税金のキックバック
遠藤武彦という名前を覚えていますか。
今年の9月3日まで農林水産大臣だった方です。
わずか8日間だけでしたが。
遠藤氏は国からの補助金を不正受給していた「置賜農業共済組合」の組合長を務めていました。
そういう人物を補助金を出す立場の農水大臣に任命した、当時の安倍首相の判断にも唖然とさせられましたが、こういうことを全く問題にしないところが自民党らしいところでもあります。
税金を出す側が受け取る側と何らかの関係を持ち、その中からいくらかの金銭を受け取る。
結局、税金のキックバックで私腹を肥やす形になるわけです。
では、次のケースは問題ないのでしょうか。
大阪府知事に講演料883万円 補助金交付先代表ら出席
大阪府の太田房江知事が、中小企業の経営者らでつくる任意団体「関西企業経営懇談会」の会合に講師として招かれ、1回あたり50万~100万円の講演料を受け取っていたことがわかった。秘書によると、5年間で総額883万円になる。参加者には府の公共事業の入札参加資格を持つ企業の経営者や、補助金交付団体の代表者もいた。太田知事は「金額としてはかなり多いと思ったが、税務上の処理も適切にしており、なんら不正はない」と話している。
同会は大阪府内の中小企業の経営者ら約30人が03年に設立。製造業者や建設業者、設計業者などで、府の公共事業の入札参加資格を持つ業者は10社あった。補助金を交付された学校法人の理事長も会員に含まれていた。
太田知事が出席していた会合は、03年4月~今年9月にかけて11回。大阪市内のホテルで開かれる飲食会で、太田知事は毎回、府政の課題について30分程度講演し、その後1時間半ほど会員の席を回って情報交換をしていたという。毎回、夕方から始まり、アルコールも出たとされる。
講演料は、03年、04年は1回70万円、05年、06年は1回100万円、07年は1回50万円が同会の収入からその場で支払われていた。あらかじめ差し引かれた所得税を含めると総額は約980万円になるという。
太田知事は7日の定例会見で、「金額は多いが、きちんと講演し、意見交換も詳細にした。大阪再生がんばってくれという気持ちを含めての謝礼と受け取っていた。懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題で、何ら関係がない」と説明した。
[2007年11月7日22時48分 asahi.com]
太田知事によりますと、金額が多いという認識はあるようです。
それでも、税務上の不正はないし、懇談会への参加と府の入札や契約とはまったく別の問題だ、と言っています。
しかし、ここで問題なのは金額の多寡や税務上の不正ということではなく、そもそもこのような団体の会合に出席して金銭を受け取っているということです。
また、懇談会への参加と府の入札や契約とは関係ないと知事は言いますが、参加した会員の方はどのように考えているのでしょうか。
「会合の出席者は入札で優遇します。」などということは、知事は口が裂けても言えないわけですが、出席者としては何らかの利益を期待するのが当然だと思います。
本来、そういう疑惑を持たれそうな行動は避けるべきだと思いますが、国民やマスコミが問題視しない限り今後も続いていくのでしょう。
知事には何が問題なのかすらわからないようですから。
山田洋行による守屋前防衛事務次官への接待が異常なものだったと言われています。
確かにゴルフの回数も金額にしても常軌を逸しています。
ただ、これを程度の問題として捉えることには疑問があります。
最終的には、税金の絡む契約をする当事者同士は一切の金銭のやり取りを禁止する、というくらいの厳格さが求められるのではないでしょうか。
税金によって私腹を肥やす人々がいる限り、税金はいくらあっても足りないはずです。
人気ブログランキングへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。
| 固定リンク
「献金・汚職」カテゴリの記事
- 大阪府民の判断は?(2007.11.15)
- 税金のキックバック(2007.11.12)
- 舛添大臣は一生懸命やっている(2007.09.05)
「大阪府知事選挙」カテゴリの記事
- 子供の笑顔と老人の涙(2008.01.29)
- 知名度の差は致命的か(2007.12.18)
- いい選挙でいい知事を(2007.12.03)
- 立つのは弁護士か司会者か(2007.12.01)
- 大阪府民の判断は?(2007.11.15)
コメント