« 証人喚問、11月15日に延期 | トップページ | ダイヤの乱れも政治の責任 »

2007年11月 8日 (木)

政党は政権を目指す

民主党の小沢代表が正式に辞意を撤回しました。
結局、大連立から始まった一連の騒動は、何事もなかったかのように終わりそうです。
マスコミは民主党のイメージダウンは避けられない、と言っていますが、果たしてそうでしょうか。
ここ数日のマスコミの主役は間違いなく民主党でした。
イメージダウンかどうかは今後の国民の判断によるものだと思います。

小沢代表の辞意表明から辞意撤回への一連の騒動は、民主党による自作自演だったという説もあります。
というのも、この件に関して福田首相をはじめ与党側はほとんど触れようともしません。
読売新聞だけが、不確かな?情報を流しています。
この中で民主党が黙っていれば、読売の情報が真実だと受け取られてしまいます。

そのため、代表が辞任を表明することとして記者会見の場を設け、そこで党首会談の内容を公表し、ついでに読売新聞を批判する。
民主党がマスコミに注目されるために、代表の辞任会見が必要だったのではないか。
このような考えも成り立つような気がします。

民主党にこんなことができれば大したものだと思いますが、可能性が全くないとも思えません。
あの小沢氏が2回も会見したということは、それだけ言いたいことがあったということだったと思います。
いずれにしろ、想像の域を出ませんが‥‥。

**************************

党首会談で「大連立」という話が出たと聞いた時、私は「そんなバカな」と最初は思いました。そして、まさか小沢代表や民主党がそんな話に乗るとも思いませんでした。
また、マスコミでは今でも小沢氏が大連立に傾いたこと自体を非難しています。

ただ、良く考えてみますと、政党とは本来、自党の政策を実現するために政権を目指すものであって、選挙によって過半数を獲得できれば単独で政権を取れますが、それ以外の場合は、連立政権を組むわけです。
その点から言うと、小沢氏が連立政権への参加を考えたというだけで非難されるべきなのかどうか。
連立政権に参加して、それぞれの法案には是々非々で対応していくというのも一つの方法ではないかと。

さらに言えば、民主党だけではなく社民党や共産党も、自民党が数を欲している今こそ自党を高く売るチャンスではないでしょうか。
つまり、原理・原則も大事ですが、党としての政策を実現するには政権に参加しなければなりません。
「自民党はだめだが、民主党も信用できない。」社民党や共産党の方はよくこのように言います。
確かにその通りかもしれませんが、そう言っている限り、どんなに素晴らしい政策を打ち出しても、それは「絵に描いたモチ」に過ぎません。

ですから政党が政権の座を目指すことは非難されるようなことではないと思います。
とはいえ、今回の小沢氏の行動にも問題があります。
大連立への参加をほとんど一人で決めようとしたことや、自公政権との対決姿勢を示していながら、その連立政権へ参加しようとしたことに対する説明不足などが挙げられると思います。

また、大連立そのものにも多くの問題があります。
その中で、私がもっとも危惧するのが選挙制度の変更です。

選挙制度 に関してはこれまでに何回か取り上げてきました。
私の主張は、比例代表部分を増やして、少数意見を国会に反映させようというものですが、自民党と民主党で話がまとまるとすれば、全く反対のものになるでしょう。

現在の衆議院の定数は480ですが、例えば定員2名の240の選挙区に分けて選挙を行えば、ほとんどが自民党と民主党の議員になってしまいます。
そこまで露骨なことはしないとは思いますが、今回の党首会談では中選挙区制に戻すことも話題に出たと言われています。
なぜか、この件はほとんど報道されませんが‥‥。

選挙制度変更の先にあるものは、間違いなく憲法改正です。
社民党と共産党の皆さんは、それでいいのですか。
民主党や小沢代表を批判するのもいいでしょう。
ただ、選挙制度の変更は党の死活問題につながります。

政策の実現のためと同時に、自分たちに有利な選挙制度を求めて政権に参加する。
原理・原則も大切でしょうが、政治にはある程度の柔軟性も必要ではないでしょうか。
そうでなければ、永遠の野党として消えていくことになりかねません。

美学を追求するのならば、それもいいでしょう。


ただ、政党としてはどうなのでしょうか。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブログへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。

|

« 証人喚問、11月15日に延期 | トップページ | ダイヤの乱れも政治の責任 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 政党は政権を目指す:

» 敵は「自公合体政権」にアリ! [らんきーブログ]
人気ブログランキング ← に参加中です! いつも応援ポチっ有難うございます♪  ↑上記リベラルブロガーへのポチっと応援をそろそろお願いしま〜す^^【選挙は近い?】 小沢... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 14時40分

» 小沢代表 辞意撤回 [王様の耳はロバの耳]
小沢氏、辞意撤回へ 「ぜひ、もう一度がんばりたい」(朝日新聞) - goo ニュース 小沢代表は昨夜民主党幹部の慰留を受け入れ「恥をさらすようだが、もう一度頑張りたい」と発言したそうです。 {/kaeru_shock1/} 爺の様な素人には小沢氏が「二人だけの党首会談で福田総理の提案を持ち帰った」事が責められるなら「辞意表明(実際には進退伺い)」は分かるのですが「提案に乗り気で反対されたら自分が代表の党をぼろ糞に非難」した方なのですから党幹部が慰留して「辞表を撤回」させた思考回路が理解できません。... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 19時41分

» さあ、政権交代だ! [喜八ログ]
正直に言って「ホッ」としました。なんだかんだ言っても今の日本で本格的政権交代を実現できるのは小沢一郎しかいないと私(喜八)は考えるからです。これは私が「小沢信者」であるとか、そういう話ではありません。いたって現実的な観測です。... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 19時58分

» 笑止!バレバレ!小沢をはめたのはナベツネ・中曽根・森!&民主の癌を暴く [kimera25]
読売と産経は必死の自己弁護を小沢バッシングに転化終始!笑える!悲しさと哀愁まで漂う新聞紙面!これでもかこれでもか!とグループ全体をあげて小沢・民主のたたき合い産経!読売は後ろめたさがあるのか若干おとなしめに変わってきた!で馬鹿自民!小沢自爆で笑っていたが気がつけば参議院!2/3の衆議院多数のごり押し!しても大半は妥協しなければ法案崩壊!やりたくても躊躇が後3年も続くのに冷静になって今更気がついた馬鹿!この高笑いは今日まで!********「朝日新聞」******http://www.asahi.co... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 20時20分

» ONE FOR ALL. ALL FOR ONE. [少年正義言論の祭典]
bfont size=6font color=redONE FOR ALL. ALL FOR ONE./font/font font size=3font color=navy仲間が辞めると言ったとき「辞めなくてもいいよ。一緒に頑張ろう」 そう説得したのは民主党だけではないはずだ。 誰かのミスをかばっても、 やり直せると判断したのは民主党だけではないはずだ。 昔、自民..... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 21時41分

» 「誹謗中傷批判」を撤回したという読売新聞・【付記:監視社会】やはり交番警官にGPS携帯 [Like a rolling bean (new) 出来事録]
政変(?)のことにはあまり触れたくないのですが、おかしな記事を書く新聞社です、やっぱり。 読売 小沢代表、会見で「誹謗・中傷報道」批判を撤回 特集 小沢ショック  民主党の小沢代表は7日の記者会見で、「大連立」をめぐる報道に関し、「私を政治的に抹殺し、明... [続きを読む]

受信: 2007年11月 8日 (木) 23時03分

» いろんなニュース34 [言ノ葉工房]
みなさま、大企業の会長が「従業員、国民、政府への圧力釜」こと経団連会長キヤノン違法「偽装請負」ミスタ御手洗だったりすると、司法からも過剰に守ってもらえちゃうようです。 リサイクル品でも特許侵害 キヤノン勝訴、最... [続きを読む]

受信: 2007年11月 9日 (金) 13時49分

» 小沢代表の会見を見て+舛添ヒンシュク+元防衛課長の秘密会質疑など [日本がアブナイ!]
【昨日も多数のクリック&TB、有難うございます。m(__)m  真の民主主義&政権交代を目指す当ブログ&りべラル系ブログ のアピールのために、どうかご支援ください。m(__)m>  7日、民主党の小沢代表が、両院総議会で挨拶をして、国民、党員、 議員たちなどに謝罪と説明を行なった上で、代表続投の意思を示した。  その後の記者会見では、改めて会談&連立構想を自分が主導したと いう報道を否定。約2ヶ月前にある有力者から呼び出されて、連立の 話を勧められたこと、その後、福田氏の代... [続きを読む]

受信: 2007年11月 9日 (金) 17時17分

» 小沢民主党代表、辞意を撤回 [虎哲徒然日記]
辞めない、といって数ヶ月後に突然辞めた人もいた。今度は辞めるといって2日後に辞めない、という。どちらにしても迷惑な話であることだけは間違いない。突然の大連立構想とその破綻から辞意を表明していた民主党の小沢代表だが、党の「総意」としての慰留に翻意、「恥をし....... [続きを読む]

受信: 2007年11月 9日 (金) 18時55分

» 対テロ戦争 日本の軍事支援見直しを [とむ丸の夢]
「対テロ米朝は協力」 NHK朝8時半過ぎのニュースでこの言葉が報じられていました。 例のソマリア沖で北朝鮮貨物船が米軍に助けられたことに関するもので、「「アメリカがわれわれの船員を助けてくれたことをありがたく思っ... [続きを読む]

受信: 2007年11月 9日 (金) 23時38分

« 証人喚問、11月15日に延期 | トップページ | ダイヤの乱れも政治の責任 »