シルバーシートが必要だ
電車やバスには「優先席」があります。以前は「シルバーシート」と呼んでいました。
「シルバーシート」とは
公共交通機関における、高齢者・障害者の使用を優先とした座席。1973年9月15日(敬老の日)、国鉄が首都圏の中央線快速電車にそのような座席を設置するにあたり、銀色の布地(新幹線普通車座席用の布地を転用したもの)を用いて座席を区別し、「シルバーシート」と名づけたことが始まりである。このことをきっかけに、「シルバー」という言葉で婉曲的に高齢者を指す用法が普及したともいわれる。名称が定着した後は、座席の色はシルバーに限らなくなった。
全国のJRおよび一部私鉄で使用されていたが、2000年前後からは多くの事業者において高齢者・障害者・妊婦・乳幼児連れが幅広く使用できる「優先席」として、シルバーシートの概念及び名称を変更したため、現在はこの名称はほとんど使われていない。従来から「優先席」または「優先座席」の呼称を使用していた事業者もある。
今の若い方たちは生まれた時から、「優先席」があったわけですが、私たちの世代は「優先席」がなかった頃も知っています。
その頃は、高齢者や障害者には席を譲りましょう、というあくまで個人の良識とか公衆道徳ということに任されていました。
言い換えれば、すべての座席が「優先席」だったとも言えます。
それでも席を譲るというのは、なかなか難しいものです。そのせいか、私は今でも電車では座らずに立っていることが多いです。
私は昨日の記事 恐るべき想像力の欠如 の中で、麻生外相の「アルツハイマー発言」を取り上げ、安倍政権には想像力が欠如していると書きました。
いつも拝見している 津久井進の弁護士ノート では 麻生太郎氏のスタンスは一つの争点 というタイトルで、この発言に関して書かれています。
津久井先生は、麻生外相の「いわゆる失言」は単なる失言ではなく、確信犯であり、そこにあるのは、
差別意識=平等思想の欠如
である、としています。
少し引用させていただきます。
人間には,生まれたときから差異があるということは,誰でも知っていることです。
「平等原則」というのは,そのままで良いのか,そのままでは良くないか,という問題です。
放っておけば,人間には差が生じていきます。何もしなければ,自然競争によりその差はどんどん広がっていきます(≒新自由主義)。
●それを,調整する原理が「平等原則」であり,
●「個人尊重」と同じく,目指す理想(≒建前)が「平等」であり,
●建前である「平等」を実現するのが政治である,
ということを,この人は理解していないようです。
むしろ,
「平等は悪だ」≒「差があるのは良いことだ」
という論理があり,それが一連の「差別発言」につながっているということを確認しておく必要があります。
今回の選挙は,安倍政権に対する審判という意味合いがあります。
ただ,次期首相候補者の適格性に問題があることを考えると,徹底した敗北が要求されると言えるかも知れません。
つまり自由競争の社会では、差(格差)ができるのは当然で、それを調整し、いわゆる弱者でも安心して生活できるようにするのが政治の役割のはずですが、そういう基本的なことさえ麻生氏は理解していないということです。
格差はやむを得ないとしてもそれを放置するのなら、国や政治家は存在自体を自己否定しているようなものです。
かつて、「格差は悪いことではない」と発言した前首相がいます。この小泉純一郎という人物は7月19日に埼玉で次のように言っています。
7月20日の東京新聞より引用します。
小泉純一郎前首相が十九日、三郷市文化会館で開催された参院選候補者の決起集会で応援演説した。会場前に百メートルを超える長蛇の列ができる大人気で、定員を超える約千五百人が集まった。
小泉前首相は「小泉政権で格差問題が出てきたと批判されているが、誤解。日本は世界で最も格差が少ない国。努力してもしなくても格差がないより、努力する者が報われる社会がいい。能力ある人がしっかり働いて税金を納めてこそ、国が成り立つ」と持論を展開した。
年金記録問題では「社会保険庁の役人が合理化に反対し、怠慢だったことは知らなかった。反省している」と釈明した。
この方も相変わらずですが、大丈夫でしょうか。
安倍政権も危機的状況ですが、後継者も前任者もかなり怪しげな人たちばかりです。
この国を電車の車内に例えれば、以前に比べると弱者と思われる乗客が増えてきました。それでも強者たちが我が物顔で座席に座り続けています。彼らの良識に期待しても座席を譲るはずもありません。
こういう国になってしまった以上、「シルバーシート」や「優先席」を設けましょう。
そうでなければ、耐えられなくなった乗客から降りていくほかなくなります。
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コメント
こんにちは。ご紹介ありがとうございます。
確かに,麻生氏的な発想だと,シルバーシートの意味が変わって来ちゃうかもしれませんね。
安倍氏も,麻生氏も,世襲議員ですので,本当の底辺の人々の痛みが分からない(=というか,分かろうとしない)のかも知れません。
投稿: つくい | 2007年7月23日 (月) 07時51分