刑事告発の必要性
ブログを始めて4か月が経ちました。その間に数多くのコメントやトラックバックをいただきました。コメントやトラックバックは大変うれしいものですが、お返しにはそれなりに気を遣います。
特にコメントは真剣なものが多く、返事を書くのに時間がかかることが多いのです。
筆不精な上に、私の弱い頭で考えをまとめてから書きますので、遅くなることが多いですが、決して無視しているわけではありませんので、これからも気軽にコメントをお書き下さい。よろしくお願いします。
と、言い訳から始めてみましたが10月12日の舛添大臣、自腹でどうですか?という記事には村野瀬玲奈の秘書課広報室で紹介していただいたこともありまして、多くのアクセスがあります。
村野瀬さん、恐縮です。いつもありがとうございます。
この記事には、tenさんという方からコメントをいただきました。
その返事を書こうと思い、あれこれ考えていると、どうも長くなりそうです。
ということで、tenさんへの返事を兼ねて、一つの記事にまとめてみます。
まず、tenさんのコメントから紹介します。
金を払えば何をしても良いのですか。
上の文章を読むと、万引きで掴まって「金払えば別に良いじゃん」「金を払えば良いんだろっ」と開き直って言う窃盗犯と同じ考えのような気がしますけど。
横領罪として告発すれば弁償したとしても刑事罰の上に懲戒免職であり、告発しなければ懲戒免職だけ。どちらにしても懲戒免職で有る事には変わらず、逆に後者の横領罪を行った者は得をしているとも言え、社会保険庁は犯罪者を見逃している、また優遇したとも言えるでしょう。
また懲戒免職が社会的制裁と一部では言ってますが、懲戒免職は雇い主が行う制裁であり、社会的(公共的)制裁と言っても良いのか、告発した他の犯罪と比べて公平性が有るのか、または公平性は保てるのかと色々な問題が発生します。(例えば着服金は数万円の者と千数百万の者、また秘匿工作を行った者まで一律懲戒免職で良いのかと言う問題)
金を払ったんだから、どうせ執行猶予だから、懲戒免職にしたから法治国家である日本の公的機関社会保険庁は地方または国家公務員の行った小さな犯罪は見て見ぬ振りをするべきである。
それが貴方の主張ですか。
投稿 ten | 2007年10月14日 (日) 14時03分
tenさんコメントありがとうございます。 元職員は6年前に横領で懲戒免職になりました。これだけで妥当かどうかはともかく、この事件に対する処分としては一応終わっていたわけです。 元職員が自分の犯罪で刑事告発されるのは当然のことです。
年金保険料を横領した市町村の元職員を、社会保険庁が刑事告発するということに関して、tenさんは私の記事を読んで、私が反対していると思われたようです。
私は刑事告発自体に反対しているのではありません。それが懲戒免職と同時に行われていれば全く問題ないと思います。
ただ、今回の社保庁による刑事告発には問題があると考えています。
その理由は、時機と費用とそれに対する効果です。
その後、おそらく新しい生活を始めているであろうこの人を、6年後に社保庁が刑事告発します。
これが許されるとかなりの問題があります。
それは、懲戒免職と同時に刑事告発されなかったこの元職員は、自らの犯罪が時効になるまでは、役所や大臣の都合でいつでも刑事告発される可能性があったということになるからです。
それでも、そのためには適当な時機というものがあります。
「当時としては厳しい処分をした」という市長の言葉も一つの見解です。
もちろん、当時の処分が甘すぎるものであれば考える余地もあるでしょう。
しかし、時効が来るまで、いつ告発されるか怯えながら生活しなければいけないのでは、酷すぎます。
次に告発にかかわる費用についてです。
現時点で8人ほどの告発が決まっているようです。そして、公平性という点からすれば、今後も新たな横領が発覚すれば告発していくのでしょう。
その数はまだ分かりません。
では、その際の費用は誰が負担するのでしょうか。この点を舛添大臣は明確にしていますか?
年金財政だけを考えれば、横領しても弁済すれば影響はありませんが、保険料を何かの費用に使えばその分だけ減っていきます。
刑事告発の費用を保険料から出す可能性は高いと思いますが、どうなのでしょうか。
件数がいくつになろうと、全てを告発した方がいいのかどうか、この点も考えるべきだと思います。
それでも告発する以上は、費用対効果も考えておく必要があります。
舛添大臣は「盗人は全員牢屋に入ってもらう」と言っていました。
そして、告発した結果が軒並み不起訴や執行猶予であったら、国民は納得するでしょうか。
おそらくほとんどの国民は判決については関心がないでしょう。
舛添大臣が悪人を懲らしめる、その言動を見て溜飲を下げているものと思います。
そのツボを心得ているのが舛添氏です。
そのために手間やカネを使ってまで刑事告発をする必要があるのか。
「冷静になって考えてみよう」というのが、私の立場です。
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コメント
こんばんは!
コメントの返事が苦手で現在やや逃避中のぶいっちゃんですw
私も記事中の文章を誤解されてしまったり、思い込みで読まれたりして困る時があります。ホント、下手するとエントリ並みのやり取りになる事もありますよね。昔はよくありました^^
マジメに読まれている方には尚更気も使い、時間もかなり取られて大変だけど、コメントはあると嬉しい。
面白いもんですね、ブログは。
記事とは関係ないコメントですみません。謝りついでに、密かに今私が楽しみにしているのが、もそもそさんのブログ右にある「アクセスランキング」です。らんきーが1位になれますように・・・(笑) こういった事もオモシロイw
投稿: ぶいっちゃん | 2007年10月15日 (月) 22時13分
はじめまして。
桝添氏の動向については、興味深く見守っているところです。
私は、小悪に国民の目を向けさせて、巨悪(年金休暇センターの建設場所が歴代厚労相の地元である点、休暇センターの売却に伴う二階氏の関与、政官もたれあいの利権構造)から目をそらそうとしているように思えます。
コメントの方の意見は結構私の周りでは多く、桝添氏が母親の看護で苦労したというテレビ報道が効いているのでしょうか。
でも、私は彼の言動から、冷酷な人間性と独善的な尊大さを感じ、グローバリズム信奉者特有の匂いを感じ、信用しておりません。
『年次改革要望書』通りの『残業不払い法案』の推進、『新薬承認期間の短縮』等、彼は日本よりアメリカの利益を優先させる小泉、竹中と同種の人物だと思います(2人に較べて小物ですが)
投稿: white | 2007年10月15日 (月) 23時23分
white様
はじめまして。コメントありがとうございます。
返事が遅くなりまして、申し訳ありません。
年金については、舛添氏がどこまで分かっているのかすら疑問です。それに私の記憶では、彼は「朝生」に出ていた頃から官僚を擁護していましたから、そのうち正体がバレるでしょう。
それでもwhiteさんの周りの方のように、彼を評価する人はいるでしょうね。パフォーマンスはできるようですから。
投稿: もそもそ | 2007年11月 5日 (月) 02時46分