経済・政治・国際

2008年3月11日 (火)

都民の税金で責任回避

マイクロソフトのビルゲイツ会長には6兆円もの資産があるということです。その資産の中から1000億円をどのように使おうと彼の自由です。
もし彼が、それを貸し倒れを覚悟の上で、資金繰りに困った中小企業に貸し出したとすれば、一つの美談といえるかもしれませんが、それを東京都が税金を使って行うとすれば、貸し倒れが美談になることはあり得ません。

もちろん、石原慎太郎都知事が自らのアイデアで創めたという新銀行東京の話です。
既に出資した1000億円が危険な状況になっているだけではなく、彼は、さらに400億円の追加出資を求めて、都議会の理解と協力を要望しています。
もっとも、彼の場合は要望というよりも、脅しに近い口調ではありますが‥‥。


新銀行東京:清算なら新たに千億円必要 野党は反対姿勢

経営不振に陥った「新銀行東京」について東京都は11日、事業清算した場合に預金の一斉払い戻しなどに対応するため、新たに都から1000億円の貸し付けが必要になるとの見解を示した。都議会予算特別委員会で明らかにした。都は再建のため400億円の追加出資を検討しているが、清算すればそれ以上に多額の公費投入が必要になるとするもので、石原慎太郎知事は追加出資について「伏してでも理解と協力をお願いしたい」と訴えた。

一方、野党側は「多大な累積赤字を抱えている負の遺産しかない銀行であり、再建しても中小企業の支援を果たせるとは思えない」と反対姿勢を明確にした。

同委員会で都側は、事業清算が決まった場合に「取り付け騒ぎ」が起こる恐れがあると説明。新銀行の預金残高は約4000億円だが、有価証券などすぐに現金化できる流動性が高い資産を処分しても約1000億円が不足し、この分を都の貸し付けで補う必要が出るという。仮に破綻(はたん)処理が行われ、1000万円超の預金が保護されないペイオフの対象となるのは法人・個人で計9610件、477億円に上るとしている。

さらに、都は同委員会で、09年3月期に新銀行の自己資本比率が国内営業基準(4%以上)を切るとの見通しを示した上で、追加出資400億円の根拠を説明。内訳は▽自己資本の維持に必要な80億円▽貸し倒れ引当金だけでは補えないリスク対応に必要な280億円▽風評による損失などのリスクへの備え40億円などとした。

都は、07年12月の融資先の中小企業約1万3000社のうち、5635社(約43%)が赤字・債務超過企業であるとし、新銀行がなくなればこれら企業の破綻につながると指摘。従業員や家族などに多大な影響を与えるとも主張した。【木村健二】

[毎日新聞 2008年3月11日 19時53分]


都道府県の情報公開ランキングで失格している東京都も、この問題では追加出資を求めるために、さまざまな情報を出してきています。
もっとも見積もりの数字などは、当てにできないとは思いますが‥‥。

この問題の一番の責任者が石原都知事であるのは、本人がどんなに責任を回避しても、当然のことです。
ただ、今はそのことには触れないでおきます。


当時、銀行が貸し渋りをしていた中小企業を救済するために融資を行い、経済を活性化させるというのは、それ自体は悪くない考えだったかもしれません。
しかし、その後も日本の経済が停滞を続けたため、新銀行東京の融資が不良債権化していったとも言えます。
ある意味で、自公政権の経済無策の被害者なのかもしれません。

それでも、他の銀行が融資しない中小企業に貸し付けるということは、当然、貸し倒れの危険性が高いはずです。
そのくらいは誰でもわかります。
ということは、新銀行東京は最初から儲けるつもりがあったのかどうか、私には甚だ疑問な訳です。


つまり、この銀行を設立する目的が、中小企業に融資するためと言いながら、都民の税金をどこかに還流させたり、ある特定の企業を救済するためだったのではないか、などと勘繰る声が出るのも仕方がないかな、と思います。

先ほどテレビのニュースで、他の銀行が預金に0.1%以下の金利しか付けていなかった頃に、新銀行東京は1%もの金利で預金を集めていたとのことです。
これで、あまりにも早く破綻をすれば、預金者にとってはほとんど詐欺のようなものです。
石原氏も自分の任期中は何としても、逃げ切りたいのでしょう。


今や、1000億円が風前の灯です。
石原氏は、自分が逃げ切る時間を稼ぐために、さらに400億円を使おうとしています。
それが自分の金であれば、私も文句は言いません。
ただ、そのお金は都民の税金なのです。


アメリカではビルゲイツ氏が6兆円もの資産を持っているそうです。
日本でも、石原慎太郎氏クラスになれば、1000億円程度はポケットマネーでしょう。

でも、自分のものは舌も出さない‥‥‥か?

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2008年3月 6日 (木)

究極の自己責任

小泉内閣の頃からでしょうか、自己責任という言葉がよく聞かれるようになりました。
全ての国民が全ての行動を自己責任で行えれば、それはそれで良いのかもしれませんが、生活を続けていく中で、さまざまな点で公的な補助が必要になることがあるものです。

それに対して、国や自治体などが自己責任という言葉で突き放した場合、どのような事態が考えられるでしょうか。
その一例のような事件が今日の毎日新聞に載っていました。


殺人:妻子3人を絞殺か 「生活困窮」遺書残し男性重傷--浜松

5日午前10時15分ごろ、浜松市東区小池町の配管工、大岡直樹さん(43)方2階寝室で、一家4人が布団に並んで倒れているのを知人の通報で駆けつけた静岡県警浜松東署員が見つけた。妻の美容師、木綿子さん(41)▽長女で市立与進北小4年、日菜乃さん(10)▽長男で同1年、拓実君(7)--の3人が死亡し、大岡さんも重傷。大岡さんは殺害を認め、同署は大岡さんから殺人容疑で事情を聴く。

調べでは、3人の首には手で絞められたような跡があり、大岡さんが書いた「生活に困窮し行き詰まった」という内容の遺書が見つかった。【平林由梨】

[毎日新聞 2008年3月6日 東京朝刊]


これは生活苦による一家心中事件だと思われます。
もちろん、この国の政府や自治体が「生活困窮者は死ね」といっているわけではありません。
それでも、現在の日本では、生活が苦しくなると一家心中をするというのが選択肢の一つであるのは間違いないようです。


もう一つ、悲惨な事件が同じ3月5日にありました。
こちらも毎日新聞から引用します。


殺人:寝たきりの妻を絞殺、87歳夫を逮捕 千葉・鴨川

寝たきりの妻を絞殺したとして、千葉県警鴨川署は5日、同県鴨川市京田の無職、岩波武容疑者(87)を殺人容疑で緊急逮捕した。 

調べでは、岩波容疑者は同日午後4時ごろ、自宅寝室で眠っていた妻ゆうさん(82)の首を浴衣の腰ひもで絞めて殺害した疑い。ゆうさんは13年前の交通事故の後遺症で寝たきりで、岩波容疑者も昨年から介護疲れで体調を崩していたという。調べに「家族にこれ以上、迷惑を掛けたくなかった」などと供述しているという。

岩波容疑者は▽ゆうさん▽息子(58)▽中学生の孫(14)の4人暮らしで、帰宅した息子が同署に通報した。【神足俊輔】

[毎日新聞 2008年3月6日 東京朝刊]


こちらは、介護に疲れた87歳の夫が寝たきりの82歳の妻を殺したという事件です。
誰しも長生きはしたいものですが、87歳まで生きてきて、殺人犯になるというのも哀しいものです。

介護に疲れたお年寄りが殺人者になってしまう社会。
我々は今、そういう国に住んでいるのです。


おそらく、事件のような生活苦の一家や介護に疲れた老人が頼るべき何らかの制度は、国や自治体に用意されているのかもしれません。
それでも、そういった情報が必要とする人々に行き渡らなければ何もないのと同じことです。
まして、自己責任などという言葉が権力者側から発せられてしまえば、国民が社会に対して絶望してしまうのもやむを得えないことでしょう。


一家心中や妻殺しは決して褒められることではありませんが、家族や夫婦を一つの組織として見ると、その自己責任の取り方としては究極のものであるのかもしれません。

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2008年1月12日 (土)

国民だけが止められる

いまさらですが、この国は民主主義国なのでしょうか。
少なくとも欧米でいわれるような民主主義でないのは明らかです。
最終的に多数決はやむを得ないとしても、自公の議員たちが事態の重大さを認識していないところに恐ろしさを感じます。


補給支援法が成立 57年ぶり、衆院再議決
 

今国会の与野党攻防の最大の焦点だった補給支援特別措置法が11日、参院本会議での否決後、衆院本会議で再議決され、自民、公明両党などの3分の2以上の賛成で可決・成立した。憲法59条の規定に基づき、参院で否決された法案が衆院で再議決されて成立したのは57年ぶり。政府は来月中旬にもインド洋での給油活動を再開する。民主党など野党は再議決を批判したが、首相の問責決議案提出は見送り、対決は18日召集の通常国会での予算案や予算関連法案を巡る攻防に移る。

福田首相は「我が国が『テロとの闘い』に再び参加できることは誠に意義深い」との談話を発表。再議決という異例の手段について「例外的といえば例外的」としながらも、「国会状況からやむを得ない」と記者団に語った。

同法は11日午前、民主、共産、社民など野党が多数を占める参院本会議で、賛成106、反対133で否決された。しかし、衆参で議決が異なった場合、衆院で出席議員の3分の2以上の賛成で再可決すれば法律が成立すると規定した憲法59条に基づき、同日午後に衆院本会議で再議決が行われた。自民、公明両党などの賛成が340、反対133で、賛成票が投票者の3分の2にあたる316票を上回ったため、同法が成立した。民主党の小沢代表は採決直前に退席し、投票には加わらなかった。

参院の否決を受けた衆院の再議決は、1951年のモーターボート競走法以来。「直近の民意」を反映した参院での否決を、与党が小泉政権下の05年の郵政選挙で得た3分の2以上の議席で覆したことで、二院制のあり方を巡る議論にも一石を投じそうだ。

与野党の激突で解散総選挙の可能性も取りざたされた臨時国会は、会期末の15日を待たずに、事実上閉幕した。与党は通常国会で、3月末で期限の切れる揮発油税(ガソリン税)の暫定税率を維持するための法案でも「3分の2カード」を使う構えだ。

[2008年01月11日22時32分  asahi.com]


参議院で否決された法案を、衆議院での3分の2を超える数で再議決して成立させる。
これが憲法で認められているといっても、実際に行うかどうかは政治的判断、センスの問題です。

与党は3月で期限の切れる揮発油税の暫定税率を維持するためにも、また再議決をする構えだとのことです。
呆れてものが言えません。
日本の民主主義は終わりました。
もっとも、既に終わっていたという説もありますが‥‥。


安倍内閣はひたすら強行採決を連発しました。
安倍内閣時代は、自公政権が衆参ともに過半数を占めていましたから、まともな法案であれば何も強行採決をする必要はなかったはずです。

今の福田内閣は参議院で過半数を割ったために、その強行採決もできなくなってしまいました。
そこで、衆議院での再議決となるわけですが、これも安倍時代と同様でまともな法案であれば再議決などは必要ないのです。
実際、薬害肝炎の被害者を救済する法案は与野党の賛成で通っていますから。

まともな法案は「ねじれ国会」でも通ります。
つまり、再議決しなければならない法案は、どこかに無理があるわけです。
そういう無理を、今後も自公政権は続けるつもりのようです。
衆議院で3分の2を超える議席を持っている自公が、何もかも再議決をしてしまえば、それを止めることは野党にはできません。


今回の再議決の際に、民主党の小沢代表が席を外したことが野党からも批判されているようです。
確かに、それは批判されるような行為だと思います。
ただ、その批判も事の重大さを見失うことがあってはいけません。

誤解を恐れずに言えば、小沢氏の行動は与党の再議決に比べれば、取るに足りないことだと思います。
それだけ責任の重さが違います。
その責任の重さに応じて批判もされるべきでしょう。


結局、国会で与党が数で勝負に出た場合、野党に勝ち目はないのです。
そういう強権的な自公政権を止められるのは、今後は再議決は許さないという国民の意識しかないのだと思います。

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2008年1月11日 (金)

三倍の負担はかなり厳しい

久々の更新です。いつの間にか年が変わっていました。
年末に怪我で入院した父親が、一時心臓発作を起こして内科に転院するなど、忙しい年末年始を過ごしていました。

ただ、実際はブログを書く時間がなかったわけではなく、自分の体調もあまりすぐれないこともあって、書く気力が湧かなかったというのが正直なところです。
政治批判などは、自分自身と周囲の人たちの健康があって初めて書けるものではないかと思います。


更新が滞っている間にも、多くの方々にアクセスをしていただきました。
また、喜八さん、うみおくれクラブ・ゆみさん、kaetzchenさんからは暖かいコメントをいただきました。
そして、多くのトラックバックをくださった方々にも感謝致します。
皆様、どうもありがとうございます。


さて、入院している父ですが、おかげさまで快方に向かっており、物につかまれば歩けるくらいになりました。うまくすれば、今月中に退院できるかもしれません。

今回、入院や転院の手続きなどはほとんど私がやったのですが、つくづく思うのは、老人の場合の医療費の窓口負担が一割、というのが本当に助かるということです。
当然のことですが、三割負担ですと自己負担が三倍になりますから大変です。
もちろん支払総額が、単純に三倍になるわけではありませんが‥‥。

この国の場合、財政が厳しいという理由で、窓口の自己負担を増やそうとする方向に進んでいます。
そういう政治、そういう政権はもう捨てませんか?
あらためて私の中で、こういう思いが強くなってきました。


最後に、父親の世話や自分の体調などの関係で、今後も更新は不定期になるかもしれませんが、今年もどうぞよろしくお願い致します。

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2007年12月19日 (水)

世界の流れに逆らって

地球は徐々に温暖化しているといわれていますが、今年の日本の冬は結構寒いです。
それでも地球規模で温暖化対策をしなければならない、ということが多くの国で合意されています。
中には温暖化対策に消極的な国もありますが‥‥。

地球規模で進んでいるといえば温暖化のほかにも、死刑制度の廃止、若しくは執行の停止があります。
日本では死刑は当然の刑罰という感覚がありますが、世界中で昨年死刑が執行された国はわずか25カ国にすぎないというデータもあるようです。


孤立深める日本 「死刑停止」の国連決議で

国連が18日、死刑の執行停止を求める総会決議を初めて採択した。「世論の高い支持」を理由に死刑制度を存続している日本は、今年は年間で77年以降最多となる9人の死刑を執行するなど、世界の潮流とは逆行。国際的な孤立を深めている。

「世論には死刑制度や死刑執行にかなりの支持がある。国連の決議があっても我が国の死刑制度を拘束するものでは、まったくない」。決議を前にした18日の閣議後の記者会見で、鳩山法相は語気を強めた。「死刑を存続するかしないかは内政の問題だ」という政府の立場を改めて強調するものだ。

凶悪犯罪に対して厳罰を求める声を背景に、このところ日本では死刑執行のペースが上がる傾向にある。鳩山法相は今月7日、3人の死刑を執行した。前任の長勢法相の執行人数も在任10カ月余の間に10人を数えた。鳩山法相の「死刑自動化」発言をきっかけに法務省内に執行のあり方を検討する勉強会ができたり、執行対象者の氏名を公表したりする動きはあるが、執行停止や制度廃止に至る論議は低調だ。

[2007年12月19日12時28分 asahi.com]

  • 日本の世論が死刑制度や死刑執行にかなりの支持がある
  • 国連の決議があっても日本の死刑制度を拘束するものではない
  • 死刑を存続するかしないかは内政の問題

鳩山法相のこれらの発言は全て仰る通りなのですが、これではなぜ日本政府が死刑を続けているのか説明になっていないと思います。

つまり、世論の支持や国連の決議はそれなりに意味はありますが、政府がそれらに縛られる必要性があるわけではありません。
ということは、死刑存続は政府の意志であるというわけですが、鳩山法相はその理由を語ってはいません。


いろいろなブログなどで見る限り、死刑に賛成している人々のその理由は、ほとんどが被害者やその遺族感情を考えてのことのようです。
人の命を奪ったものは自らの命を以て償え、ということだと思いますが、本当に死刑という方法を選ぶしかないのでしょうか。

現在のこの国では、遺族に代わって国が敵討ちをして、それだけでおしまいという感じがしますが、既に死刑を廃止している国々が、遺族感情のケアや金銭的な補償などをどのようにしているのかを調査・研究し、死刑以外の方法も考えてみることも必要なのではないかと思います。
少なくとも、それが今の世界的な流れです。


私は死刑には反対だと以前から表明していますが、死刑反対派の中では過激派(というものがあれば)に属すると思います。
というのは、刑事訴訟法475条では、死刑は判決確定後、法務大臣の命令により6カ月以内に執行することが定められていますが、現実に6カ月以内に執行される例はないようです。
つまり、法務大臣が法律を守っていないのですが、私はこういう法律がある以上6カ月以内に執行すべきだと思います。

それではなぜ、法務大臣は6カ月以内に執行命令を出さないのでしょうか。ぜひ、納得のいく説明を聞いてみたいものです。
もし、どうしても6カ月以内にできないのであれば、法律を改正しておくべきでしょう。法務大臣による法律違反の状態はまずいですから。
いずれにしても、多くの法務大臣にとって、死刑の執行はできれば避けたいことなのだと思います。

冒頭にも書きましたが、昨年死刑を執行した国は25カ国だそうです。
その中には、日本も含まれています。
日本政府は最後の1カ国になっても死刑を存続させるつもりでしょうか。


もし、そこまでの決意があるのなら、ある意味で尊敬してしまいますが‥‥‥。

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2007年12月18日 (火)

知名度の差は致命的か

来年の1月に大阪府知事選挙が行われますが、12月1日の記事立つのは弁護士か司会者か予想した通り、某弁護士が立候補することになりました。
そして本日、彼は自民党と公明党に推薦してもらうために、公約の原案というものを発表しました。


「子どもが笑う」「職員が汗をかく」 橋下氏が公約原案発表

来年1月10日告示、同27日投開票の大阪府知事選で、弁護士でタレントの橋下徹氏(38)は18日午前、「子どもが笑う」などをテーマにした公約原案を発表した。子供が育ちやすい環境にするため、低・中所得者のために出産補助や子供がいる世帯の公営住宅家賃減額などで集中投資する一方、府の出資法人すべてを民営化するなど財政再建することも盛り込んだ。今後に数値、年次目標を入れて告示までに完成させる。

発表した原案は「私の大阪元気プラン」。橋下氏は「すべてに数値目標を設定するのは不可能で、マニフェストではない」としている。大阪を特徴づけるために「子どもが笑う」「職員が汗をかく」をテーマに挙げた上で、活性化のための産業施策は、知事が行政権限がある大阪市などにプランを説明し、府内で広く実行するとしている。

具体的政策では、子供の成育や教育環境を整えるために、子育て、教育に集中投資し、出産や産科医への補助、子供がいる世帯の公営住宅家賃の大幅減額、府立高校の学区制撤廃などをあげた。さらに、職員については、若手職員らを集め、成果が出れば、「大胆な昇進を行う」とした。このほか、知事の退職金50%減額などを掲げている。

橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。大阪を元気にすることを目標にした」と話した。

一方、橋下氏は同日午前、公明党府議団と面会し、原案を説明した。自民、公明に推薦を求めており、午後には自民党府議団とも会い、同様に政策調整する。今後も自公と協議を重ね、公約を完成させるが、推薦できるかどうか事実上の“面接”にもなっているといえそうだ。

[2007年12月18日12時04分 産経新聞]


橋下氏は「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。」と言っています。大丈夫ですかね、この人は。
民営化を進め、弱者に対する予算を削る。
これではまるで「小泉カイカク」ですね。
この人は、大阪のコイズミでも目指すつもりなのでしょうか。

また、数年前ならともかく、格差に対する手当をどうすべきか問題になっている今、それも選挙前にこういう発言をするこの人を、自民党・公明党は本当に推薦するのでしょうか。


そもそも、大阪府議会議員レベルでは、自民・公明は民主との相乗りを望んでいたはずです。それだけ与党でいたいという思いが強いわけです。
おそらく今でもできるならば、相乗りをしたいのではないかと思います。

それは、民主党が推薦する大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏が意外と強敵になりそうなのでなおさらでしょう。
聞くところによりますと、熊谷氏は学生にも人気があり、地元の経済界にも顔が広いそうです。
橋下氏が立たなければ、自公両党は堂々と熊谷氏に相乗りができたのですから、その方が良かったと、かなり多くの人たちが今でもそう思っていると想像できます。


それでも選挙ではおそらく橋下氏が有利だと思います。
それだけ知名度の差というものは大きいです。
私がそのように考えるのは、今年4月の東京都知事選挙の経験があるからです。

早々と出馬を表明していた現職の石原氏に対し、浅野氏が立候補を決めたのは投票日の一ヵ月前でした。
それでも告示前までには、二人の差はかなり詰まっているといわれていました。
しかし、この国の選挙は不思議なもので、告示後、選挙期間に入ると選挙前と違って、全く静かになってしまいます。

その結果として、選挙期間中には知名度の差は縮めることはできません。
まさしく知名度の差は致命的なのです。
そして、今回の大阪府知事選挙の告示前の期間が年末年始にあたることも大きく、マスメディアで政治の話題が取り上げられるのもかなり控えめになるものと思います。
出遅れた候補者が知名度を上げていくのは、かなり難しい状況です。


橋下氏にとって落とし穴があるとすれば、自民党の国会議員達が応援しに行くことでしょうか。
国政でジリ貧状態のこの人たちは何かで実績を上げようと必死ですから、国政選挙並みの応援をすることが考えられます。
そういう状況になれば大阪府民の反感を買うかもしれません。


ぜひ福田内閣をはじめ、自民党には全力で橋下氏の応援をしていただきたいものですね。

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2007年12月17日 (月)

実感した医療崩壊の深刻さ

先週の土曜日、12月15日に父が足に大怪我をして帰ってきました。畑で農作業をしていて機械に触れたとのことで、大量に出血をしていました。
私はその血の多さを見て動転し、「救急車を呼ぼう」と言ったのですが、本人が「近くの外科に行く」と言い張るもので、仕方なく殆ど歩けない父を車の助手席に乗せ、病院へ連れて行くことになりました。

それは土曜日の午後4時頃のことでしたが、行った先の病院は土曜日の午後は休診ということでした。
それでも運よく看護師さんが3人ほどいて、所用で近所に出かけていた院長に連絡をしてくれたおかげで、午後5時頃から手当をしていただくことになりました。
結局、午後7時頃までかかって、両足を全部で60針ほど縫い、2週間くらい入院する必要があるということです。


そこの病院の院長はなかなか面白い方で、待合室に自分の書いた論文を冊子にして置いていて、患者やその家族などが自由に持ち帰れるようにしているのですが、そのタイトルが「自民・公明連立内閣により、老人・低所得者見離しの最悪な医療制度の時代がやってきた。」というものなのです。

内容を一言でいいますと、医療という面からの小泉内閣批判です。
冊子を一部いただいてきましたので、そのうち、このブログで少しずつでも紹介してみたいと思っています。


処置を施していただいた後に、その院長と少しお話をする時間があったのですが、その中で一番印象的だったのが救急患者のいわゆる「たらい回し」のことです。
この話題に関しては、ちょうど12月6日の記事
救急車で何処へ行くで取り上げたばかりなのですが、院長の話によりますと、どうも実態は報道よりも酷いもののようです。

つまり、報道されるのは患者が亡くなったりするような特殊な場合であって、そこまで至らないケースは普通に起こっているようです。
つい最近、院長のところにも20件目くらいに問い合わせがきた患者があって、その患者は浅草から来たのだそうですが、浅草からその病院まではまっすぐ来ても15~20分くらいかかる場所なのです。

また、この院長は体制が整ってさえいれば救急患者は受け入れるとのことですが、一度看護師が一人しかいなかった時に断ると、その患者は最後には越谷の病院まで行ったとのことです。
越谷というのは埼玉県ですし、30分はかかると思います。

院長は、私の父があの怪我の状況で越谷まで連れて行かれたら、「死んでしまうよ」と言っていました。
東京でも運が悪ければ、最早こういう状況のようです。

以前の記事でも書きましたが、これは個々の病院を責めることでは解決しません。
病院の設備や医師、看護師を救急患者のために用意しておかなければ救急車はどこまでも走り続けることになるのです。


いわゆる「たらい回し」は、新聞で読んでいる限りは他人事でした。
それが今回、身近な人間が救急車を利用しそうな状況になり、日本の医療の現状の一端を知ることになりました。


おそらく、この国の医療はマスコミが報道するよりも、かなり深刻な状況になっていることは間違いないようです。

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2007年12月14日 (金)

エピローグへの再延長

臨時国会の会期が来年1月15日まで31日間、再延長されることになりました。
これは全て、与党の勝手な都合によるものですが、国会を一日開くと3億円かかるともいわれています。
今回は31日間の延長ですから、これで約100億円が新たに税金で負担されることになります。

必要であれば国会を延長することはやむを得ないとは思いますが、今回はほとんど、新テロ対策特別措置法案を成立させるためだけの延長だということです。
再延長により、参院が新テロ特措法案を採決しない場合でも、「参院が60日以内に議決しない時は、否決とみなすことができる」との憲法の規定を使い、衆院で3分の2の多数で再可決することが可能となり、法案の成立は確実となりました。


野党各党は「会期内に成立しなかったのは政府の責任だ」などと再延長には反対していました。
それは、7月の参議院選挙後すぐに審議入りしていれば、11月1日までには法案は楽に可決することができたからです。

しかし、安倍前首相が外遊へ行ったり、突然辞めたりした上に、自民党が勝手に総裁選まで始めてしまうなどして時間が空費され、とうとう法律の期限が切れて給油船は帰ってきてしまいました。
つまり、政府・与党がこの法案を本当に成立させたいのであれば、時間はいくらでもありました。
そういった点で野党の政府批判にも理由があるわけです。

それでも今回の臨時国会の再延長は、福田首相の新テロ特措法案の成立にかける意気込みの表れだと言う人もいます。
それでは再延長される国会では、どのようなことが行われるのでしょうか。


「今後質問しない」 与党、新テロ法案で

与党は13日の参院外交防衛委員会理事会で、新テロ対策特別措置法案について「十二分に質疑した」として14日の採決を提案した。野党は拒否した。

自民党の脇雅史参院国会対策筆頭副委員長は13日の記者会見で、「今後の質疑で与党側は質問しない」との方針を示した。「新しい質問がもうない」ためで、与党は同日午後の一般質疑も予定より1時間早く切り上げた。

[2007年12月14日 読売新聞]


この法案のために1ヵ月延長するはずなのですが、与党は今後質問をしないそうです。
これから1ヵ月もの間、与党議員は国会で何をしているつもりでしょうか。
もっとも、彼らはこれまでも何か活動をしていたのか、よく分かりませんが。

いずれにしても、あと1ヵ月、国会が開かれることになりました。
そして、インド洋での無料ガソリンスタンドは3月ごろに再開できる見通しだそうです。
それと引き換えに、参議院で福田首相の問責決議案が提出されるかどうかが焦点となります。
同時に、また火を噴いた年金問題で、舛添大臣をはじめとして福田内閣への追及が続くことと思います。


こう考えると、再延長は福田内閣が自分自身で墓穴を掘ったともいえます。
せめてあと1ヵ月、楽しませていただきましょうか。


延長料金は100億円ですからね。

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2007年12月10日 (月)

国家、国民のために

日本がインド洋での給油活動を止めてから一ヵ月以上が経過しましたが、その後日本がそのために非難されたり国際社会で孤立したということはあまり聞かないように思います。
それでもなぜか政府は給油活動を続けたいようで、昨日は町村官房長官と石破防衛大臣が渋谷で街頭演説をしたそうです。


「多くの国が給油に期待」町村氏ら異例の街頭演説で

町村信孝官房長官と石破茂防衛相は9日午後、東京・渋谷で街頭演説し、対テロ新法案について「多くの国が日本の給油活動に期待している。これに応えるのが日本の役割だ」(町村氏)などと述べ、今国会成立の必要性を訴えた。閣僚が街頭で政策実現を訴えるのは極めて異例。

 町村氏は「残り会期の1週間、(野党に)一生懸命お願いして給油活動を続けたい。落ちた日本の国際的地位をもう一度元に戻す努力をしたい」と強調。自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法にも触れ「新法案を通した後、(恒久法を)通そうと公明党や野党と話し合いをしようという姿勢で臨んでいく」と述べた。

 石破氏は「(給油活動は)憲法違反で米国の戦いに加担するものと、審議をしないで対案も出さない政党は国民のための政党と言えるのか」と民主党を批判した。

[2007年12月9日 17時15分 産経新聞]


町村氏によりますと、給油活動を続ければ落ちた日本の国際的地位が元に戻るということのようです。
日本の国際的地位が落ちたというのは本当なのでしょうか。
もしそうだとすれば、落ちた地位を回復させるのは大事なことだとは思います。
しかし、それは給油活動の継続とは関係ないような気がします。

先ほどラジオでこの街頭演説の一部を聞きました。
この中で町村氏は「国家、国民のために」という言葉を使っていました。
これは政治家がよく使う言葉ではありますが、この場合町村氏が言いたいのは給油活動の継続が「国家、国民のためになるのだ」、ということのようです。

「国家、国民のために」という言葉を聞いて、私がいつも思うのは、国家と国民は違うだろう、ということです。
場合によっては、国家と国民とは対立するものでもあるはずです。

どちらの利益にもなる政策もあれば、どちらか一方の利益にしかならず一方は被害を受ける側に回る場合もあるのではないかと思います。
若しくは、どちらの利益にもならない場合もあるでしょう。


それでは、今回の給油活動は、国家のため、国民のためになっているのでしょうか。
率直に言って、多くの国民にとっては「どうでもいいこと」なのではないでしょうか。
もちろん、こういう国民の認識の低さが日本の政治を悪くしている要因の一つだと思いますが、少なくとも少数の防衛利権関係者以外にとっては「どちらでもいいこと」に過ぎないというのは確かでしょう。

町村氏は「多くの国が日本の給油活動に期待している。それに応えるのが日本の役割だ」といいます。
大体、給油活動に期待している多くの国とは、アメリカ以外に何処があるのでしょうか。
さらに、多くの国が期待をすれば、日本はやらなければならないのだとすれば、国連軍に参加した方が手っ取り早いような気もします。


最後に、石破氏が民主党を「国民のための政党といえるのか」と批判しています。
それは確かに疑問です。
それでは、自民党は国民のための政党といえるのでしょうか。


これこそが最大の疑問です。

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2007年12月 8日 (土)

「むちゃな話」とイシハラ氏

この国に長く住んでいる私のようなものにとっては、以前から分かっていることではありますが、自民党の政策というのはその場しのぎの小手先のものばかりで、自分たちの失政を他の者に押し付けるということの繰り返しです。

今まで、地方税として都道府県に入っていた税収を、その格差が大きすぎるという理由で今後は国税として国が自治体に再配分することに決めたそうです。
昨日、その方針の理解を求めるために自民党の与謝野氏が石原都知事と面談しました。


自民党税制調査会の与謝野馨小委員長は7日、東京都庁で石原慎太郎都知事と面会し、大都市から地方へ計約4000億円分の法人事業税収を移譲する方針について理解を求めた。

都からの移譲分として想定されているのは3000億円程度。石原知事は反対の姿勢を崩さなかったが、都には政府・与党の方針を覆す権限はなく、「政府は全然、内部努力をしていないのに、東京に税収があるからそれをよこせというのは、むちゃな話だ」と憤った。

[2007年12月8日 読売新聞]


めずらしく、私は石原都知事の言葉に納得しました。
それだけ政府・与党は酷すぎます。
完全に迷走しています。
税制というものは国が決定したら、さすがの石原都知事でも憤ることくらいしかできないのだそうです。

確かに、都道府県の間の税収のバランスが現状のままで良いのかどうかは議論のあるところでしょう。
ただ、その解決策は現在の国税で賄うなど、他にもあるわけです。
それを、大都市の税収を他の地方に移せというのでは、石原氏でなくとも不満を持つのは当然のことです。


そもそも、地域間の財政状態に大きな差ができたのも、自民党を中心としたこれまでの政府の政策によるものなのですから。
それだけではなく、国民の間の格差なども地域間格差と同様に現在の政府・与党が進めてきた政策によるものです。
特に、「小泉カイカク」と呼ばれるものは、そういう政策を公然と行ってきたわけです。

その「カイカク」を見直そうというのは悪いことではありませんが、国はほとんど努力もせずに、そのしわ寄せを地方や国民に負担させようという政府のやり方は、今の福田政権がいかに無能であるかを如実に表していると思います。
官僚が反対するような政策は何一つできないわけです。それは独立行政法人の改革を見ても明らかです。

「カイカク」で疲弊した地方に手を差し伸べるのなら、同じように「カイカク」で酷い目に遭った国民や中小企業なども助けるべきでしょう。
ただ、そうすると「小泉カイカク」とは何だったのか、不必要だったのではないかと、バレてしまいますけどね。


今回の方針では、都道府県の法人事業税全体の半分程度を国税に移すことになり、2兆円を超す規模の税収が国税となり、特別会計を通じて、人口や従業員数などに応じて自治体に再配分し、格差をならす仕組みだということです。
地方分権の流れにも逆行していますし、政策に一貫性がないので、地方の行政を担当する人たちも大変です。

結局、「カイカク」だの「小さな政府」だの「財政再建」だのと、自分たちで手を縛ったために何もできなくなっているのが今の政府だと思います。
その結果として出てきた政策が、あの石原氏でさえ「むちゃだ」というようなムチャクチャなものでした。


いずれにしても、今回は石原都知事と私の意見が合ってしまいました。

それだけ、政府・与党の政策は「むちゃだ」ということでしょう。

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