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2007年12月

2007年12月19日 (水)

世界の流れに逆らって

地球は徐々に温暖化しているといわれていますが、今年の日本の冬は結構寒いです。
それでも地球規模で温暖化対策をしなければならない、ということが多くの国で合意されています。
中には温暖化対策に消極的な国もありますが‥‥。

地球規模で進んでいるといえば温暖化のほかにも、死刑制度の廃止、若しくは執行の停止があります。
日本では死刑は当然の刑罰という感覚がありますが、世界中で昨年死刑が執行された国はわずか25カ国にすぎないというデータもあるようです。


孤立深める日本 「死刑停止」の国連決議で

国連が18日、死刑の執行停止を求める総会決議を初めて採択した。「世論の高い支持」を理由に死刑制度を存続している日本は、今年は年間で77年以降最多となる9人の死刑を執行するなど、世界の潮流とは逆行。国際的な孤立を深めている。

「世論には死刑制度や死刑執行にかなりの支持がある。国連の決議があっても我が国の死刑制度を拘束するものでは、まったくない」。決議を前にした18日の閣議後の記者会見で、鳩山法相は語気を強めた。「死刑を存続するかしないかは内政の問題だ」という政府の立場を改めて強調するものだ。

凶悪犯罪に対して厳罰を求める声を背景に、このところ日本では死刑執行のペースが上がる傾向にある。鳩山法相は今月7日、3人の死刑を執行した。前任の長勢法相の執行人数も在任10カ月余の間に10人を数えた。鳩山法相の「死刑自動化」発言をきっかけに法務省内に執行のあり方を検討する勉強会ができたり、執行対象者の氏名を公表したりする動きはあるが、執行停止や制度廃止に至る論議は低調だ。

[2007年12月19日12時28分 asahi.com]

  • 日本の世論が死刑制度や死刑執行にかなりの支持がある
  • 国連の決議があっても日本の死刑制度を拘束するものではない
  • 死刑を存続するかしないかは内政の問題

鳩山法相のこれらの発言は全て仰る通りなのですが、これではなぜ日本政府が死刑を続けているのか説明になっていないと思います。

つまり、世論の支持や国連の決議はそれなりに意味はありますが、政府がそれらに縛られる必要性があるわけではありません。
ということは、死刑存続は政府の意志であるというわけですが、鳩山法相はその理由を語ってはいません。


いろいろなブログなどで見る限り、死刑に賛成している人々のその理由は、ほとんどが被害者やその遺族感情を考えてのことのようです。
人の命を奪ったものは自らの命を以て償え、ということだと思いますが、本当に死刑という方法を選ぶしかないのでしょうか。

現在のこの国では、遺族に代わって国が敵討ちをして、それだけでおしまいという感じがしますが、既に死刑を廃止している国々が、遺族感情のケアや金銭的な補償などをどのようにしているのかを調査・研究し、死刑以外の方法も考えてみることも必要なのではないかと思います。
少なくとも、それが今の世界的な流れです。


私は死刑には反対だと以前から表明していますが、死刑反対派の中では過激派(というものがあれば)に属すると思います。
というのは、刑事訴訟法475条では、死刑は判決確定後、法務大臣の命令により6カ月以内に執行することが定められていますが、現実に6カ月以内に執行される例はないようです。
つまり、法務大臣が法律を守っていないのですが、私はこういう法律がある以上6カ月以内に執行すべきだと思います。

それではなぜ、法務大臣は6カ月以内に執行命令を出さないのでしょうか。ぜひ、納得のいく説明を聞いてみたいものです。
もし、どうしても6カ月以内にできないのであれば、法律を改正しておくべきでしょう。法務大臣による法律違反の状態はまずいですから。
いずれにしても、多くの法務大臣にとって、死刑の執行はできれば避けたいことなのだと思います。

冒頭にも書きましたが、昨年死刑を執行した国は25カ国だそうです。
その中には、日本も含まれています。
日本政府は最後の1カ国になっても死刑を存続させるつもりでしょうか。


もし、そこまでの決意があるのなら、ある意味で尊敬してしまいますが‥‥‥。

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2007年12月18日 (火)

知名度の差は致命的か

来年の1月に大阪府知事選挙が行われますが、12月1日の記事立つのは弁護士か司会者か予想した通り、某弁護士が立候補することになりました。
そして本日、彼は自民党と公明党に推薦してもらうために、公約の原案というものを発表しました。


「子どもが笑う」「職員が汗をかく」 橋下氏が公約原案発表

来年1月10日告示、同27日投開票の大阪府知事選で、弁護士でタレントの橋下徹氏(38)は18日午前、「子どもが笑う」などをテーマにした公約原案を発表した。子供が育ちやすい環境にするため、低・中所得者のために出産補助や子供がいる世帯の公営住宅家賃減額などで集中投資する一方、府の出資法人すべてを民営化するなど財政再建することも盛り込んだ。今後に数値、年次目標を入れて告示までに完成させる。

発表した原案は「私の大阪元気プラン」。橋下氏は「すべてに数値目標を設定するのは不可能で、マニフェストではない」としている。大阪を特徴づけるために「子どもが笑う」「職員が汗をかく」をテーマに挙げた上で、活性化のための産業施策は、知事が行政権限がある大阪市などにプランを説明し、府内で広く実行するとしている。

具体的政策では、子供の成育や教育環境を整えるために、子育て、教育に集中投資し、出産や産科医への補助、子供がいる世帯の公営住宅家賃の大幅減額、府立高校の学区制撤廃などをあげた。さらに、職員については、若手職員らを集め、成果が出れば、「大胆な昇進を行う」とした。このほか、知事の退職金50%減額などを掲げている。

橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。大阪を元気にすることを目標にした」と話した。

一方、橋下氏は同日午前、公明党府議団と面会し、原案を説明した。自民、公明に推薦を求めており、午後には自民党府議団とも会い、同様に政策調整する。今後も自公と協議を重ね、公約を完成させるが、推薦できるかどうか事実上の“面接”にもなっているといえそうだ。

[2007年12月18日12時04分 産経新聞]


橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。」と言っています。大丈夫ですかね、この人は。
民営化を進め、弱者に対する予算を削る。
これではまるで「小泉カイカク」ですね。
この人は、大阪のコイズミでも目指すつもりなのでしょうか。

また、数年前ならともかく、格差に対する手当をどうすべきか問題になっている今、それも選挙前にこういう発言をするこの人を、自民党・公明党は本当に推薦するのでしょうか。


そもそも、大阪府議会議員レベルでは、自民・公明は民主との相乗りを望んでいたはずです。それだけ与党でいたいという思いが強いわけです。
おそらく今でもできるならば、相乗りをしたいのではないかと思います。

それは、民主党が推薦する大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏が意外と強敵になりそうなのでなおさらでしょう。
聞くところによりますと、熊谷氏は学生にも人気があり、地元の経済界にも顔が広いそうです。
橋下氏が立たなければ、自公両党は堂々と熊谷氏に相乗りができたのですから、その方が良かったと、かなり多くの人たちが今でもそう思っていると想像できます。


それでも選挙ではおそらく橋下氏が有利だと思います。
それだけ知名度の差というものは大きいです。
私がそのように考えるのは、今年4月の東京都知事選挙の経験があるからです。

早々と出馬を表明していた現職の石原氏に対し、浅野氏が立候補を決めたのは投票日の一ヵ月前でした。
それでも告示前までには、二人の差はかなり詰まっているといわれていました。
しかし、この国の選挙は不思議なもので、告示後、選挙期間に入ると選挙前と違って、全く静かになってしまいます。

その結果として、選挙期間中には知名度の差は縮めることはできません。
まさしく知名度の差は致命的なのです。
そして、今回の大阪府知事選挙の告示前の期間が年末年始にあたることも大きく、マスメディアで政治の話題が取り上げられるのもかなり控えめになるものと思います。
出遅れた候補者が知名度を上げていくのは、かなり難しい状況です。


橋下氏にとって落とし穴があるとすれば、自民党の国会議員達が応援しに行くことでしょうか。
国政でジリ貧状態のこの人たちは何かで実績を上げようと必死ですから、国政選挙並みの応援をすることが考えられます。
そういう状況になれば大阪府民の反感を買うかもしれません。


ぜひ福田内閣をはじめ、自民党には全力で橋下氏の応援をしていただきたいものですね。

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2007年12月17日 (月)

実感した医療崩壊の深刻さ

先週の土曜日、12月15日に父が足に大怪我をして帰ってきました。畑で農作業をしていて機械に触れたとのことで、大量に出血をしていました。
私はその血の多さを見て動転し、「救急車を呼ぼう」と言ったのですが、本人が「近くの外科に行く」と言い張るもので、仕方なく殆ど歩けない父を車の助手席に乗せ、病院へ連れて行くことになりました。

それは土曜日の午後4時頃のことでしたが、行った先の病院は土曜日の午後は休診ということでした。
それでも運よく看護師さんが3人ほどいて、所用で近所に出かけていた院長に連絡をしてくれたおかげで、午後5時頃から手当をしていただくことになりました。
結局、午後7時頃までかかって、両足を全部で60針ほど縫い、2週間くらい入院する必要があるということです。


そこの病院の院長はなかなか面白い方で、待合室に自分の書いた論文を冊子にして置いていて、患者やその家族などが自由に持ち帰れるようにしているのですが、そのタイトルが「自民・公明連立内閣により、老人・低所得者見離しの最悪な医療制度の時代がやってきた。」というものなのです。

内容を一言でいいますと、医療という面からの小泉内閣批判です。
冊子を一部いただいてきましたので、そのうち、このブログで少しずつでも紹介してみたいと思っています。


処置を施していただいた後に、その院長と少しお話をする時間があったのですが、その中で一番印象的だったのが救急患者のいわゆる「たらい回し」のことです。
この話題に関しては、ちょうど12月6日の記事
救急車で何処へ行くで取り上げたばかりなのですが、院長の話によりますと、どうも実態は報道よりも酷いもののようです。

つまり、報道されるのは患者が亡くなったりするような特殊な場合であって、そこまで至らないケースは普通に起こっているようです。
つい最近、院長のところにも20件目くらいに問い合わせがきた患者があって、その患者は浅草から来たのだそうですが、浅草からその病院まではまっすぐ来ても15~20分くらいかかる場所なのです。

また、この院長は体制が整ってさえいれば救急患者は受け入れるとのことですが、一度看護師が一人しかいなかった時に断ると、その患者は最後には越谷の病院まで行ったとのことです。
越谷というのは埼玉県ですし、30分はかかると思います。

院長は、私の父があの怪我の状況で越谷まで連れて行かれたら、「死んでしまうよ」と言っていました。
東京でも運が悪ければ、最早こういう状況のようです。

以前の記事でも書きましたが、これは個々の病院を責めることでは解決しません。
病院の設備や医師、看護師を救急患者のために用意しておかなければ救急車はどこまでも走り続けることになるのです。


いわゆる「たらい回し」は、新聞で読んでいる限りは他人事でした。
それが今回、身近な人間が救急車を利用しそうな状況になり、日本の医療の現状の一端を知ることになりました。


おそらく、この国の医療はマスコミが報道するよりも、かなり深刻な状況になっていることは間違いないようです。

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2007年12月14日 (金)

エピローグへの再延長

臨時国会の会期が来年1月15日まで31日間、再延長されることになりました。
これは全て、与党の勝手な都合によるものですが、国会を一日開くと3億円かかるともいわれています。
今回は31日間の延長ですから、これで約100億円が新たに税金で負担されることになります。

必要であれば国会を延長することはやむを得ないとは思いますが、今回はほとんど、新テロ対策特別措置法案を成立させるためだけの延長だということです。
再延長により、参院が新テロ特措法案を採決しない場合でも、「参院が60日以内に議決しない時は、否決とみなすことができる」との憲法の規定を使い、衆院で3分の2の多数で再可決することが可能となり、法案の成立は確実となりました。


野党各党は「会期内に成立しなかったのは政府の責任だ」などと再延長には反対していました。
それは、7月の参議院選挙後すぐに審議入りしていれば、11月1日までには法案は楽に可決することができたからです。

しかし、安倍前首相が外遊へ行ったり、突然辞めたりした上に、自民党が勝手に総裁選まで始めてしまうなどして時間が空費され、とうとう法律の期限が切れて給油船は帰ってきてしまいました。
つまり、政府・与党がこの法案を本当に成立させたいのであれば、時間はいくらでもありました。
そういった点で野党の政府批判にも理由があるわけです。

それでも今回の臨時国会の再延長は、福田首相の新テロ特措法案の成立にかける意気込みの表れだと言う人もいます。
それでは再延長される国会では、どのようなことが行われるのでしょうか。


「今後質問しない」 与党、新テロ法案で

与党は13日の参院外交防衛委員会理事会で、新テロ対策特別措置法案について「十二分に質疑した」として14日の採決を提案した。野党は拒否した。

自民党の脇雅史参院国会対策筆頭副委員長は13日の記者会見で、「今後の質疑で与党側は質問しない」との方針を示した。「新しい質問がもうない」ためで、与党は同日午後の一般質疑も予定より1時間早く切り上げた。

[2007年12月14日 読売新聞]


この法案のために1ヵ月延長するはずなのですが、与党は今後質問をしないそうです。
これから1ヵ月もの間、与党議員は国会で何をしているつもりでしょうか。
もっとも、彼らはこれまでも何か活動をしていたのか、よく分かりませんが。

いずれにしても、あと1ヵ月、国会が開かれることになりました。
そして、インド洋での無料ガソリンスタンドは3月ごろに再開できる見通しだそうです。
それと引き換えに、参議院で福田首相の問責決議案が提出されるかどうかが焦点となります。
同時に、また火を噴いた年金問題で、舛添大臣をはじめとして福田内閣への追及が続くことと思います。


こう考えると、再延長は福田内閣が自分自身で墓穴を掘ったともいえます。
せめてあと1ヵ月、楽しませていただきましょうか。


延長料金は100億円ですからね。

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2007年12月13日 (木)

お題目は聞き飽きた

二日ほどブログを休んで京都へ行ってきました。
紅葉の時季には少し遅かったのですが、ライトアップされた渡月橋や竹林を歩き、愛宕念仏寺や清閑寺といった静かなお寺を参詣してきました。
日常の喧騒を離れ、命の洗濯に‥‥‥というほどのことでもないですが。

ちょうど昨日は「今年の漢字」を発表する日だということで、清水寺にも行ってみました。
しかし、発表は2時からということで、時間が合わず発表前に帰りましたが、あちこちで参拝客がインタビューされていました。
結局、帰りの新幹線の車中で知った今年の一文字は、私の予想通り「偽」でした。


ちなみに、去年の一文字に選ばれたのは「命」でした。
そして、当時の首相であった安倍晋三氏が自分自身にとっての一文字を問われ、「責任」と答えてから一年が経ったわけです。
時の流れは速いものですが、当時の安倍首相の字余りの惚けた答えを思い出すと、自民党はその時すでに終わっていたのだなあ、と感慨深いものがあります。

そしてまた最近その自民党で、おかしなことを言い出した人達がいます。
バカらしいのでいちいち引用することは避けますが、福田首相や町村官房長官が年金問題でトボケたことを述べているようです。
また、舛添厚生労働大臣は開き直ってしまいました。
とうとう「誰が大臣でも同じだ」などと言ってしまったようです。
大臣本人が自らそれを言っちゃあおしまいでしょう。


舛添氏に対してはマスメディアでは擁護する人がほとんどです。
私はそれを多少なりとも面識のある人が、期待込みで言っているのだと思っていたのですが、どうも多くの人は本当に彼を信用していたようです。
少なくともこれまでは。
ただ、今回の事態で風向きが変わってきそうな予感がします。

舛添氏に関しては、これまでにいくつか記事を書いてきましたので、新しく舛添要一氏というカテゴリーを設けてまとめました。
私の印象では、彼は「朝まで生テレビ」に出演していた時から官僚に甘い発言が目立っていましたので、全く期待などしていなかったのですが、間違って期待してしまった人たちに対しての説明責任は免れられないのではないでしょうか。

できもしないことを言い続けて時間稼ぎをしたり、選挙前だからといって、つい威勢のいいことを言うというのは、いつまでも続けられることではありません。
できないことはできないと正直に発言し、間違えたと思ったら率直に謝罪をすれば、国民の多くは大目に見るものです。
つまり、責任などということよりも、まず正確な情報の開示こそが求められているのです。


現在の年金制度には「これは国による詐欺だ」と言われても仕方がないような面があったことは事実です。
そして、大臣がだれであろうと小手先の対応策を施すだけでは、今さらどうにもならない点があるのも確かでしょう。

そもそも国会議員は議員年金で、公務員は共済年金などという現在の制度では、社会保険庁が厚生年金や国民年金の救済を本気でやるような仕組みになっていません。


最終的には、年金は一元化したうえで生活保護的な機能を持つものにしていかないと、財政の点からも、また公平性という観点からも、継続していくことは難しいだろうと思います。

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2007年12月10日 (月)

国家、国民のために

日本がインド洋での給油活動を止めてから一ヵ月以上が経過しましたが、その後日本がそのために非難されたり国際社会で孤立したということはあまり聞かないように思います。
それでもなぜか政府は給油活動を続けたいようで、昨日は町村官房長官と石破防衛大臣が渋谷で街頭演説をしたそうです。


「多くの国が給油に期待」町村氏ら異例の街頭演説で

町村信孝官房長官と石破茂防衛相は9日午後、東京・渋谷で街頭演説し、対テロ新法案について「多くの国が日本の給油活動に期待している。これに応えるのが日本の役割だ」(町村氏)などと述べ、今国会成立の必要性を訴えた。閣僚が街頭で政策実現を訴えるのは極めて異例。

 町村氏は「残り会期の1週間、(野党に)一生懸命お願いして給油活動を続けたい。落ちた日本の国際的地位をもう一度元に戻す努力をしたい」と強調。自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法にも触れ「新法案を通した後、(恒久法を)通そうと公明党や野党と話し合いをしようという姿勢で臨んでいく」と述べた。

 石破氏は「(給油活動は)憲法違反で米国の戦いに加担するものと、審議をしないで対案も出さない政党は国民のための政党と言えるのか」と民主党を批判した。

[2007年12月9日 17時15分 産経新聞]


町村氏によりますと、給油活動を続ければ落ちた日本の国際的地位が元に戻るということのようです。
日本の国際的地位が落ちたというのは本当なのでしょうか。
もしそうだとすれば、落ちた地位を回復させるのは大事なことだとは思います。
しかし、それは給油活動の継続とは関係ないような気がします。

先ほどラジオでこの街頭演説の一部を聞きました。
この中で町村氏は「国家、国民のために」という言葉を使っていました。
これは政治家がよく使う言葉ではありますが、この場合町村氏が言いたいのは給油活動の継続が「国家、国民のためになるのだ」、ということのようです。

「国家、国民のために」という言葉を聞いて、私がいつも思うのは、国家と国民は違うだろう、ということです。
場合によっては、国家と国民とは対立するものでもあるはずです。

どちらの利益にもなる政策もあれば、どちらか一方の利益にしかならず一方は被害を受ける側に回る場合もあるのではないかと思います。
若しくは、どちらの利益にもならない場合もあるでしょう。


それでは、今回の給油活動は、国家のため、国民のためになっているのでしょうか。
率直に言って、多くの国民にとっては「どうでもいいこと」なのではないでしょうか。
もちろん、こういう国民の認識の低さが日本の政治を悪くしている要因の一つだと思いますが、少なくとも少数の防衛利権関係者以外にとっては「どちらでもいいこと」に過ぎないというのは確かでしょう。

町村氏は「多くの国が日本の給油活動に期待している。それに応えるのが日本の役割だ」といいます。
大体、給油活動に期待している多くの国とは、アメリカ以外に何処があるのでしょうか。
さらに、多くの国が期待をすれば、日本はやらなければならないのだとすれば、国連軍に参加した方が手っ取り早いような気もします。


最後に、石破氏が民主党を「国民のための政党といえるのか」と批判しています。
それは確かに疑問です。
それでは、自民党は国民のための政党といえるのでしょうか。


これこそが最大の疑問です。

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2007年12月 9日 (日)

事故のないのが当たり前

このブログの左サイドに交通機関の情報などを表示するブログパーツがあります。
その中では、鉄道の運行状況も扱われていますが、それを注目していますと電車の遅延の理由で多いのが人身事故なのです。

ちょうど1カ月前の11月9日にダイヤの乱れも政治の責任という記事の中で、最近鉄道の人身事故が多いのではないかと書きました。
今月に入って、12月1日から7日までの一週間にasahi.comで取り上げられた人身事故の記事の見出しを集めてみました。


**************************

東海道線、一部で一時運転見合わせ 人身事故で 愛知(12/07)

JR青梅線、一部で一時運転見合わせ 踏切で人身事故(12/07)

京王線で一時運転見合わせ、千歳烏山駅で人身事故(12/07)

小田急線が一時運転見合わせ 成城学園前駅で人身事故(12/06)

千代田線、一時運転見合わせ 明治神宮前駅で人身事故(12/06)

JR中央・総武線各駅停車に遅れ 人身事故で(12/05)

横須賀線で人身事故 一時運転見合わせ(12/05)

朝の京浜東北線、人身事故で遅れ 11万人に影響(12/05)

JR東海道線、運転を再開 原駅で人身事故(12/04)

東急田園都市線で人身事故 一時運転見合わせ(12/04)

西武新宿線が運転再開 人身事故で遅れ(12/03)

長野新幹線が男性はねる 1400人に影響(12/01)

JR京葉線、一時運転見合わせ 新浦安駅で人身事故(12/01)

地下鉄有楽町線、運転を再開 市ケ谷駅で人身事故(12/01)

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これらはおそらく、関東周辺の事故だけだと思われますが、毎日のように2~3件あります。
そして、これだけの数の事故が起きると、事故を目撃したり、事故車両に乗っていたりする可能性も高くなります。

幸い私自身はそういう経験はありませんが、いつもブログを拝読している津久井進弁護士が、ご自身が乗車していた電車で人身事故に遭遇した記事を書かれています。http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-555.html#more

この国では年間に3万人以上の人が自殺によって亡くなっています。
私自身も人身事故のニュースにも慣れてきたように感じます。
ただ、ニュースは他人事のように事故を扱いますが、その裏には一人一人の人生があることを忘れてはいけません。


言うまでもありませんが、電車は人が飛び込むために走っているわけではありません。
これだけ、人身事故が多いこの国の現状は異常です。
こんな状況が当たり前のようになっていいはずはありません。

それにしても、電車の運転手さんにとっても大変な時代になりました。

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2007年12月 8日 (土)

「むちゃな話」とイシハラ氏

この国に長く住んでいる私のようなものにとっては、以前から分かっていることではありますが、自民党の政策というのはその場しのぎの小手先のものばかりで、自分たちの失政を他の者に押し付けるということの繰り返しです。

今まで、地方税として都道府県に入っていた税収を、その格差が大きすぎるという理由で今後は国税として国が自治体に再配分することに決めたそうです。
昨日、その方針の理解を求めるために自民党の与謝野氏が石原都知事と面談しました。


自民党税制調査会の与謝野馨小委員長は7日、東京都庁で石原慎太郎都知事と面会し、大都市から地方へ計約4000億円分の法人事業税収を移譲する方針について理解を求めた。

都からの移譲分として想定されているのは3000億円程度。石原知事は反対の姿勢を崩さなかったが、都には政府・与党の方針を覆す権限はなく、「政府は全然、内部努力をしていないのに、東京に税収があるからそれをよこせというのは、むちゃな話だ」と憤った。

[2007年12月8日 読売新聞]


めずらしく、私は石原都知事の言葉に納得しました。
それだけ政府・与党は酷すぎます。
完全に迷走しています。
税制というものは国が決定したら、さすがの石原都知事でも憤ることくらいしかできないのだそうです。

確かに、都道府県の間の税収のバランスが現状のままで良いのかどうかは議論のあるところでしょう。
ただ、その解決策は現在の国税で賄うなど、他にもあるわけです。
それを、大都市の税収を他の地方に移せというのでは、石原氏でなくとも不満を持つのは当然のことです。


そもそも、地域間の財政状態に大きな差ができたのも、自民党を中心としたこれまでの政府の政策によるものなのですから。
それだけではなく、国民の間の格差なども地域間格差と同様に現在の政府・与党が進めてきた政策によるものです。
特に、「小泉カイカク」と呼ばれるものは、そういう政策を公然と行ってきたわけです。

その「カイカク」を見直そうというのは悪いことではありませんが、国はほとんど努力もせずに、そのしわ寄せを地方や国民に負担させようという政府のやり方は、今の福田政権がいかに無能であるかを如実に表していると思います。
官僚が反対するような政策は何一つできないわけです。それは独立行政法人の改革を見ても明らかです。

「カイカク」で疲弊した地方に手を差し伸べるのなら、同じように「カイカク」で酷い目に遭った国民や中小企業なども助けるべきでしょう。
ただ、そうすると「小泉カイカク」とは何だったのか、不必要だったのではないかと、バレてしまいますけどね。


今回の方針では、都道府県の法人事業税全体の半分程度を国税に移すことになり、2兆円を超す規模の税収が国税となり、特別会計を通じて、人口や従業員数などに応じて自治体に再配分し、格差をならす仕組みだということです。
地方分権の流れにも逆行していますし、政策に一貫性がないので、地方の行政を担当する人たちも大変です。

結局、「カイカク」だの「小さな政府」だの「財政再建」だのと、自分たちで手を縛ったために何もできなくなっているのが今の政府だと思います。
その結果として出てきた政策が、あの石原氏でさえ「むちゃだ」というようなムチャクチャなものでした。


いずれにしても、今回は石原都知事と私の意見が合ってしまいました。

それだけ、政府・与党の政策は「むちゃだ」ということでしょう。

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2007年12月 6日 (木)

救急車で何処へ行く

先月、福島市で交通事故に遭った女性の受け入れを4つの病院が断り死亡したということがありましたが、今度は兵庫県姫路市で、16もの病院に受け入れを拒否された男性が119番通報から2時間後に死亡するという事件がありました。


兵庫県姫路市で6日未明、肝臓に持病がある男性(66)が吐血し、救急車が搬送先の病院を探したところ、近隣の16病院が「専門の当直医がいない」「処置中」などを理由に、受け入れを拒否していたことがわかった。男性は約2時間後、約30キロ離れた同県赤穂市の病院に搬送されたが、死亡が確認された。

姫路市消防局などによると、6日午前0時7分、同市内に住む男性の家族から「意識がぼんやりしていて、吐血もした」と119番通報があった。救急車は3分後に男性宅に到着し、救急隊員が車内から姫路市、兵庫県高砂市、同県太子町の16病院に受け入れを要請したが、拒否が続き、午前1時20分、17病院目の赤穂市民病院が応じたという。このほか、2病院では電話がつながらなかった。

男性は搬送中の同40分、容体が急変。心肺停止状態に陥り、午前2時17分に同市民病院で死亡が確認された。同病院は死因を明らかにしていないが、男性は肝臓が悪く、3年前までほかの病院に通院していたという。

病院側が断った理由は、「専門の当直医がいない」が5カ所、「ベッドが満床」が4カ所、「処置中」が4カ所、「処置困難」が3カ所だった。国立病院機構姫路医療センターは「症状が重篤と判断したため、内科の救急対応ができる病院へ搬送してほしい、と要請した」としている。

[2007年12月07日01時00分 asahi.com]


男性を搬送した姫路市消防局によると「手術が必要な深夜の救急搬送でこれほど時間を要したケースは記憶にない」と話しているということです。
この男性は単に運が悪かっただけなのでしょうか。
それとも、今後はこのようなケースが増えるのでしょうか。


今年の8月に奈良県の妊婦が救急搬送中に死産した問題を受けて、消防庁が実施した妊婦救急搬送の実態調査結果によりますと、2006年に全国の消防本部で出動した救急搬送3万4917件のうち、受け入れ病院が決まるまで3回以上の照会を必要としたのは667件で、このうち45件は10以上の医療機関に受け入れを断られていました。

また東京都では、かかりつけの医師がいない女性の搬送で、27回もの照会が行われ、通報から搬送まで3時間半を要したケースもあったということです。

受け入れを3回以上断られた件数が全体に占める割合は、
  2004年‥‥0.9%
  2005年‥‥1.3%
  2006年‥‥1.9%
と増加しています。

これは、妊婦に関する調査ですから、一概にはいえないのかもしれません。
産婦人科や小児科は医師不足が深刻だということですから。
ただ、医師不足は全般に心配されていることでもあり、他の病気やケガなどでも、今後は「たらい回し」を覚悟しなければならないかもしれません。


いずれにしても、こういう事態を改善するためには救急患者のための病院と医師を用意しておく必要があります。
しかし、いつ来るのかわからない急患のために、それなりの設備や医師を空けて待っているということを私営の病院に要求するのは無理があるでしょう。
結局これは、公の仕事ということになります。

「小泉カイカク」以来、採算のとれない仕事は公の機関でさえ、やらなくなってきたように感じます。
それでも、国民が安心して生活をするためには赤字であろうとやらなければならないことはあります。
そういう仕事を公の機関がやらなければ他にやる人はいません。

確かに自治体の財政はどこも厳しいようです。
ですから、これは国が動かなければ解決はしないでしょう。
結局、政府の考え方次第ということになりますが、今の福田政権ではこういうことにそれほど予算を使うようには思えませんので、当分期待はできないのでしょうね。

救急車は用意するが、行くべき病院がない。
これは、生活保護は用意するが、門前払いするという構造によく似ていると思います。
形式的には整えるが、実態がどうであろうとお構いなしという、この国の行政の考え方がよく出ています。

このままでは、あなたも行き先の分からない救急車に乗ることになるかもしれません。

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2007年12月 5日 (水)

私もあなたも元少年

いわゆる光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の第12回公判が12月4日、広島高裁(楢崎康英裁判長)でありました。弁護側は最終弁論で、殺意や強姦目的を改めて否定し、傷害致死罪が適用されるべきだと主張しました。

さらに、少年法で死刑適用が認められる18歳から1カ月で犯行に及んだ点を強調した上で、精神的に未熟だった元少年が起こした「偶発的な事件」として、死刑回避を求めました。
裁判はこの日で結審し、判決は08年4月22日に言い渡されることになります。


昨日の弁護側の最終弁論に関する報道は、この事件の裁判としてはかなり控えめのものだったと感じます。
そして、後は裁判所の判断を待つばかりとなりました。

最高裁が死刑判決を求めて差し戻したことや、あの橋下弁護士が言うところの「世間」の声を考えると、裁判官が下す判決は限られているのではないかと思います。
判決が下される日の報道は相当に過熱するでしょうから、もし、死刑以外の判決が出された場合、私は裁判官の勇気に敬意を感じつつも、その身の安全を心配してしまいます。
いずれにせよ、後は裁判所の判断です。


それから、この事件の裁判を考えるときに、忘れてはならないのがマスメディアの報道です。
「世間」の声を作ったのもマスメディア、特にテレビによるところが大きかったと思います。

マスメディアでは、今では26歳になった被告人のことを、ほとんどが「元少年」と呼んでいます。
読売新聞では、元会社員となっているようです。
実は私も元少年であり、元会社員なのですが‥‥。
まあ、それはそれとして。


ところで、この裁判の被告人の名前をご存じでしょうか。
この事件を調べるためにネットで検索した時、○○という被告人の実名が書いてありました。
例えば、「○○は死刑にするべきだ」などとあったわけです。
私はそれを読んだとき、一瞬、別の事件のことかと思いました。
すぐには「○○」と言う名前と「元少年」が一致しなかったわけです。
その違和感は今でもどこかに残っています。

「元少年」に関しては名前だけではなく、写真などの映像もマスメディアには出てきません。
今後、いずれかの機会に公開されるのかどうかわかりませんが、もし公開された場合、私が抱いたような違和感を持つ人はかなり多いのではないでしょうか。
また、この「元少年」はずっと「元少年」として扱われ続けるわけですか?

このように報道に際して規制が必要な被告人に対して数多くのマスメディア、特にテレビ番組は、死刑を求めることが当然であるかのような報道をしてきました。
そして、その影響もあってか多くの人は、名前も容貌も知らない「元少年」を死刑にすべきだと考えているようです。


この事件の裁判に関しては他の裁判と比較して、マスメディアの情報量も多かったように思います。
それにもかかわらず、今でも「元少年」についてよく知らないのは、私だけではないでしょう。

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2007年12月 4日 (火)

宮崎県のほこり

12月3日に2007年の「新語・流行語大賞」の表彰式が行われました。
今年の年間大賞には「(宮崎を)どげんかせんといかん」と「ハニカミ王子」の2つが選ばれました。

大賞を受賞した東国原英夫宮崎県知事は「大変名誉に思ってます。宮崎県民に選んでもらったんだと思う」と受賞を喜ぶとともに「政策の2~3割はどげんかなったが、私生活は仕事が忙しく、どげんもできんかった」と今年を振り返ったとのことです。

多忙な東国原知事にはほとんど私生活と呼べる時間がないのでしょう。そのため、私生活で問題が起きることもなく逆に良かったかもしれません。
ただ、知事としての発言でいくつか問題を起こしてしまいましたが。


まず最初に問題にされたのが、「徴兵制あってしかるべき」という発言です。
11月28日に宮崎市の知事公舎であった若手建設業者らとの懇談会で「徴兵制があってしかるべきだ。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなくてはいけないと思っている」と述べ、記者団に真意を問われた知事は発言を撤回せず、「若者が訓練や規則正しいルールにのっとった生活を送る時期があった方がいい」という持論を展開しました。

懇談会の終了後、知事は「道徳や倫理観などの欠損が生じ、社会のモラルハザードなどにつながっている気がする」と言及した上で、「軍隊とは言わないが、ある時期、規律を重んじる機関で教育することは重要だと思っている」と語ったということです。

日本の社会の現状が道徳や倫理観に問題があり、それを解決するために若者が一時期、規則正しいルールにのっとった生活を送る必要があるという、知事の考え方そのものがどうかとは思いますが、まあ、そういう意見をお持ちになるのもいいでしょう。
しかし、そのために徴兵制をというのは、さすがに飛躍しすぎです。

また、12月2日には「徴農制によって、若者に農業の大切さを体験させるのはどうか」という発言もしたとのことです。
結局、これらについては、12月4日に謝罪することになります。


12月4日、社民党の県議団の抗議に対して知事は「徴兵制はあってしかるべきだ」などとする自身の発言について「不適切だった。今後は発言に気を付けたい」と述べました。
また徴農制については「農業の大切さ、食の大切さを勉強してはどうか、教育のカリキュラムに入れることも考えるべきではないかという趣旨だった」と釈明しました。

そして、社民党宮崎県連の鳥飼謙二代表が「訂正すれば済むという問題ではない。今後は発言に注意して」と迫ると「(注意)しますと言ってるじゃないですか。私の話も聞いてくださいよ」などと語気を強め、机をたたく場面もあったそうです。

その後知事は、「真摯に受け止めたが、謝罪しても撤回しても済む問題じゃないと言われた。どうしたもんかなという感じ」と疲れた様子で語っていたとのことです。


一度発言したことは、撤回して消せるものではありません。特に、徴兵制などという物騒なことを言えばなおさらです。
ただ、今回は知事も不適切だったと、認識しているようです。
このあたりは、どこかの東京都知事とは少しは違うのかもしれません。
彼の言動には今後も注目していきたいところです。

東国原知事が宮崎県のセールスマンとして優秀であることはすでに明らかです。
一方、具体的な政策や実行力といったものは、今のところは未知数であると思います。
3年後に彼の最初の任期が終わった時、どのような評価が下されることになるのでしょうか。


くれぐれも、「この知事をどげんかせんといかん」などと県民に言われないように‥‥。

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2007年12月 3日 (月)

いい選挙でいい知事を

選挙は大事です。当選を目指す候補者にとって大事であるのはもちろんですが、選ぶ側の都民にとっても、選挙はとても大きな意味を持っています。「選挙のありようが、その後の知事任期のありようを決定づける」というのが、宮城県知事時代の私の実感なのですが、今、自分が候補者となる都知事選挙を目前にして、その感を深めています。

いい知事になるためには、いい選挙をしなければならない。「いい選挙」とは、都民の一人ひとりが関わっていける、行動していける選挙のことと考えています。「いい選挙」は、それに関わった都民の意識と行動を変えます。結果の如何にかかわらず、関わった都民にとっての大きな自信につながり、目減りのしない財産になります。こういった過程を経て日本の政治風土が変わっていくことを確信しています。

これは、浅野史郎氏が今年の東京都知事選挙に出馬表明した際に述べた「選挙についての基本姿勢」の一部です。
この中で浅野氏は、自らの経験から「選挙のありようが、その後の知事任期のありようを決定づける」と言います。
つまり、選挙を見れば、どのような知事になるかが分かるということです。

さて、このブログでも何度か取り上げた太田大阪府知事が3選不出馬を表明しました。太田氏はこれまでの選挙はいわゆる相乗りで戦ってきたそうですが、次の選挙では推薦や支持が受けられなくなり、立候補を断念するようです。


太田房江・大阪府知事、3選不出馬を正式表明

大阪府の太田房江知事(56)は3日午前、府庁で記者会見し、来年1月の知事選について「最近の出来事で、府民や議会の信頼を損なった。今の状況では、出馬は不可能と判断した」と述べ、3選出馬を断念する意向を表明した。

高額講師謝礼金や政治団体事務所費など「政治とカネ」を巡る一連の問題で府議会や府民の反発が強まり、過去2回の知事選で推薦を受けた自民、民主、公明3党や、最大の支持団体だった連合大阪が不支持を決めたため、退陣に追い込まれることになった。

自民、民主、公明各党は、相乗りでの統一候補の擁立も視野に入れ、候補者選びを本格化させていて、府出身の大学教授、元官僚、タレント、国会議員らの名前が浮上している。共産党は弁護士の梅田章二氏(57)の推薦を決めている。

太田知事を巡っては、政治団体「太田房江を支える東京の会」が2004年8月~07年8月、母親宅やおい宅を事務所の所在地として、計約223万円の事務所費を計上していた問題が11月に発覚。中小企業経営者らの任意団体「関西企業経営懇談会」の会合に03年4月~07年9月、11回出席し、計880万円の講師謝礼金を受け取っていた問題も判明した。

太田知事は、岡山県副知事、通産省審議官などを経て、横山ノック前知事が強制わいせつ事件を巡って辞任したことを受けた00年の知事選で初当選し、全国初の女性知事となった。04年の知事選でも「相乗り」で再選を果たし、現在2期目。

[2007年12月3日13時45分  読売新聞]


とうとう、太田大阪府知事が来年1月の知事選への立候補を断念しました。
数々のカネの問題や、大阪市長選挙でのバンザイ事件などで、各政党はすでに推薦しないことを決めていましたが、連合や地元の財界にも見放されたため、立候補することを諦めたようです。

結局太田氏は、政党や組織の推薦や支持がなければ立候補することもできないということのようですが、これは逆に浅野氏の言葉からすると、いい選挙をするチャンスでもあるわけです。
というのは、特定の政党や組織から離れたことによって、市民派の知事を目指すことが可能になったのですから。

カネの問題を清算し、今後は透明な政治を目指すということで、市民のカンパで選挙を戦い3選されれば、どこの組織にも気を使う必要がなくなり、今までとは違った「いい知事」になれるかもしれません。
もっとも、本人が変わらなければ無理なことではありますが‥‥。

来年の1月27日の投票日まで、もうそれほど時間がありません。
どうやら、自公民各党は今回も相乗りを考えているようです。
それでは太田知事の代理のような人物に変わるだけです。
大阪府民の皆さんはそれで良いのでしょうか。

東京都民は石原慎太郎氏の3選を許してしまいました。
その結果、あと3年半はこのままです。
しかし、大阪府民には府政を変えるチャンスがすぐそこにあります。

「いい選挙でいい知事を」選ぶチャンスがそこにある。
都民としては羨ましい限りなのですが‥‥。
候補者がなかなか現れないようです。


こうなったら、大阪も浅野さんにお願いしますか?

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2007年12月 1日 (土)

立つのは弁護士か司会者か

とうとう、四面楚歌という状況になってしまいました。
太田大阪府知事のことです。
私も先月2回、太田知事に関する記事を書きました。

 11月12日 税金のキックバック

 11月15日 大阪府民の判断は?

このところカネの問題が取り上げられて、苦境に立たされていた太田知事ですが、来年の1月に予定されている大阪府知事選挙での3選を目指して、各政党の推薦を待っていたわけです。
ところが、今ではこういう状況になっているようです。


大阪知事選で自・公・民とも太田氏不支持 独自候補探る

自民党大阪府連(中山太郎会長)は1日、大阪市内で総務会を開き、来年1月27日投開票の大阪府知事選で太田房江知事を推薦せず、独自候補を擁立することを決定した。民主党府連、公明党府本部も太田氏を推薦しない方針で、これまで太田氏を支援してきた与党3党は、今後、独自候補の擁立作業を本格化させる見通しだ。

総務会後、記者会見した自民党府連の西野陽政調会長は「伊吹文明幹事長や古賀誠選対委員長とはすでに調整済みで、理解してもらっている。ひっくりかえることはないと思う」と述べた。中山会長は3日、伊吹幹事長らに一連の経緯を報告したうえで、党としての最終決定を求める考えだ。

1日の総務会には府選出国会議員ら約30人が出席し、党本部と府連で知事選候補に「ねじれ」がないようにすることを確認。独自候補については公明党との連携を基軸に選定作業を進める。中山会長は「まだ決まっていないが、鋭意選定を進めていく」と述べた。

公明党大阪府本部も1日、大阪市内で幹事会を開き、太田氏の推薦見送りを決めた。白浜一良代表は「国政と地方は違う。府議団の議論を尊重したい」と述べ、自公民での相乗りを示唆した。

一方、民主党大阪府連も同日、大阪市内で常任幹事会を開いた。太田氏を推薦せず、独自候補を擁立する見通しだが、今後の対応は三役に一任することを決めた。幹事会後、府連の平野博文代表は「他の政党が相乗りしてくるのは拒否しない」と語り、3党相乗りの可能性に含みを残した。

[2007年12月01日12時42分 asahi.com]


各党が太田知事を推薦しないのは、必ずしもカネの問題が理由ではない、という点が興味深いところです。

というのは、太田知事は知事選で各党から推薦を受けたいために、11月18日に行われた大阪市長選挙では中立の立場にいました。
ところが、当選者が決まるとその事務所に行き、バンザイに参加してしまいました。
おそらくこの人は、事実上の一騎打ちであった候補者のうち、どちらが勝ってもバンザイをしたのでしょう。

これに怒ったのが敗れた自民党と公明党です。当たり前ですね。
上の記事にあるように、太田知事の推薦見送りを決めました。
一方、バンザイをしてもらった民主党も困りました。
自民と公明の怒りを買い、なおかつスキャンダルの出ている候補者では、選挙の苦戦は必至ですから。

結局、民主党も太田知事は推薦しないようです。
それでも、本人は知事の座がお好きなようですから、選挙に出るのでしょう。
せめて、現職の知事が泡沫候補などと言われない程度には、頑張っていただきたいものです。

現職がここまでボロボロになれば、政党の推薦を受けた候補が当選する確率がぐっと高くなります。
各政党のコメントを見ますと、自公民での相乗りもありそうです。
本来、相乗りは避けるべきであり、選挙自体も盛り上がりに欠けるものになります。
ただ、自公民で相乗りすればその候補者はその時点で当選確実でしょう。

さて、その候補者になるのは誰でしょうか。

大阪市長選挙でも名前の挙がった、某弁護士でしょうか。
若しくは、お笑いタレントの某司会者でしょうか。


ひょっとして、二人の一騎打ちもあり‥‥‥か?

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