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2007年10月 8日 (月)

韓国が「死刑廃止国」になる

韓国には今でも60人を超える死刑囚がいるということです。それでも最後に死刑が執行されたのは1997年の12月。今年の12月で10年が経過します。
ということで、アムネスティ・インターナショナルの基準によるところの「事実上の死刑廃止国」になります。


1997年末以来、死刑を執行していない韓国が12月、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)の基準で「事実上の死刑廃止国」となる。同国の市民団体は10日、ソウル市内で日本などから来賓を招き「死刑廃止国家宣布式」を開く。

宣布式を主催するのは「韓国死刑廃止運動協議会」などで、同協議会の会長を務める李相赫弁護士は「大韓民国は死刑のない平和愛好国になろうとしていることを宣言したい」と話している。

同協議会によると、宣布式にはアムネスティや日本の死刑廃止運動団体のほか、加盟国がすべて死刑を廃止しているEUの団体などからも代表者らが参加する予定。

韓国で死刑が最後に執行されたのは、97年12月30日。金泳三政権末期で、当時は1日に23人が処刑されたこともあった。後任の金大中大統領は自ら政治犯として死刑囚になった経験があり、任期中に死刑は執行されず、現在の盧武鉉政権も執行停止を引き継いでいる。

ただ李弁護士は「昨年12月から今年1月にかけ、法務当局が執行を画策した」とし、死刑制度を廃止する法案が国会で可決される見通しも立っていないという

[2007年10月7日16時27分 nikkansports.com]


自らが死刑囚であった金大中氏が大統領になったことが契機となり、それ以降は死刑が執行されていないということです。
それでも死刑制度廃止法案については、世論も反対の方がやや多く、まだ先のことになりそうです。

それにしても、今では世界の過半数の国が法律で、または事実上死刑を廃止しています。アムネスティ・インターナショナルの最新の情報によりますと、

  • 90の国と地域があらゆる犯罪に対する死刑を廃止している。
  • 11カ国が戦時の犯罪など例外的な犯罪を除くすべての死刑を廃止している。
  • 32カ国が事実上の死刑廃止国と考えられる。つまり、これらの国々は法律上は死刑を存置しているが、過去10年以上いっさいの執行がされておらず、死刑執行をしない政策または確立した慣例を持っていると思われる。

合計133カ国が死刑を法律上または事実上廃止していることになります。
残りの64の国と地域が死刑を存置し適用していますが、どの一年間をとってみても実際に死刑を執行している国の数は、それよりもはるかに少なくなっています。

2006年のデータでは、25カ国において少なくとも1,591人が処刑されたといいます。
これは確認された最低限の数字であり、実際の数字は確実にこれを上回ります。
特に中国では1,010人が処刑されたとアムネスティ・インターナショナルでは見積もっていますが、信頼できる筋の情報によれば7,500~8,000人が2006年に処刑されたということです。
おそらく、世界で執行される死刑の90%までが中国なのだろうと思われます。


ちなみに、現時点での死刑存置国と地域を列挙しておきます。
この中から今年の12月に韓国が外されるというわけです。

アフガニスタン、アンティグアバーブーダ、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、バルバドス、ベラルーシ、ベリーズ、ボツワナ、ブルンジ、カメルーン、チャド、中国、コモロ、コンゴ民主共和国、キューバ、ドミニカ、エジプト、赤道ギニア、エチオピア、グアテマラ、ギニア、ガイアナ、インド、インドネシア、イラン、イラク、ジャマイカ、日本、ヨルダン、カザフスタン、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、クウェート、レバノン、レソト、リビア、マレーシア、モンゴル、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、パレスチナ自治政府、カタール、セントクリストファーネビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、シエラレオネ、シンガポール、ソマリア、スーダン、シリア、台湾、タジキスタン、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、アラブ首長国連邦、米国、ウズベキスタン、ベトナム、イエメン、ジンバブエ


日本ではテレビで殺人事件を取り上げた際に、司会者やコメンテーターが「こんな犯人は極刑にしろ」などとよく言います。
私も感情的には分かりますし、言論の自由はできる限り大事にしたいと考えています。
ただ、テレビでの発言としてあまり感情的なのはどうかと思います。

また、余計なお世話でしょうが、上に挙げた国と地域以外では、「そういう発言は慎んだ方が良いですよ」と忠告しておきます。

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死刑制度」カテゴリの記事

コメント

韓国で死刑の執行が止まって10年になります。隣人として大韓民国が死刑のない平和愛好国になろうとしていることを心から歓迎いたします。
国会でもすみやかに「死刑廃止法案」を可決して正式な死刑廃止国になってくれることを期待したいものです。
私は国のおこなう人殺しである死刑制度はどんな理由があったって絶対に許されないと思います。
「こんな犯人は極刑にしろ」なんて暴言を吐く司会者やコメンテータがおりますが、私は感情的にも理解できません。そんなことを言う人間こそ最も凶悪な犯罪者ではないでしょうか。

投稿: 怪人20面相 | 2007年10月10日 (水) 23時46分

上のコメントに付け加えます。

司会者やコメンテータは検察、裁判官ではありません。マスコミやお茶の間が司法になったらおしまいです。
ただ言論の自由は保障されないといけないと思います。

投稿: 怪人20面相 | 2007年10月11日 (木) 00時17分

死刑は賛成です。
何度も同じ罪を犯す人は治りません
連続殺人犯などはどうにかしてもらいたいです

投稿: レイナ | 2007年10月12日 (金) 22時34分

怪人20面相様

こんにちは。コメントありがとうございます。

私も国家による殺人には反対です。
また、言論の自由は大切ですが、テレビで何を言ってもいいというものでもありません。
結局、視聴者である国民の意識の問題だと思います。

投稿: もそもそ | 2007年10月13日 (土) 00時52分

レイナ様

こんにちは。

死刑制度を廃止すれば、それに代わるものとして、終身刑とか長期の懲役刑などが採用されることになるのでしょう。
ですから、仰るような「連続殺人犯」が社会に出てくることは、おそらくないと思われます。

ただ、正直に言うと、私も日本が死刑制度を廃止するのには一抹の不安があります。きちんとした代わりの制度を作れるかどうか。
この国には、いい加減で無責任な部分が多いですからね。

コメントありがとうございました。

投稿: もそもそ | 2007年10月13日 (土) 02時46分

殺人犯が終身刑と言われても
10年くらいで出てくるようです。

投稿: レイナ | 2007年10月25日 (木) 19時27分

レイナ様

コメントありがとうございます。
返事が遅くなり申し訳ありません。

終身刑ではなく、現在の無期懲役のことをおっしゃっているのだと思いますが、最近では20年は出られないそうです。

参考として以下のブログを紹介しておきます。
http://www.geocities.jp/y_20_06/index.html

投稿: もそもそ | 2007年11月 5日 (月) 02時25分

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