危機感のない危機管理官庁
「テロとの戦い」という言葉があります。
テロとは何か。誰とどのように戦うのか。
私は今でもよく分かりませんが、とりあえず日本もその戦いに参加しています。
「テロ特措法」による無料ガソリンスタンドは閉店したようですが、政府は今後も何らかの形で「テロとの戦い」を続けていくのでしょう。
その際に、頼りになるのが何といっても防衛省のはずですが、今はそれどころではなさそうです。
防衛省は1日、幹部の休日の行動を把握するため、全地球測位システム(GPS)機能付き携帯電話の所持を義務づける方針を固めた。守屋武昌・前事務次官が在任中、休日に無断で都内から離れ、業者とゴルフを繰り返していたことが発覚したため、石破防衛相が対策の検討を指示していた。ただ、勤務時間外の行動を常時監視できるようにすることには、省内から「プライバシーの侵害」との批判があり、議論を呼びそうだ。
GPS携帯電話は、所有者の現在所在地を別の携帯電話やパソコンの地図上に表示する機能がある。所持を義務づける対象は危機管理に対応する内局(背広組)幹部と各幕僚監部(制服組)の幹部。これまでは、休日の連絡先は自己申告する仕組みだった。
GPS携帯電話は防犯用に親が子供に持たせるケースが多い。同省幹部からは「子供扱いするな」との反発も出ているが、石破防衛相は1日の衆院テロ対策特別委員会で「危機管理官庁なので(幹部が)居場所を明らかにするのは当たり前。行動が把握されるのが嫌だったら、そんな人は防衛省にいなくていい」と言い切った。
[2007年11月1日23時2分 asahi.com]
接待ゴルフを取り締まるために幹部にGPS携帯電話を持たせるということです。
そうすれば、休日も居場所を把握できるということですが、携帯電話を故意に忘れる人も出て来るでしょうね。
また、それ以上に重大な問題があるようです。
先ほど、あるラジオ番組に外務省を休職中の佐藤優氏が出演していました。
佐藤氏によれば、イスラエルの諜報機関であるモサドと会う時には携帯電話を取り上げられるそうです。そうしないと、携帯電話から出る電波で居場所が特定され、ミサイルで狙われる危険性がある。おそらくイスラエル自身もやっているので、そこまで警戒するのではないか、と話していました。
今のミサイルは顔の特定の部分を狙って攻撃できるほどの精度があるということです。
防衛省は幹部の行動を把握するためにGPS携帯電話を持たせようとしています。
ただ、それにより幹部の居場所を把握できるのが防衛省だけとは限りません。
防衛省の幹部が真先に「テロリスト」に狙われる。
そんなことになれば、ほとんど笑い話です。
もっとも、国の要職にある人にプライバシーがどこまで認められるかは微妙な問題で、休日に偽名でこっそりゴルフをやるのはまずいわけですが。
しかし、所詮これは個人の自覚の問題であり、その人に要職に就く資格がなかったということです。
休日も居場所を明らかにする、それだけでいいわけです。
とはいえ、「テロリスト」に対してまで、居場所を明らかにする必要はないわけです。
その点でGPS携帯電話はどうでしょうか。
考え方が非常にお気楽な感じがします。
自分たちが狙われるかもしれない。
そういう危機感が防衛省には全くないのですね。
「テロとの戦い」に参加しているはずなのに‥‥
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