使い道まで分かるわけがない
無料海上ガソリンスタンドを何としてでも続けたい政府と自民党は、とうとう国連を動かしました。ある意味で、日本政府の力も捨てたものではないと感動しました。ただ、努力する方向が少し違うようですが‥‥。
テロ特措法による給油・給水の問題は、本来、国連を動かすよりも国民に説明をして、国民の理解を得れば良いだけのように思います。
もちろん、そのためには情報の公開が必要です。
4年前のこんな情報が出てきました。
インド洋で活動する海上自衛隊の補給艦「ときわ」が03年、対イラク戦に参加した米空母キティホークに間接的に燃料を提供した問題に絡み、市民団体「ピースデポ」が20日、「『ときわ』から米補給艦に約80万ガロンを給油した」とする米補給艦の航海日誌などを明らかにした。日本政府は当時、キティホークがテロ特措法が前提とする対テロ活動にも従事していたとし、「給油量は20万ガロンで、瞬間的に消費してしまう量。イラク関係に使われることはあり得ない」と説明していた。
給油量の食い違いについて、ピースデポは「議論のためにも正確な情報を公開すべきだ」としている。
ピースデポが入手した文書には、アラビア海を航海中の米補給艦が03年2月25日午前、「ときわ」から約1万9000バレル(約80万ガロン)の艦船用燃料を受けた、と記載されていたという。米補給艦は同日午後、キティホークに給油したとされる。
防衛省の増田好平事務次官は「内容を確認していないのでコメントは控えたい」としている。
[2007年9月21日2時52分 asahi.com]
初めて知りましたが、自衛隊の補給艦は米国の補給艦に給油しているのですね。
つまり、イメージとしては自動車がガソリンスタンドに給油をしに来るのではなく、ポリバケツを持って灯油を買いに来る感じでしょうか。
そうすると、その灯油が何処で何のために使われるのかは分かりません。
2003年当時は、こういう説明をしていました。
イラク戦争に参加した米空母キティホーク(83、960トン)が6日午前9時、事実上の母港の米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に帰港した。1月23日の出港以来、103日ぶり。
トーマス・パーカー艦長は、キティホークの機動部隊がイラク戦争中、海上自衛隊から間接的に洋上で約80万ガロンの燃料補給を受けたことを報道陣に明らかにした。
またベーカー駐日米大使は岸壁で「日本政府や海上自衛隊の支援に感謝している。今後のイラク復興で日本は、人道支援で貢献してほしい」と語った。
イラク戦争でキティホークは、ペルシャ湾北部を拠点に活動。艦載機が500-2000ポンド(227-907キロ)の爆弾や、子爆弾が飛び散るクラスター(集束)爆弾をイラクに投下した。
[2003年5月6日 共同通信]
キティホークの艦長だけでなく、モフィット司令官という人物も燃料補給を受けたと発言していたようです。
当時の福田官房長官は次のように釈明しています。
米第5空母戦闘群のマシュー・G・モフィット司令官が海上自衛隊から燃料補給を受けたなどと発言した問題で、福田官房長官は7日午前の記者会見で、米軍が同司令官の発言内容を否定してきたことを明らかにした。
福田長官は、「米海軍から『海自から提供を受けた燃料をテロ対策特別措置法の目的以外に使用したことはなく、今後も使用しない。海自からの燃料をイラク攻撃に参加した米空母キティホークなど第5空母戦闘群の艦艇が使用したことは当然ない』との回答があった」と述べた。
[2003年5月7日13時46分 読売新聞]
前日の発言を撤回して、日本政府と米軍が口裏を合わせたことが見え見えです。
これに関しては、国会でも取り上げられています。
米海軍第5空母群のモフィット群司令が海上自衛隊から燃料提供を受けたと発言したことについて、石破茂防衛庁長官は7日の参院決算委員会で「米海軍に確認したところ、イラク攻撃に参加する米艦艇が海自から提供された燃料を使用したことはない」と否定した。山根隆治氏(民主)らの質問に答えた。
防衛庁によると、第5空母群の艦艇のうち、アフガニスタンでの作戦に参加した艦艇への燃料提供はあるが、イラク攻撃への参加艦艇には提供しておらず、米海軍にも確認したという。 モフィット群司令は6日、イラク攻撃から米海軍横須賀基地(神奈川県)に帰還した際、「海上自衛隊の補給艦からオマーンの海上で給油を受けた」と発言。テロ対策支援法ではイラク戦争での対米支援は認められておらず、防衛庁が米海軍に説明を求めていた。
[2003年5月7日18時51分 毎日新聞]
国会でも当時の石破防衛庁長官は否定をしています。
ただ、キティホークの艦長はイラク戦争中に、海上自衛隊から間接的に80万ガロンの燃料補給を受けたと言っています。
当時のベーカー駐日大使は感謝の言葉まで述べています。
そして今回それを裏付けるような資料が出てきました。
どうも当時の日本政府の説明は信用できなくなってきたようです。
ここは国民に対して本当の情報を公開するか、もしくは開き直るしかなさそうです。
「ガソリンスタンドの店主に灯油の使い道まで分かるわけがない。」
こんな感じでしょうか。
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