敬老の日に増税の話
昨日は敬老の日でした。日本には現在、100歳を超えているお年寄りが3万人以上いらっしゃるとのことです。
長生きすることは良いことですが、それで幸せかどうかはまた別の話です。やはり、年金や医療など国の社会保障制度がしっかりしていないと老後の生活は不安です。
その社会保障制度に関して、敬老の日の昨日、読売新聞の社説が取り上げていました。「敬老の日 社会保障の安定が老後の安心に」というタイトルなのですが、後半の部分だけ転載します。
年金制度は、給付を安定させるため、基礎年金の国庫負担割合を2009年度までに、3分の1から2分の1へ引き上げることが決まっている。ところが肝心の財源はいまだに見通しがつかない。
国民医療費は33兆円を突破した。費用の伸びを抑えるため、高齢者の窓口負担を引き上げたり、医療機関の診療報酬を削減したりしている。こうした医療費抑制策はおのずから限界がある。超高齢社会に必要な医療の財源は、きちんと確保しなければならない。
介護保険制度も、コムスンの不祥事を機に、介護現場の低賃金と、それに伴う人材不足という問題が浮かび上がった。不正請求を一掃し、無駄な給付の削減に取り組むなどしても、介護ヘルパーの待遇を十分に改善するのは難しい。
各制度の現状を打開し、財政基盤を強化するには新たな財源が要る。
それは広く薄く負担し合うしかない。消費税率の引き上げが必要なことは明白だ。ところが政治の場での議論は、一向に進まない。
不安の多い老後では、寿命が延びても喜べない。長寿は幸福、と言い切るには揺るぎない社会保障制度が必要だ。
[2007年9月17日1時36分 読売新聞]
揺るぎない社会保障制度のためには、消費税の引き上げが必要だと主張しています。確かにそれも方法の一つでしょう。自民党の機関紙ならばそれで良いのかもしれません。ただ、他にも考えるべきことはいろいろとあるはずです。
まず、できる限りの情報公開をして、各制度の不正や無駄をなくす努力をする必要があります。。
それから、現在の制度で続けていくことが良いのかどうか。
年金は3年前に100年安心と言っていながら、既に不安なものになりました。
介護保険も始まって7年ほどの間でさまざまな問題が出てきています。
これらは現在の制度が継続可能かどうかをなるべく早く見極める必要があるでしょう。
そして、最終的に増税が避けられないとしても、消費税の引き上げが唯一の方法なのかどうかも検討すべきです。
財政が苦しくなったら増税する。
それを簡単に許す新聞なら要りません。政治家も楽でしょう。
そんな政治でよければ誰でもできます。
多くの選択肢を用意して、その中からより良い政策を選んで実行する。
それこそが本当の政治ではないでしょうか。
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コメント
>そんな政治でよければ誰でもできます。
思わず「そのとおり…」と言いそうになりました。でも、よく考えるとなんか違うように思うんですよね…長い間、権力に胡坐をかき、二世だ、三世だと大きな顔ができる「社会」にこそ、問題がある…と思います。
彼らだから…誰でもできる…のであって、権力やジバン、カンバン、カバンに縁のない人が国会議員になれば、「もそもそさん」の言うような「少し考える政治」が実現するのではないでしょうか?
いずれにしても「国民」の平和な暮らしを破壊する「せいじや」どもは、早く権力の座から追放したいものです。
投稿: simanto114 | 2007年9月18日 (火) 14時42分
simanto114様
こんにちは。いつもお世話になっています。
自民党の総裁選を見ていても政策にほとんど違いはなく、現状を追認するだけでしょう。
この国はこのままでいつまで続けていけるのか、かなり厳しい状況に見えます。
自民党政権は誤魔化せるだけ誤魔化して、最後には、安倍首相のように全てを投げだしてしまうような気がします。
投稿: もそもそ | 2007年9月19日 (水) 08時45分