政権担当能力とは
参議院が与野党逆転したことで、臨時国会で最大の問題となるのがテロ特措法の延長だと言われています。
民主党の小沢代表はすでに「今まで我々が主張した通り。反対したのに、今度、賛成というわけがない」と表明しています。
これに対し、8月3日の読売新聞が社説で批判をしています。
日米同盟や日本自身の安全を真剣に考えれば、安易に反対はできないはずだ。
民主党が、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に早々と反対を表明している。政権を目指す責任政党が取るべき対応ではない。ぜひ再考すべきだ。
政権を目指す責任政党ならば、テロ特措法に賛成しろということのようです。次に、この社説の最後の部分を引用します。
読売新聞の世論調査では、民主党の政権担当能力について「ない」との回答が46%で、「ある」の36%を上回った。
日本の平和と安全にかかわる外交・安全保障で責任ある態度を取れないようでは、政権担当能力が疑われる。特措法改正案への対応は、民主党にとって重大な試金石となる。
どうも、テロ特措法改正案に賛成しないと、民主党には政権担当能力がないということになりそうです。
そもそも政権担当能力とは何でしょうか。
ある人物がこの読売新聞の社説と同様の発言をしていますので、引用します。
民主党の前原誠司前代表は4日午前の読売テレビの番組で、 11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長について「必要だと思う」と述べ、反対する方針を表明した同党の小沢一郎代表に異論を唱えた。
同法の延長問題は、参院の与野党逆転下で迎える秋の臨時国会の最大焦点。前原氏は「(延長反対で)米国との関係をまずくするのは、まさに政権担当能力が問われる」として、対米関係重視の観点から前向きに対応すべきだとの考えを示した。
一方で前原氏は、民主党が過去の与野党協議で国会の事前承認を求めた経緯を説明するとともに「(自衛隊活動に)どういう効果があったのか、政府は説明責任を果たしてこなかった」と指摘。「与党も今までのように、ポンと出して認めろということではなく、知恵を出してもらいたい」譲歩を求めた。
[8月4日 時事通信]
民主党の前原氏によれば、米国との関係が悪化すると、政権担当能力が問題視されるようです。さすがに安全保障問題のエキスパートですね。分かりやすい説明です。
つまり、前原氏や読売新聞の主張からすると、この国の政府には対米従属外交以外は認められていないのだ、ということです。
または、アメリカ様に反対したら、この国では政権を維持することはできないのだ、ということでしょう。
結局、日本の政権の政権担当能力は、アメリカが評価することのようです。
少なくとも、前原氏や読売新聞はこのように考えているようです。そして、今までの自民党中心の政権もアメリカの顔色をうかがいながら、ずっと対米追従でやってきました。
安倍首相周辺やその応援団は、今回の参議院選挙の敗因を、政策を否定されたのではなく、あくまでも年金や政治と金の問題だと思い込みたいようです。
ただ、私はアメリカ一辺倒の外交姿勢に疑問や不安を抱いている国民はかなり増えていて、そういう姿勢に対する批判票も今回は少なからずあったと思っています。
そして、今後この傾向はどんどん強くなっていくでしょう。
前原氏もそのあたりを少し考えておいた方が良いですよ。
とにかく、日本の政権の政権担当能力は日本の国民が決めることです。
それから、読売新聞では安倍政権の政権担当能力については触れていません。
選挙結果から考えると、民主党より厳しい数字が出そうな気もしますが。
読売新聞さん、今度調査してみませんか?
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コメント
民主党の前原氏のテレビ大新聞への露出は、アベ政権の復活戦略の一環のようです。今後、テレビ大新聞と共謀し、テロ特措法の民主党の反対をバッシングし、民主党に送り込まれた草である前原一派の離党、自民公明合流、民主党を政権担当能力が無いとして、誹謗中傷して、衆議院解散する流れが、水面下で、米国政府主導で進められているそうです。郵政民営化と同じ空気を、テレビ大新聞が捏造するのでしょう。我々日本国民が、本当に平和、主権在民を望むのなら、これらの情報操作、世論誘導に騙されてはいけません。詳しくは、森田実氏の時代を斬るに、掲載されています。
投稿: scotti | 2007年8月 7日 (火) 11時19分
scotti様
こんにちは。コメントありがとうございます。
森田実氏には私もいつも注目しています。
8月8日に関連した記事を書いてみました。
今後もテレビの動きは注目していないといけないでしょうね。
貴重な情報をありがとうございました。
投稿: もそもそ | 2007年8月 8日 (水) 15時46分