痴漢報道の危うさ
最近痴漢の報道を良く目にします。以前より件数が増加しているのかどうかは分かりませんが、女性が泣き寝入りしなくなったのが大きいと思います。反面、痴漢冤罪が問題になりつつあります。被害者の主張だけで現行犯で逮捕されますので、間違いも起きやすいわけです。
エコノミストの植草一秀氏が現在もその痴漢容疑で裁判中です。彼は、りそな銀行に関する疑惑を追及したのではめられた、と言われています。今のところ真偽のほどは明らかではありませんが、その可能性も考えられます。でっち上げやすい犯罪でもありますし。
被害者の狂言、勘違いだけでなく、犯人を取り違えたりして冤罪になるケースなどいろいろあるでしょう。
いずれにしても、逮捕された人は大変なことになります。
電車内で高校2年の女子生徒に痴漢をしたとして埼玉県迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕された国士舘大非常勤講師の野村高将さん(34)について、さいたま地検が嫌疑不十分で不起訴処分にしていたことが6日、分かった。
埼玉県警大宮署は野村さんが8月20日夜、JR埼京線の電車内で隣に立っていた女子生徒の体を触り、生徒と乗客が取り押さえたと発表。野村さんは否認していた。
野村さんは取材に対し「電車でうとうとしていたら、生徒に『痴漢したでしょ』と言われた。状況が分からなかった。8月31日に釈放された」と話した。
[2007年9月6日21時50分 nikkansports.com]
この記事からしますと、野村さんは否認していたにもかかわらず、被害者?の女子高生の証言だけで、11日間も勾留されていたわけです。
そして、おそらくこのニュースは警察が自ら発表したのではなく、どこかが調べて6日後に分かったものと思われます。
次の記事は少し品がないですが、これも微妙な事件です。
JR西日本の社員が阪急電鉄の電車の中で女性に下半身を露出して見せたとして公然わいせつの疑いで9日までに、兵庫県警宝塚署に逮捕された。
現行犯で逮捕されたのはJR西日本社員 I 容疑者(50)。調べによると、 I 容疑者は8日午後9時55分ごろ、阪急電鉄宝塚線の梅田発宝塚行き急行電車内の十三~豊中間で、座席に座っていた女性(34)の前に立ち、ズボンのファスナーを下げ、おもむろにイチモツを露出した。ファスナーを下げるときは無言だったという。当時、車内は満員ではないが、空いている座席はなく、立っている人も多い状態だった。先頭車両から2両目に乗車していた女性は乗務員が2人いた運転席へ行き、通報。運転していなかった乗務員が“開チン”現場へ駆けつけると、 I 容疑者がその場にいたため、取り押さえた。
I 容疑者は雲雀丘花屋敷駅(兵庫県宝塚市)で宝塚署員に引き渡され、公然わいせつの現行犯で逮捕された。
調べに対し、 I 容疑者は「認識がない」と容疑を否認している。酒に酔っていたという。 I 容疑者は同県西宮市生瀬武庫川町に住んでおり、最寄りの駅はJR宝塚線「生瀬」。阪急宝塚線とJR宝塚線は途中から平行して走っているが、大阪を起点にした場合、帰宅するにはJR宝塚線を利用したほうが便利。帰宅する方向は合っているが、なぜ I 容疑者が阪急電鉄を利用したのかは不明。しかも競合するライバル社の車内での“開チン”。同署は詳しいいきさつを調べている。
[2007年9月10日10時0分 日刊スポーツ]
こちらも容疑者は否認しています。被害者が何かと見間違えたかもしれません。こういう場合に決め手となるのは目撃証言ですから、女性が目撃したというものの特徴を述べ、検証するくらいしかないでしょう。笑い話のようですが、特徴がはっきりしているといいのですが‥‥。
「ファスナーを下げるときは無言だったという」これは何のための情報でしょうか、よく分かりません。
そんなことはともかくとして、この記事はほとんど警察発表のままだと思いますが、この記事で問題だと感じたのは容疑者の勤務先が書かれ、住所も町名まで書かれ、実際の記事では実名まで書かれていることです。
先の記事の例にもあるように、痴漢の事件は冤罪も多いですし、容疑者が否認している段階でここまで発表してしまうのはどうなのでしょうか。
皆様もご用心下さい。
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コメント
本人の手記がここにあります
http://www.japancm.com/sekitei/
投稿: | 2007年9月23日 (日) 08時02分