総裁選が長すぎる
自民党の総裁選をめぐる動きが慌しくなってきました。同時にほぼ結果が見えてしまいました。額賀氏は立候補を断念し、麻生氏を支持する派閥は麻生派だけという状況になっています。
次期総裁は福田氏で決まりのようです。
党内に福田康夫元官房長官支持の空気が広がる中、町村派は14日午前、都内のホテルで前日に引き続き総会を開いた。派閥会長の町村信孝外相を始め、笑顔が目立った。当の福田氏は午前11時10分ごろ、右手をポケットに入れながら登場、無表情で入室した。
町村氏に続いてマイクを握った福田氏は「わずか一昨日の昼から始まったこと。正直、こんなことになるとは夢にも思わなかった」。会場は大きな拍手に包まれた。
麻生氏支持グループは午前11時から会合を開いた。福田氏有利が伝えられる中、若手議員の一人は「人気のある麻生太郎幹事長を派閥の話し合いで引きずり下ろそうとしている」と危機感をにじませた。「国民は、昔の自民党に戻るのではと心配している」。山口俊一衆院議員は「国会議員の一人ひとりの良識と、地方に期待したい」と語った。
麻生氏の登場は会合が始まって約15分たってから。議員らはイスから立ち上がって出迎えた。
一方、額賀福志郎財務相が総裁選に意欲を示していた津島派は、派内の意見が分かれて迷走を続けた。午前中は、なお額賀氏を推す議員らが国会周辺のホテルなどに三々五々集まって作戦会議。最終的な意志を確かめに財務省に走る議員もいたが、結局、額賀氏は立候補を断念した。
[2007年9月14日13時45分 asahi.com]
昨日までは、麻生氏が有力ということでしたが、一夜にして今日はもう福田氏で決まりというような情勢です。
結局、麻生氏では安倍政権のイメージが残ってしまうし、幹事長として少しやり過ぎて敵を作ってしまったことで、反麻生の流れを生んでしまいました。
一方福田氏は、もともと森元首相がずっと推していた人ですし、安倍政権で非主流派となっていた派閥が乗り、そこに反麻生の人々などが結集した結果、麻生派以外ほとんど集まってしまいました。
次期総裁のもとでは衆議院の総選挙が行われることが予想されます。今の選挙制度では党執行部の力が強いですから、非主流派でいることは自分の選挙が苦しくなります。立候補すらできなくなるかもしれません。
国会議員にとっては選挙が一番大事ですから、勝ち馬に乗っておこうと考えれば、最大派閥が候補者を出すならば、それに乗るのが一番安心です。
麻生氏は、「政策論争もしないで話し合いで決まっていいのか」と疑問を呈しています。それも正論です。ただ、自民党とはそういう政党です。極論すれば、政策などどうでもいいのです。政権にしがみつければいいわけです。総裁も誰でもいいのでしょうが、今回の麻生氏はちょっと嫌われてしまったようです。
総裁選では、国民に投票権があるわけでもないのに街頭演説も予定されています。ほぼ結果が分かっているにもかかわらず、あと10日近くも自民党の総裁選を見させられることになります。
自民党の皆さん、国会が開会中なのですが。
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コメント
福田さん最有力というのは、すくなくともおとといまではなかったですよね。やっぱり派閥か。
投稿: natsu | 2007年9月14日 (金) 19時13分
natsu様
こんにちは。コメントありがとうございます。
福田氏で決まりのようです。町村派(森派)は自民党が終わるまで総裁の座は手放さないような気がします。
投稿: もそもそ | 2007年9月15日 (土) 18時45分
TBありがとうございます。
確かに、もう、今となっては総裁選は長すぎますね。少なくともそういう印象を与えてしまった。それほどに福田への流れは唐突というか、自民党的でした。
麻生・福田の両氏の政策論争になんて、大方の人間は期待していないでしょう。長い総裁選の間での見所は、麻生がそれだけ福田を切り崩せるかという点のみ。政策論争なんて上っ面だけのものということは、みんな知ってます。
それよりも、自民党は早く民主党と論戦をして欲しいものです。こちらは身の入った論戦にならざるを得ないでしょうからね。こちらに期待している人は多いのではないでしょうか。
投稿: 愚樵 | 2007年9月17日 (月) 06時03分
愚樵様
こんにちは。コメントありがとうございます。
所信表明演説後の首相の辞任やその後の総裁選を見ていると、自民党は国会での論戦を嫌がっているようにも見えます。
また、10月から始まる郵政民営化が凍結されないように引き延ばしたという説もあり得るなあ、とも思います。
いずれにしろ、自民党は国会を始めたくないようです。
投稿: もそもそ | 2007年9月17日 (月) 11時32分