといかん」などと県民に言われないように‥‥。
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