世界を助けるその前に
最近、「国際貢献」という言葉を政治家がよく口にします。
彼らに言わせると、先日まで続けていたインド洋での無料ガソリンスタンドが、その「国際貢献」だそうです。
その行為が本当の意味での国際貢献に値するのかどうか、かなり怪しいものではありました。
しかし、本来、他の国や地域に対して役に立つ行動をすることは、国として有意義なことではあります。
政府は、来年の7月に予定されている洞爺湖サミットで、途上国における乳幼児などの死亡率の低減と、感染症の流行防止のための行動指針の採択を目指す方針を固めたとのことです。
途上国の乳幼児死低減へ行動指針、洞爺湖サミットで採択へ
政府は、途上国における乳幼児と妊産婦の死亡率低減、感染症の流行防止に向けた国際協力の「行動指針」を策定し、来年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)での採択を目指す方針を固めた。
高村外相が25日に都内で行われる国際シンポジウムで表明する。
来年5月に横浜市で開く第4回アフリカ開発会議(TICAD4)などで、各国から幅広くアイデアを募る考えだ。民間活動団体(NGO)や経済界にも意見を聞く。
指針は、保健・医療分野の人材育成と確保策が中心となる。来年は、2015年までの途上国支援策をまとめた「国連ミレニアム開発目標」(01年発表)の中間年にあたるが、目標達成は難しい状況。特に、サハラ以南のアフリカ諸国で保健・医療分野の立ち遅れが目立ち、5歳未満の幼児死亡率は1000人あたり166人(07年)で、先進国平均の9人(05年)に比べ、極めて深刻な事態が続いている。
政府は、指針策定を通じ、「ミレニアム開発目標」を達成したい考えだ。
[2007年11月22日21時46分 読売新聞]
アフリカの南部での幼児死亡率は先進国の20倍近い数字です。
原因は医療施設や人材の不足と衛生状態が良くないことなどのようです。
そこで、保健・医療分野の人材育成と確保を中心に支援をするという目標が2001年に既に決められていて、来年がその中間年にあたるわけですが、現状では目標の達成が難しくなっているとのことです。
このような状況の中で、政府はサミットを契機に改めて意識を高め、目標を達成したいという考えなのでしょう。
こういう国際貢献にはできる限りの力を注いで、ぜひ目標が達成できるようにしてほしいものだと思います。
一方、日本の子供たちは元気に育っているのでしょうか。
出生直後の長女に授乳せず死なす?19歳夫婦逮捕
福岡県警博多署は22日、生後間もない長女にほとんど授乳せず死なせたとして、福岡市博多区の夫婦(いずれも19歳)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。
体重が出生時より約700グラム減っており、あばら骨が浮き出るほどだった。同署は餓死とみている。
調べによると、2人は10月25日に生まれた長女が衰弱した後も必要な治療を受けさせずに、11月21日夜、自宅で死なせた疑い。
夫は「一生懸命、面倒をみたつもり」、妻は「ミルクを飲ませようとしても飲まなかった」と供述している。
夫は手品師だが、仕事はほとんどしていなかった。妻は妊娠後も産科に通院せず、陣痛が始まってから搬送された病院で出産した。この病院は「(長女は)ミルクを吐いて飲まないので入院させておかないといけない」と説明したが、2人は出産の翌日に、「ほかの病院に診せる」と長女を自宅に連れ帰った。
[2007年11月23日1時30分 読売新聞]
この事件で若い夫婦が責められるのは当然ですが、それ以外にも多くの問題がこの事件には含まれているようです。
特にこの国の少子化の原因の一つが、この事件で明らかにされているように思います。
カネがなくても子供はできます。
それでも、病院に通ったり、出産や育児にはカネがかかります。
結局、この国ではカネがなければ子供は産むな、ということです。
犯罪者になりたくなければ‥‥。
自己責任といえばそれまでです。
ただ、そういう考え方でいる限りは、この国の少子化は止まらないでしょう。
また一つ、貴重な小さな命がこの国から消えてしまいました。
世界の子供の命を助ける活動は、素晴らしいことです。
同時に、日本の子供も大事にしましょう。
人気ブログランキングへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
よろしければ、1つか2つ、クリックお願いします。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- そもそも消費税は必要か(2023.06.10)
- 大阪都?(2020.11.01)
- 余るほどの頭数(2020.10.07)
- 不快ならお詫び(2020.10.02)
- 「女性はいくらでもウソをつけますから」(2020.09.27)
コメント