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2007年11月22日 (木)

生活保護はリッチなのか

昨日の記事で、食材費が上がったため給食の回数を減らす小学校を取り上げましたが、この物価高の中、食費を減らさざるを得ない人々もいるようです。
やはりこの人たちも、食事の回数を減らすことになるのでしょうか。


生活保護引き下げ・厚労省方針

厚生労働省は20日、生活保護額のうち食費など生活扶助額を引き下げる方針を固めた。現在の生活保護の水準が、保護を受けずに働いている勤労層の生活費を上回り、勤労意欲をそぐ恐れがあると判断した。

有識者による同省の「生活扶助基準に関する検討会」は同日、食料費など必要な生活費の調査結果を、生活扶助額を見直す基準に位置付けることで合意した。

[2007年11月21日7時00分 NIKKEI NET]


ワーキング・プアと呼ばれる人々よりも、生活保護を受けている方が良い生活をしているという考えのようです。
だから、ワーキング・プアが勤労意欲をなくしてしまう。
そこで、生活保護を引き下げようということなのですが、こういう愚かなことを話し合う「生活扶助基準に関する検討会」とは、どのようなメンバーが集まっているのでしょうか。


「生活扶助基準に関する検討会」委員

慶應大学商学部商学科 教授 樋口美雄
首都大学東京 都市教養学部教授 岡部卓
早稲田大学 法学学術院教授 菊池馨実
慶應義塾大学 経済学部教授 駒村康平
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部社会福祉学科教授 根本嘉昭


全て大学の教授です。
この中の何人が生活保護を受けたことがあるのでしょうか。
いるわけがないでしょうね。
この方々が厚労省の思惑通りの結論を出すわけです。
自分の身に関係のないことなら、どうとでも簡単に結論は出せます。

そもそも厚労省が先にやるべきなのは、生活保護の引き下げではなく、雇用対策ではないでしょうか。働いてもワーキング・プアから抜け出せない、そんな現状を解決する方が先でしょう。
生活保護受給者がリッチなのではなく、ワーキング・プアという状態が異常なのです。

国の財政が厳しいから社会保障の水準を引き下げるというのは、国として最低の政策だと思います。というのは、国の財政がどうであろうと、人として生活するための最低ラインは変わりませんから。

このことに関して、ジャーナリストの江川紹子さんのホームページによい例が示されています。
「スウェーデンを訪ねて」という文章なのですが、そこでスウェーデンの高齢者介護のことが日本と比較して取り上げられています。

簡単に内容を紹介しますと、日本では介護にかかる経費をどうするかというところから出発しているのに対し、スウェーデンでは人が人間らしく生きるには、という点から始まって制度設計がなされているのが特徴だということです。

つまり日本の場合は、まず経費を考え、その上で本人の負担額が決まりますが、スウェーデンでは、人として生きるには本人が手元にいくら必要かという金額が先にあり、収入からその最低保障金額と家賃を引いた残額が、介護費用負担の限度額となっています。
この最低保障金額は物価などを考慮して変遷しますが、今年は日本円にして約77000円ということです。

この金額は、食費や日用品、新聞購読費やテレビの視聴料などのほかに、余暇や時には旅行に行くための費用も考慮されているとのことです。
つまり、人が人間らしい生活をするには、食べるだけではなくて、新聞や本を読んだり、音楽を聴いたり、テレビや映画を見たり、趣味の時間を持つことも大事、というわけですね。そのための経費を確保することは、スウェーデン国民の権利であるから、一定の金額を保障しましょう、と。

それで、残った金額の中から介護の費用を払うことになります。収入から家賃と最低補償金額を除いた残高が1万5000円だとすれば、この額が支払わなければならない介護費用の上限。この場合、介護費用が3万円かかったとしても、本人の負担は1万5000円ですみます。逆に1万2000円しかかからなければ、残りの3000円は本人のお金として自由にできます。
ですから、介護費用のために生活費を削らなければ……という心配はないのです。

以上は、高齢者介護についてのことですが、生活保護に関しても考え方は同じでしょう。
生活保護は、国民にとって最後の拠り所になるものです。
財政が厳しいから、ワーキング・プアより恵まれているから、などという理由で安易に引き下げるものではないと思います。

いずれにしても、老後はスウェーデンに住みたいですね。


ちょっと寒そうですが‥‥。

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コメント

はじめまして
スウェーデンという国に今からでも移住したい気持ちですね
人間らしく生きれるのですから
わが国は、スウェーデンと正反対の途に向かっていますね
とんでもない少子高齢化になる前に、海外に流出する人が続出するでしょうね

投稿: うずら | 2007年11月22日 (木) 21時25分

私もブログ書いています。よろしくお願いします。

投稿: ずーさん | 2007年11月22日 (木) 21時38分

おはようございます。TBありがとうございます。
前の給食の記事にも驚きましたが、「金」がすべてで生活と教育が削られて行く。何を考えているんでしょうこの国は。
そも「金」がない、というのも嘘ですしね。
火器を買う金や、アメリカに貢ぐ金、予算消化のための金、一部の人間の私腹を肥やす金、etcはあるわけですから、正確には、貧乏人や子ども、障害者や老人につかう金がない、と言っているのでしょう。ほんと腹立ちます。

投稿: dr.stonefly | 2007年11月23日 (金) 10時06分

うずら さん

はじめまして、コメントありがとうございます。

仰るように、できるものならこの国を脱出したいという人は多いと思います。
ただ、スウェーデンが特別優れているというよりも、日本が酷すぎるという気もしますが。


ずーさん さん

こんにちは。コメントありがとうございます。

ブログを続けるのは大変だと思いますが、ぜひ頑張ってください、応援しています。
これからも、よろしくお願い致します。


dr.stonefly さん

こんにちは、お久しぶりです。

結局、すべてがカネなのですね、この国は。
貧乏人に施しをしても、役人にも政治家にも何の見返りもない。だから、利権のないところには予算はつけない。
こういうことが、小泉時代以降は露骨になってきたように思います。
こういう政府は変えなきゃいけないですね。
その時は近い‥‥かな?

投稿: もそもそ | 2007年11月26日 (月) 14時31分

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