首相の命運を握るのは
来週から開かれる予定の臨時国会で最大の焦点になると言われているのが、テロ特措法の延長問題です。
週末に、このテロ特措法によりインド洋に派遣されている自衛隊による給油のうち、約85%がイラク戦争に使われているという情報が流れました。
これにより民主党の延長反対の姿勢がより強固なものとなるのは必至で、安倍政権にとってはさらにピンチになりました。
こういう状況の中で、新しい防衛大臣は次のように述べています。
高村防衛相は3日、都内で開かれた内外ニュース主催の講演会で、テロ対策特別措置法の延長問題について「(インド洋での海上自衛隊の給油活動が)続けられる方向になるのであれば、極端に言えば、野党の要求を、どんなことでも、聞いていく」と述べ、野党の主張に柔軟に対応する考えを示した。
[2007年9月4日 読売新聞]
これまでの経緯から、アメリカが日本のテロ特措法の延長を望んでいることは明らかですが、高村防衛相の発言からは、日本政府も何が何でも延長するつもりのようです。
それでは、日本政府はなぜそこまで延長したがるのでしょうか。
よく聞く理由が「延長しないと日米関係が悪化する」というものです。
実際に日米関係が悪化するかどうかは分かりませんが、テロ特措法を延長しないと何が起こるかを考えておくことは必要でしょう。
それに関しては、中曽根元首相が麻生幹事長と会談し、次のように述べています。
中曽根元首相は3日、就任あいさつに訪れた自民党の麻生太郎幹事長と会談した。10日召集の臨時国会で焦点となるテロ対策特別措置法の延長問題について、中曽根氏は「内閣の死命を制する重大問題。懇切丁寧に意を尽くして妥協を図るべきだ」と強調。延長反対を鮮明にしている民主党の理解を得るため、党と内閣が一体となって「国家的な危機の状態を突破して」と訴えた。
[2007年9月3日20時25分 asahi.com]
中曽根元首相も民主党と妥協して延長するようにと訴えていますが、延長によって日本にどんなメリットがあるのかは分かりません。
ただ、国家的な危機の状態であり、内閣の死命を制する重大問題だと認識しています。
どうやら、日本が得るものははっきりしないけれども、延長しないと安倍内閣が終わってしまうことだけは確実なようです。
安倍首相は7月の参議院選挙で大敗しても首相の座に居座り続けましたが、臨時国会でテロ特措法を延長できないと、首相を続けることはできなくなるのでしょう。
そのため政府を挙げて、何が何でも延長を目指すわけです。
結局明らかなのは、現在、日本の首相を決めているのは日本の国民ではない、ということでしょうか。
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