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2007年12月17日 (月)

実感した医療崩壊の深刻さ

先週の土曜日、12月15日に父が足に大怪我をして帰ってきました。畑で農作業をしていて機械に触れたとのことで、大量に出血をしていました。
私はその血の多さを見て動転し、「救急車を呼ぼう」と言ったのですが、本人が「近くの外科に行く」と言い張るもので、仕方なく殆ど歩けない父を車の助手席に乗せ、病院へ連れて行くことになりました。

それは土曜日の午後4時頃のことでしたが、行った先の病院は土曜日の午後は休診ということでした。
それでも運よく看護師さんが3人ほどいて、所用で近所に出かけていた院長に連絡をしてくれたおかげで、午後5時頃から手当をしていただくことになりました。
結局、午後7時頃までかかって、両足を全部で60針ほど縫い、2週間くらい入院する必要があるということです。


そこの病院の院長はなかなか面白い方で、待合室に自分の書いた論文を冊子にして置いていて、患者やその家族などが自由に持ち帰れるようにしているのですが、そのタイトルが「自民・公明連立内閣により、老人・低所得者見離しの最悪な医療制度の時代がやってきた。」というものなのです。

内容を一言でいいますと、医療という面からの小泉内閣批判です。
冊子を一部いただいてきましたので、そのうち、このブログで少しずつでも紹介してみたいと思っています。


処置を施していただいた後に、その院長と少しお話をする時間があったのですが、その中で一番印象的だったのが救急患者のいわゆる「たらい回し」のことです。
この話題に関しては、ちょうど12月6日の記事
救急車で何処へ行くで取り上げたばかりなのですが、院長の話によりますと、どうも実態は報道よりも酷いもののようです。

つまり、報道されるのは患者が亡くなったりするような特殊な場合であって、そこまで至らないケースは普通に起こっているようです。
つい最近、院長のところにも20件目くらいに問い合わせがきた患者があって、その患者は浅草から来たのだそうですが、浅草からその病院まではまっすぐ来ても15~20分くらいかかる場所なのです。

また、この院長は体制が整ってさえいれば救急患者は受け入れるとのことですが、一度看護師が一人しかいなかった時に断ると、その患者は最後には越谷の病院まで行ったとのことです。
越谷というのは埼玉県ですし、30分はかかると思います。

院長は、私の父があの怪我の状況で越谷まで連れて行かれたら、「死んでしまうよ」と言っていました。
東京でも運が悪ければ、最早こういう状況のようです。

以前の記事でも書きましたが、これは個々の病院を責めることでは解決しません。
病院の設備や医師、看護師を救急患者のために用意しておかなければ救急車はどこまでも走り続けることになるのです。


いわゆる「たらい回し」は、新聞で読んでいる限りは他人事でした。
それが今回、身近な人間が救急車を利用しそうな状況になり、日本の医療の現状の一端を知ることになりました。


おそらく、この国の医療はマスコミが報道するよりも、かなり深刻な状況になっていることは間違いないようです。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
記事、読ませていただきました。
お父様、大事に至らなくて良かったですね。
ブログ主様も、不安で一杯だったかと思います。
医療の崩壊は、本当に深刻ですね。

この時代になっても、医師叩きをしてるマスコミや国民がいる中で、このブログでの医療記事には救われた思いです。
私は、医療に関係する職場にいますが、同僚も医師叩きをやめません。


医療崩壊を阻止するには、国民が理解することが必要だと思っております。
>これは個々の病院を責めることでは解決しません。
↑主様のこのコメント、是非、広めたいですね。
責めれば責めるほど、医療は崩壊しますから。
国民が真実を理解し、声を上げる時、医療再生への道は拓かれます。

投稿: たか | 2007年12月18日 (火) 00時54分

重大事項だから、【医療崩壊トラックバック】に参加してみては?
http://tbp.jp/tbp_9323.html

投稿: n | 2007年12月18日 (火) 08時37分

こんばんは。
60針とは大変でしたね。
お父様の一刻も早いご回復をお祈り申し上げ居ます。

> そのタイトルが「自民・公明連立内閣により、老人・低所得者見離しの最悪な医療制度の時代がやってきた。」というものなのです。

面白いお医者様ですね。
こういう方が医療の最前線で頑張っておられる。
しかし、小泉・竹中がいかに酷いことをしたか・・・。
具体的な例の数々を耳にするたびに、奴等(小泉・竹中)の悪辣さに激怒を覚えます。
あいつらは絶対に逃がしてはダメですね。

投稿: 喜八 | 2007年12月18日 (火) 20時10分

お父様、大変でしたね。処置が間に合って良かったです。救急車を呼んだら反って受け入れ先がなく、大変なことになっていたかもしれません。近くに良い医院があって良かったですね。
そもそもさんも東京の方でしたか。私の家の近くには大学病院がありこれまでも何度もその救急外来を利用しているので安心していたのですが、これからどうなるかわかりませんね。
お父様、お大事に。早いご快復をお祈りいたします。

投稿: うみおくれクラブ・ゆみ | 2007年12月19日 (水) 09時35分

その外科医さんは恐らく傷口を切開して,丁寧にしょうどくしてから縫い直してくれたのでしょうね.

特に口腔外科(歯科)の世界でよく使われているのですけど,最近はつまようじくらいの大きさのミシンがありまして,それでつんつんつんと刺すと,自動的に縫われていく機械があるのです.恐らく,お父さんの傷口の縫合もそのような形にて行われたのでしょうね.

私は中核病院のそばに住んでるせいで,毎日三十台以上の救急車のサイレンに悩まされています.県内の病院をたらい回しにされた救急車が高速道路を通ってやって来るのです(あ,また1台来た).

もっとも,救急外来の当直の医師の愚痴も面白いですけどね.まぁ,これは書かないことにしましょう.

投稿: kaetzchen | 2007年12月28日 (金) 15時08分

しょうどく → 消毒でしたね.漢字になってなかった.(^^;)目が悪いと不便だなー

んで,受け入れる側の病院も大変なんですよ.最近は医学部に金持ちの子弟がやたら増えたため,根性がないというか.日本語に訳されたマニュアルでないと受け付けないとか…….自分たちの頃と比較すると全んどエイリアンです.

あとは各都道府県の公立大学に看護学部ができたのは良いのですけど,東進や福武のような落ちこぼれ専門受験屋が「先輩からの声」と称して「看護の男子学生は力仕事ばかりさせられる」などと宣伝するもんだから,看護学部に男子学生が集まらなくなりました.

ただでさえ看護の仕事は大変で,看護師になったあと一年で5%以上の若者が看護師の職を離れる,厳しい職場です.ヘンな宣伝をしてくれるおかげで逆効果やないか.献身のために生きるのが医師や看護職やないかと私は思うのですけどねぇ.

投稿: kaetzchen | 2007年12月28日 (金) 15時18分

「たらいまわし」という表現が大嫌いでしたが,某エブリデイ新聞
のおかげで定着してしまいなんだか納得いっていません^^;
こういう形で救急車からの連絡を断ること事体は日常的なことであり,その理由としてみたくないからというものはおそらく皆無でしょう.
20-30件の電話が断られるという事はおそらくは医療資源が乏しいことは間違いないと思いますが,もう一つ,救急隊の電話の仕方がまずいということも挙げられると思います.
断られた病院に何度も電話をしていた・・・なんて事が報道では言われていませんが良くあるようです.
実際には地域の病院と救急隊が協力してbestな搬送をすべきなのだと思いますが,なかなか難しいですね.
これからもっといわゆる「たらいまわし」は増えてくると思います.言い方悪いですが仕方がないことなのですが,そのことを「たらいまわし」報道から医療者側を悪し様に言う人たちが増えてきて,多少なりとも凹んでいます.ちゃんと両方の視点から取材報道してくれると嬉しいんですけどね.
その点に関しては,あきらめている・・・点は否めないけれど^^;


>kaetzchenさん

>その外科医さんは恐らく傷口を切開して,丁寧にしょうどくしてから縫い直してくれたのでしょうね.


おそらく違うでしょうね.こういう処置法はあまりこのケースでは取らないと思います.もしかしたら,必修問題禁忌に引っかかるかもしれませんね^^;
DMをお持ちであれば創処置に関してもう少し勉強された方がご自身のためですよ?

投稿: アルよし | 2008年1月24日 (木) 18時12分

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