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2007年8月 2日 (木)

言論の自由の復活

ここだけの話ですが、小泉政権が発足した当時、私は小泉内閣を支持していました。自民党の政権を支持していたのは、後にも先にもその頃だけです。今となって思えば、「自民党をぶっつぶす」という言葉に期待して騙されていたわけです。(今回、本当に壊れたという説もありますが‥‥)

おかしいと思いだしたのは、田中真紀子氏が外務大臣を更迭された頃からです。田中氏は、小泉政権の誕生に最大の貢献をしたのですが、彼女に対する冷酷さに小泉政治の本性を見たような気がしました。その後は小泉氏の無責任さや、アメリカ追従一辺倒の外交姿勢などが明らかになり、私は一貫して不支持となりました。

今回の参院選での自民党の惨敗に関して、右寄りのブログでは「偏向したマスコミの自民党バッシングのせいで負けた」と言っているものもあります。
確かに小泉内閣の頃と比較して、安倍内閣はマスコミにより批判されることが多いと思います。
ただ、それは問題のある閣僚が多いことや、マスコミは本来権力を監視するのが役割ですから、当然のことと言えます。

弱体化した安倍内閣はマスコミにとって、ますます批判しやすくなるでしょう。
それは、マスコミと権力が癒着するよりはるかに良いことだと思います。

小泉内閣から、安倍内閣の初期までは、明らかにマスコミが政権批判を恐れていました。特に小泉批判、アメリカ批判はタブーなのでしょう。
小泉以降安倍時代は「国策捜査」、「国策逮捕」、怪しげな自殺、と思われる事件が多々ありました。
これらの事件は、全貌が明らかになることはなく、うやむやに終わっています。
その中にはマスコミ関係者にも自殺者や逮捕者が出ています。

深入りすると自分の身が危ない、今まではそんな世の中だったような気がします。
しかし、そういう雰囲気が参議院選挙を契機として、変わってきたのかもしれません。
昨日の赤城農水大臣の更迭に関して読売新聞の夕刊に一つのコメントが出ていました。


  安倍政治の犠牲者

赤城氏は安倍政治の犠牲者とも言える。安倍首相は任命責任を問われたくないため、ボロボロになるまで赤城氏を辞めさせなかった。安倍首相は、参院選大敗の責任を自分自身は取らずに、側近を切り捨てることで乗り切ろうとしている。しかし、落選した人たち、参院選を戦った党の地方組織、自民党と同様に議席を減らした公明党など、今後、安倍首相に対して厳しい声があがり、四面楚歌に追い込まれるだろう。
[8月1日 読売新聞 夕刊]


以上は政治評論家の森田実氏のコメントです。

森田氏と言えば、小泉内閣時代に小泉政治を批判したことにより、それ以降長いことマスコミでは発言の機会がない状況でした。
それが今回、政権寄りと言われる読売新聞が森田氏に意見を求めたということは、政治の流れが変わってきたということでしょうか。

小泉政治が終わってそろそろ一年近くになります。
「もの言えば唇寒し」という時代がやっと終わりそうです。

まだ油断はできませんが、言論の自由の復活まであと一歩のところまで来ています。

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